
今年、夫が「ブルベ」に参加した。
ブルベとは皆様ご存知、
肌を色味で分ける「ブルーベース」…
ではなくて、「認定」を意味するフランス語の方。長距離を自転車で走るイベントのことだ。
200km、300km、400km、600kmといろんな距離設定があり、 今年夫は、この4距離のブルベすべてに参加した。
中でも600kmは、2日間かけて走り抜く長丁場である。
完走すると「認定(=ブルベ)」が受けられる。
タイムレースではなく、制限時間内に走り切ればOK。
チェックポイントを通過しながら、主催者が決めたコースを自分のペースでひたすら走る。
昨年、友人にロードバイクをもらったのをきっかけに、夫は自転車に乗り始めた。
なんでも突き詰める性格の彼、 いつのまにか自転車も、すごい距離を走れるようになっていた。
ブルベでは早朝や夜間も走るし、少々の天候不良でももちろん決行。
イベント当日は、交通事故は無いだろうか、途中で倒れたりしないだろうかと、私も気が気ではなく、家で待っているだけなのにコース表との睨めっこだった。
無事に完走したと連絡があった時は、おめでとう!という気持ちと、ホっとした気持ちとが入り混じり、なんともいえない感情が湧いた。
帰宅した夫には、息子と手作りした表彰状を渡した。
「努力と栄誉をたたえ、表彰いたします!」
昔取った杵柄でうちには賞状用紙が何枚もあるので(文具屋の不良在庫もらったやつ。)、それに手書きした。
息子によるイラストやシールも加わり、賑やかに仕上がった。夫も喜んでくれた。
夫は自転車を始めるちょうど一年前に、交通事故に遭った。
青信号の横断歩道を渡っていたら、車にはねられたのだ。
大事には至らなかったとはいえ、当時、生活は大きく変わった。
リハビリもあるし、眠りも浅いし、夫はとても大変そうだったが、運良く私がパートを休職していたことで少しはサポートすることもできた。
そのときに私は、「仕事するだけが人生じゃない」と初めて心から思った気がする。
こうして600kmを走り抜くほどに回復、いや、事故の前よりパワーアップした夫を見ると、彼は本当によくがんばったし、私も生活を変えて本当に良かったと思う。
ブルべで完走したことには驚いたが、それよりもっと驚いたのは、600kmを走り切った翌朝の夫である。
なんと彼は、いつもと変わらず、
朝の6時に起床してきたのだ。
イベント初日、出走は朝の5時だった。
2日目も朝3時に起きて、夜の8時過ぎまで走り続け、やっと家に帰ったのである。
その次の日って、普通ぐったり寝てるもんじゃないのか!?
彼の、 心身の健康を感じた一件だった。
さてこのブルベには、今年1月に30万円で買った自転車で参加した。
もう充分すぎるほど、
元は取った。
これからも楽しく走り続けてほしい。家族で応援している。
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