子ども会主催のウォークラリーに参加することになった。

 

参加者は安全上、上着と、下に着るTシャツにも、家庭で用意した氏名入りのゼッケンを付けねばならない。

 

早速ダイソーへ、ゼッケンを見に行ったのだが…

 

午前中半日だけの、終わればすぐに外すゼッケンを、わざわざ100円払って買う必要なんてあるか!?と、店頭で急に冷静になった。

 

激しい運動をするでもない、決まったルートを歩くのみですぐに外す前提だから、アイロン接着にも用は無い。

 

専用品を買わなくても、白い布を縫い付ければ充分事足りるのである。

念のため息子にも確認したところ、既成品でなくても全く構わないとのこと。

 

 

 

 

 

 

ダイソーでは何も買わないまま、自宅へ戻った。

ストック生地を入れてある箱の中を見渡したところ、真っ白い布が出てきた。

 

10年前、これから産まれる息子へ服でも縫ってみようかな、とメートル単位で買った布だ。

 

産後の育休中にポツポツ縫うつもりが、寝ない子ワンオペ育児に疲弊した私には結局、その布を使う機会は訪れなかった。

 

箱にしまわれたこれを見るたびに、当時のいろんな感情が思い起こされて、長年どうにも処分できなかった布である。

 

雑巾にするにはしのびないが、何かを作る予定も無い。

 

 

そんな、微妙な在存感を放つ布の出番が、とうとうこのたびやって来たのだ。

 

「これでゼッケンを作ろう!」

 

 

 

長方形に切った布の端を折り込み、チクチクと息子の服へ縫い付けていった。 

 
ミシンを使うより手縫いの方が、あとあと外しやすくて良い。
取れにくい、難しい縫い方をしなくても良い今回は、ただのなみ縫いで。
 
 
それでもちょっと手間はかかるが、がんばって縫った。
 
そして、できた!
 
ダイソーではない、10年前の布を使ったゼッケン!
 
 
 
 
 
その後ウォークラリーも無事終わり、服から外したゼッケンは、雑巾にして使い切った。
 
ただの綿布、油汚れをよく吸ってくれた。
 
 
乳児の服を作る機会は無かったが、我が子のために残り布を使える場面は、探せばもう少しはあるかもしれない。
 
せっかく買った白い布も、買った当時の私の気持ちも、どちらも無駄にならないように、もう少しジタバタしてみようと思う。
 
10年前に生まれた息子が成人するまで、あと8年だ。
ジタバタ期間もすでに折り返しである。
 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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