放課後、息子が友だちと公園で遊ぶというので、現地まで自転車で見送りをした。
公園へ行くには大きな道路を2回渡る必要があり、細い道は交通量も多く、一人で行かせるにはまだ少し危ない。
ペーパードライバーの私は常に自転車移動だが、中には車で送迎をする保護者もいる。
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約束の時間に公園へ着いたが、一緒に遊ぶはずだった友達の姿が見えない。
ちゃんと来るかな、と息子は不安げに言った。
家庭によるが、特に低学年の場合は、遊ぶ約束をしてもその通りに来ないことがザラである。
子どもはその日の家庭での予定をちゃんと把握してないし、親も親で、彼らの約束を知っていても「子ども同士のことだから」とそのまま無視して、家庭の都合を優先する場合がある。
色々な親子がいて、息子もそれを過去の経験から知っているため、今日初めて約束したその子が果たしてちゃんと来るのかと少し不安だったらしい。
そうしたら、ちゃんといた。
時間になっても来ないと思っていたら、実は私たちよりも先に来て、公園の隅にあるブランコですでに他の子達と遊んでいた。
それを見つけた瞬間息子は、跳ねた。
お友達の名前を大声で呼び、すごいスピードで彼の元へ駆け出していった。
母である私のことなど完全に忘れた、という勢いだった。
もういいよ、さようなら、と、こちらに向けられた息子の背中に書いてあるようだった。
こうして彼も、どんどん親離れしていくのだろうな…
寂しくもあり、成長が嬉しくもありといった気持ちで私も家に戻ろうとしたら、息子に呼ばれた。
「お母さん!」
そうしてこれまたすごい勢いで、こちらへ向かって駆けてきた。
なんだなんだ、バイバイの一言でも言うために戻ってきてくれたのか、と思ったがちがった。
「お母さん!帰りに迎えに来る時、輪ゴム10本持ってきて!」
聞くと、お友達が手品をしてくれるらしい。その手品に輪ゴムが6本ほど必要で、予備も含めてキリのいいところで10本くれ、と。そういう要求である。
分かったよ、母さんは、君らのためにあとで輪ゴム10本持ってくるからな。
息子を運び、輪ゴムを運び、母親というよりは運び屋としての私の存在意義。
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