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昨年、人生初の千円カットへ行った。
千円カットは、タイムイズマネーを具現化したような散髪屋だった。
カットにかける時間は「一人15分」というのが原則である。
そのうち、客がスタイリストへ希望の髪型を伝えるのに使って良い時間は、切る前のわずか
2分。
千円カットで満足いく髪型に仕上がるかは、「この2分でいかに上手く自分の要望を伝えるか」という、客側の説明力にかかっている。
私の伝える力がものすごく鍛えられた時間だった。
ちなみに、切り終わりのブローも、手ぐしが原則だった。
ちゃんと時間をかけてヘアブラシで乾かして欲しい人は、追加料金がいる。
時は金なりとしか言いようが無い仕組みだ。
そういう話を先日、上の記事に書いた。
途中にふとpickした 「伝え方が9割」という本が急に気になり、図書館で借りてみた。
説教臭い本かと思ってたら全然そんなことはなかった。
著者の佐々木さんはコピーライターとしてすごくすごい方なのに(伝え方)、ステージの上からではなくて、同じ教室の隣の席で話しかけてくれてるような雰囲気の本だった。
本書に、「強いコトバをつくる技術」について書かれたページがある。
読んだ相手にグッと伝わる言葉を作るには、定型・コツがあるらしい。
「超かんたんだけどプロも使っている技術」という説明とともに、具体的な技として挙げられたもののひとつが、「サプライズ法」だ。
読んだら分かるが、この技は本当に超簡単。
技の活用例として挙げられていたのが、
「あ、小林製薬」だった。
「あ、」がなかったら、ただの「小林製薬」。
強いコトバを作るには、
伝えたい言葉の前に、「あ!」みたいな、サプライズ言葉をつけると良いらしい。
それだけで、一番伝えたい小林製薬という社名が、強烈にこちらへ響いてくる。
それがサプライズ法。
JR東海の名コピー、「そうだ 京都、行こう」も同じ技を使っている。
一番伝えたい「京都行こう」の前に、「そうだ」というサプライズ言葉をつけただけ。
それだけで一気に、コトバが強くなる。
![「そうだ 京都、行こう。」の30年 [ ウェッジ ]](https://thumbnail.image.rakuten.co.jp/@0_mall/book/cabinet/2781/9784863102781_1_3.jpg)
頭にちょっと言葉を加えるだけで、全然違う。
って、
なんとも当たり前な話だが。
まさか、とか、実は、とか、ビックリマークとか、そんなの誰でも当たり前に使っている。
この当たり前を無意識に、適当な場面でやっちゃうのが素人。
意識的に、ここぞというところで技として使えるのがプロというわけだ。
あらためて理論に落とし込んだら、どれも当たり前なのに「なるほどねー」と唸ってしまう「伝え方」の話。それがたくさんあっておもしろかった。
が、読後一か月が経った現在、
あ!小林製薬と、そうだ京都行こう、のくだり以外私は、ほかのいろんな技をもう全部忘れてしまっている。
細かい技を忘れてちゃ伝える力も身につかないなと思うが、ハーバード大の有名な研究によると、そもそも、
人が目標を達成しない理由は
その目標自体を忘れるから
なんだって。
なるほど、本を読んだ私に伝える力がつかなかったのは、伝える技の色々を忘れたからじゃない。
「伝える力が身についたらいいなと思った」ことそれ自体を、全部すっかり忘れてたからだったんだ…!
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