分かち書きをどこまで追求するべきか | 小さな町から韓国語

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田舎暮らしをしながら、韓国語教室を運営しているおばさん先生のブログ

日本語と違い、韓国語には「分かち書き」というルールがあります。

 

韓国語では〈띄어쓰기〉と呼ばれます。

 

単語と単語は基本的に分けて書くけれど、助詞などはくっつけて書く、というのがルールの基本。

 

この〈띄어쓰기〉こと「分かち書き」、どれぐらい大切なのか?

 

日本語には「分かち書き」がないので、ピンとこないところもありますが、日本語で言うなら、〈띄어쓰기〉がされていないと、句点が全くなくて読みにくい文章になるような感じだと思います。

 

読みやすい文にする、

文の意味を明確にする

 

それが〈띄어쓰기〉の目的です。

 

〈띄어쓰기〉の大切さを伝えるために、よく例に出されるのが、

 

 

'아버지가 방에 들어가셨다' (お父さんが部屋に入った)

 

'아버지 가방에 들어가셨다' (お父さんがカバンに入った)

 

という2つの文。

 

どこで〈띄어쓰기〉をするかで、意味が全く違ってくるぞ!ということを伝えたいようですが、例文に無理があるように思えてしまいます。

 

とはいえ、〈띄어쓰기〉はやはり大切でして、韓国語の試験などではちゃんと〈띄어쓰기〉がされないと減点にもなるので、正しい知識は必要です。

 

〈띄어쓰기〉に関しては、韓国語の標準語法にもこまかいルールが書かれていて、それを守ろうねってことで、学生たちもきちんと正しい書き方を学んでいるのです。

 

ですが、問題は〈띄어쓰기〉を完璧にこなせる人が実はそれほど多くないってことなんです。

 

というのは、単語と単語を分ける・・・といっても、もとは別々の単語だったものが、時代と共に、くっついて1つの単語のように使われることもあり、

 

「これは別々の単語なのか?一つの単語なのか?」

 

という区分が不明確なものが結構あったりするわけです。

 

そんなことやら、そもそものルール自体も複雑だということから、韓国語ルールをしっかり学んで試験に合格した公務員、出版社の編集者、校正者、国文科の教授たちさえも、辞書なしでは〈띄어쓰기〉を100%正解できるとは言えないんだそうです。

 

(ちなみに、2013年の古い記事ですが、韓国の国立国語院のトップでさえ「〈띄어쓰기〉は私も自信がない」って告白してます)

 

 

そんな難解なものを、韓国語を学ぶ私たちが完全にできるわけもないのは当然です。

 

まずは私たち学習者は、〈띄어쓰기〉に迷いそうな複雑怪奇なものは軽く流しつつ、でも、

 

「単語と単語は分ける」という基本的なこと、

 

それと、

 

〈할 수 있다〉とか〈찍어 주세요〉といった、初中級レベルの活用表現の中の〈띄어쓰기〉

 

この2つにはきちんと気を配る姿勢はもっていたいものです。