息子とはま寿司へ行った。

 

家族3人でならこれまでにも行ったことがあるが、私と息子と二人で、というのは今回が初めてだった。

 

店が、家から遠い場所にあるためだ。

 

 

普通なら車で行くような距離で、私はペーパードライバーだから、運転できる夫のいるときにしか行ったことがなかった。

 

その店へ、ついに私と息子、二人きりで乗り込んだのである。

移動は自転車だ。

 

 

 

私が今の家に越してきた当時、息子は2才だった。

 

いつかこの子が自転車に乗れるようになったら、二人で、遠くのはま寿司とか、某ファミレスとか、そういうところへ行ってみたいと思っていた。

でも、息子は小さいからまだまだ先だなって諦めていたのだ。

 

 

あれから7年、息子は9才になった。

自転車で、何キロも走れるようになった。

 

 

はま寿司の扉をくぐった瞬間、私は思ったのだ。

 

ついにこの日がやって来た!と。

 

息子も成長したし、私もこの10年、(車の運転もできないのに)母としてよくやってきたな、ってとても嬉しかったし、感慨深かった。

 

 

 

 

息子も、いつもとはちょっと違う二人のはま寿司をとても楽しんでいた。

 

 

彼がオレンジジュースを飲みたいというので、SサイズかMサイズかを聞いたら、うーん、どっちにしようかなー、と迷っていた。

 

ジュースがあまり好きではない私、余ったところで代わりに飲んでやれそうもない。

 

それで、「とりあえずSにして、足りなかったらもう一回注文したらどうか」と提案したところ、結局Sで充分足りたようだった。

 

 

 

その後私も、はまカフェを注文することにした。はま寿司オリジナルのカフェラテである。

 

さて、SにするかMにするか、うーん…と真剣に悩む私へ、息子が言った。

 

「お母さん。とりあえずSにして、足りなければもう1回頼んだらいいんじゃない?」

 

おう。そやな。

 

そういえばさっきそんなこと言ってたなワシ。

 

 

それでSにしてみたら、やっぱりこちらも、充分足りた。

Mにしなくて良かったねー、お互いねー、と二人で顔を見合わせたのである。

 

 

 

 
さて、寿司もすっかり食べ終わり、会計のためにレジへ向かった。
 
その手前にはま寿司オリジナルのガチャガチャがあった。
寿司を食べてゲットしたコインを使い、息子はそれをしたのだが、彼のまったく興味がない、サンリオキャラクターのクリップが出てきた。
 
 
うーん、これか〜とその場で感想を述べ合っていたところ、後ろからスタッフさんに声をかけられたのである。

 

「お客様ー!これ、お忘れです〜!」

 

その手には私の上着があった

 

なぜこんなにもデカイものを席に忘れたのか私は。

 

 

夫がいたらあり得ない事態だった。

彼はとても丁寧で、 席を立ったら最後必ず振り返り、忘れものがないかを目視で確認するからだ。

 

雑な私はそんなことしない。食べ終えたらもうレジしか見えてない。

 

「いやー、やっぱり、お父さんがいないとダメだねー。」

 

母子二人でのはま寿司にも関わらず、逆に夫の存在を大きく感じることとなった。

 

 

 

 

さてガチャガチャで引き当てたクリップだが、息子は結局、私にくれた。

私は今それを、ブログの手書き原稿を留めるのに使っている。

 

 

クリップ裏面には、油性ペンでメモを記した。

 

「2024年 ○月×日

 息子と二人、初はま寿司」

 

 

自転車で来たこと、Sを注文したこと、ガチガチャをしたこと、上着を忘れたこと。

どれもすべて、一生忘れない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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