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昨年パートを退職した。
しばらくの休職を挟んでからの退職だった。
辞めると決めるのに時間がかかった理由のひとつに、学童がある。
私は、息子が3歳の時に、「夏休みと春休みは仕事を休む」という条件で職場との雇用契約を結び直していた。
代わりに、家族の協力を得られやすいゴールデンウィークや年末年始は、他の人が休みの間に働く、と。
保活に負けたせいで、預かり保育を利用できない幼稚園へ、息子が転園することが決まったからだ。
預かり保育が前提となる勤務形態では、働くことができなかった。
退職覚悟の契約交渉だったが、幸いにもそれが成功した。
おかげで、長期休みの幼稚園預かり問題はもちろん、「小1の壁」も「小3の壁」もどれもが私には存在しなかった。
学童に落ちたら働けない、みたいなことが無い、この恵まれた労働条件を手放すのが惜しくて、なかなか辞めるふん切りがつかなかった。
私はたまたま交渉が通ったが、そうはいかない会社がほとんどだと思う。
公立学童に落ちた知人は、民間学童に毎月ウン万円を払い仕事を続けている。
パート代の半分以上が学童代に消えると言っていた。
息子を私立幼稚園へ通わせざるを得なかった私も当時はそんな感じだったから、それでも働きたいという母親の気持ちがよく分かる。
さて先日読んだ家計管理の本に、「人生の貯め時は3回」 と書いてあった。
①独身時代
②子が乳幼児〜小学校低学年
(=塾へ通い始めるまで)
③子が社会人になってから
これを読んだ私の感想としては…
「②子が小さいときって、本当に貯め時か?
子が幼い時代の貯金ってだいぶ大変だぞ!?」
というものであった。
幼保無償化されてからも、「諸経費」で毎月数万円が集金された、息子の私立幼稚園。
また、何より大変な子育て中、自分の心身を健やかに保つためには、欲しいものを買ったり総菜を買ったり、色々とお金を遣いながらでないと身が持たなかった。
子が幼い間が貯め時というのは、ある人には正しいけれど、ある人には全然正しくない。
働けど働けど、預り保育、学童、家事育事をこなすための様々な金銭支出に、お金は流れ出て行くことがある。
昔は「子が小さい時は貯めどき」だと思う人がたしかに多かったかもしれない。
でも核家族が多く、女性も当たり前に正社員で働く今の時代は、「子が小さい時が貯め時!?ウソやろ!?」と感じる私みたいな人のほうが多いんじゃないかという気がする。
「母親が一人で育児する現代日本の状況は、人類史上初の事態である」
と、人類学だったか社会学だったかの専門家がテレビで言っていた。
祖父母もない、長屋もない、ご近所もない、公的支援へアクセスするのも難しい…
家電等々によりラクになったことは多いけど、実は「人類史上初」の超厳しい時代に、私たちは手探りで子育てしてきたんだなと思った。
そんなの、乳幼児の育児中に貯金がうまくいかなくても当たり前だ。
子が幼い間は貯め時だから…なんてことは、一旦頭の外に置いておいたほうが良いんじゃなかろうか。
子が幼い間は、お金を貯めるよりも、心身の健康のためにむしろそれなりにお金を遣って、母親も父親も体を休める方が良い。
その方が結果的に、人生トータルではお金も貯まるんじゃないか。
と、ワーママで無理を重ねた結果肺炎になり、喘息の後遺症を得、毎月死ぬまで医療費が飛んでいくようになった私はすごく強く思っている。
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