アレとあれがつながるとき。 | 小さな町から韓国語

小さな町から韓国語

田舎暮らしをしながら、韓国語教室を運営しているおばさん先生のブログ

うちの夫は、語学に全く興味がない人間です。

 

毎日英語を使って仕事をしているのですが、英語はただのツールにすぎず、言語としての英語には全く無関心。

 

なので、私がいろんな言語に興味を持つことに対しては、

 

「何が楽しいんや?」

 

と不思議そう。

 

でも、言語好きの人なら分かるはず。

 

知るまでは全く意味をなさなかった文字、音が、少し学んでみると、意味を持つ立派な言葉になるその瞬間の喜びを。

 

ヨン様から始まった韓流ブームのはるかはるか昔の1980年代、


日本の歌謡界で人気を博した韓国大物歌手がいたことをお忘れではないでしょうか。


そうです、チョーヨンピル大先生。

 

きっと私と同じぐらいの年齢の方なら、テレビでヨンピル先生が、日本語で歌っていた『釜山港に帰れ』を一度は耳にしたことがあるはずなのです。

 

日本語で歌われる『釜山港に帰れ』には、韓国語がそのまま使われてます。

 

♪つばき咲く春なのに あなたは帰らない

たたずむプサンハンに 涙の雨が降る

あついその胸に 顔うずめて

もいちど幸せ 噛みしめたいのよ

トラワヨ プサンハンへ

逢いたい あなた♪

 

「プサンハンに」「トラワヨ プサンハンへ」・・・

韓国語を知らなければ、ただの「プサンハンに」「トラワヨ プサンハンへ」。


ただのカタカタの羅列とひらがなのセット。

ただの謎の言葉。

 

でも、韓国語を知ったとたん

「プサンハンに」は、〈부산항に〉(釜山港に)、 


「トラワヨ プサンハンへ」、〈돌아와요 부산항へ〉(帰っておいで釜山港に)


に変身するんです!

 

「あーそうだったのかあ」

「ああ、そういうことなの」

 

この発見を、韓国で、しかも、「釜山」のカラオケボックスで体験した私の感激、感動ったらもう並大抵のものではありませんでした。

 

私の韓国語教室の生徒さんたちも、こうやって、

 

「謎のカタカナの羅列を、意味ある立派な言葉に変身させていく作業」

 

にいそしんでいる、というわけです。

 

意味不明の「アレ」が「あれ」につながるときの喜び、その喜びで私は生きてます。