日本語を教えていると一番やっかいなのは、「は」と「が」の違いの説明。
日本人なら、子供でも上手に使いこなすこの2つの助詞は、日本語学習者にはかなりミステリー。
ですが、韓国人の日本語学習者は、かなり簡単に理解してくます。
というのも、韓国語にも「は」と「が」に該当する助詞〈은/는〉〈이/가〉が存在するからです。
逆も同じ。
韓国語を学ぶ日本人にとって、韓国語の〈은/는〉〈이/가〉の違いは理解しやすく、それほど困難さを感じません。
日本語から韓国語に訳す際、「は」、〈은/는〉に、「が」は〈이/가〉に置き換えればOKってなもんです。
なので、
日本語と韓国語の「は」と「が」の使い分けは、ほぼほぼ同じですよ・・・
と簡単に言ってしまうのですが、でも、わずかな差があります。
「トイレはどこですか」
「名前は何ですか」
「誕生日はいつですか」
「好きな食べ物は何ですか」
といった質問文のとき。
日本語の場合「トイレは」「名前は」「誕生日は」「好きな食べ物は」と、絶対に「は」で受けます。
けれど、韓国語の場合、「が」あたる〈이/가〉で受けるのがナチュラルです。
화장실이 어디예요?(直訳:トイレがどこですか)
성함이 어떻게 되세요?(直訳:お名前がどのようになられますか)
생일이 언제예요?(直訳:誕生日がいつですか)
좋아하는 음식이 뭐예요?(直訳:好きな食べ物が何ですか)
もちろん、〈이/가〉を〈은/는〉にしても通じますが、なんか不自然です。
「できる韓国語初級Ⅰ」のテキストにも、
맛이 어때요?(直訳:味がどうですか)
という文がさらっと出てくるのですが、敏感な生徒さんは、「うん?味が?」と不思議そうにされます。
日本語と韓国語は、文法構造について言えば、語順もほぼ一緒、表現も似ているものが多いです。
ですから、単語を日本語⇔韓国語に置き換えさえすればいける、ともいえます。
でも、やっぱり、外国語は外国語。
シンクロ率100%とはいきません。
90%ぐらい?でしょうか。
ということで、違い10パーセントに気を付けましょう。