暖かくなり、外で遊ぶ子どもが増えてきた。
知っている顔もあれば、知らない顔もあるし、ちょっとだけ見たことある気がする、ような顔もある。
 
その日は合計7人の子どもたちがいた。
 
年齢的には子供だけで遊ばせても問題ないのだが、暴力行為のある子が一部いるため、できる範囲で親たちが見守りをしている。
 
私が一番暇なので、大体私が付き添っていて、仕事の終わった人から順に現場へ合流する。
 

 

 

 

 
この4月に小学生になったばかりの男の子がいる。
彼が草むらに寝転がり、眩しそうに上を見ながらこう言った。
 
「空ってすごく深いんだね」
 
空の深さを確認したくなって私も一緒に上を向いてみた。
男の子は続けた。
 
「あの青いところが全部穴ぼこでしょ。穴ぼこに落ちて、黒いところまで行ったらそこは宇宙ってことだよね」
 
話を聞きながら一緒に空を見ていたら、白い地面に青い穴が空いているように見えてきた。

底まで落ちると、そこは宇宙。空は広いのだと思っていたけど、本当は深いんだなと思った。
 



最初は調子よく遊んでいた子どもたちだったが、新学期の不安も手伝ってか、この日は特に事故が目立った。
 
登っていた木の枝が折れて手のひらに穴が空いたとか。溝のギリギリを歩いていたら結局落ちて背中をぶつけたとか。
 
 
大人の私がいるとはいえ、基本的には見ているだけで、大きな怪我でない限りは手も口も出さない。
 
しかし、子どもたちが不安定な日というのはいつもなら守れるはずのルールも守れないことがあって、鬼ごっこの勢いで道路で遊び始めたりしてしまう。
 
小さな口頭注意が頻発したこの日は、久しぶりにどっと疲れてしまった。
 
 
 
Hamic STORE

 

 
遊んでいるメンバーの中には当然私の息子もいるわけだが、私が集中して見ているのは別の、特定の子たち。
突然人を殴ったり、突然車の前に飛び出したりする子がいるため、彼らのことをかなり気を付けて見ている。
 
自分の息子が何をしているかは正直さっぱり見えていない。
 
それで良いと思える日がほとんどだが、疲労が大きかった日には「他人の子ばかり見て私は一体何をしているのか」と思うことがある。

 
息子を産むまで子どもというものが全く好きではなかったのに、どこでどうなってこうなったのかと、7人の子たちにもみくちゃにされながら呆れ笑いが出そうになった。

どの子が私の子で、私はどの子の親なのか、分からなくなりそうだった。

ただし私の本当の息子にとっては、実の母とはせいぜいその程度の距離感でいる方が、おそらく良いのだろうと思う。
 

 

★ランキング参加中★

にほんブログ村 その他生活ブログ 家計管理・貯蓄(30代)へ
にほんブログ村

※リブログ欄閉じていますが、リンクはフリーです。ご自由にどうぞヽ(^。^)ノ