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The Sence of Wonder

呼吸器医として、喘息・結核の診療の傍ら、卒煙支援もしています。
二児の母として、妻として、医師として・・・
日常のほんのちょっとした Sense of wonder を発信しています。

2011年 今年は 「国際森林年」(International Year of Forests)です。

女医・ゆきみんと先生の診察室から


現在・未来の世代のため、全ての森林の持続可能な森林経営、保全、
持続可能な開発を強化することについて
あらゆるレベルでの認識を高めるよう努力すべき年として制定。

そして、その森林運営の中に「保健衛生」という分野が
ようやく取り入れられるようになりました。

2011年1月に「国際自然・森林医学会」
INFOM (International Society of Nature and Forest Medicine) が発足。
http://infom.org/

女医・ゆきみんと先生の診察室から


その中心人物は、日本の今井通子先生。
女性初のアルプス三大北壁登攀に成功した登山家の女性医師です。
そして、INFOMをともに支えるのは、 日本医大の李先生が中心となる
日本衛生学会の森林医学研究会。

国際学会と研究会の共通のコンセプトは、
森林浴の効果を科学的に検証し医療などに役立てること。
この分野では日本は世界の一歩先をいっていて、
免疫力の向上、脳波測定・ストレスホルモンの濃度・心拍の変動などを用いた
リラックス効果などの定量化による、科学的なデータが
徐々に蓄積されてきています。

森林セラピーとは、医学的なエビデンス(証拠)に裏付けされた
森林浴効果であり、森林環境を利用して心身の健康維持・増進、疾病の予防を
行うことを目指すもの。つまり、科学的な森林による「癒し」。

実は、昨年、森林セラピーガイドとセラピストの資格を取得しました。
きっかけは、夫がよく読んでいる「山と渓谷」俗にいう、ヤマケイの記事。
昔から、森を歩くのが好きで、自分自身が癒しの効果を実感していたので、
医療に応用するということに興味を覚えたのです。

試験の合格、一泊二日のフィールドとワークの講習を経てめでたく
ガイド・セラピストとして認定されたのですが、
実際には活動できる認定基地は、地元の案内人が中心となっていて、
なかなか実践にいたりません。

そんなとき、またまた夫が週刊新潮の掲示板のコーナーに載っていた
今井通子先生の「探し物」の記事を見つけてきました。
その探し物とは、「森林セラピーの実践に協力してくれる医師」。
これは・・!
思い切って、週刊新潮に連絡を取ってみたところ、
今井先生から直接お返事を頂きました。

先日、事務所にうかがって、初めてお会いして、
2時間ほど、森林セラピーの展望や課題、INFOMなどについて
雑談を交わしました。
話は、女性医師の処遇や、海外の登山医療の現状、原発問題など多岐にわたり、
大変興味深く、時間を忘れてお話に聞き入ってしまいました。

森林セラピーはいまのところ、リラクゼーション効果や免疫機能の改善など
予防医学的な効果を期待するものにとどまっていて、
医療の実践面ではエビデンスに基づく慎重な対応を図ることが課されています。

将来は医療分野の各種療法を担えるようにしたい
という思いに、私も共感するところが多々ありました。

今井先生は、
「一例報告の積み重ねが大事だと思ってるの」とおっしゃられていました。

エンドユーザーとして、有病者として、「一病息災」の方々
(たとえば、がんや胃切除後や慢性疾患の患者など)を対象にした
医師同伴の森林セラピーツアーを行い、
ストレス軽減と免疫機能回復に役立てたい。

まずは、そのための、森林セラピー医の養成に取り掛かっていて、
私も関わらせていただけることになりました。

もし、森林の科学的な「癒し」
に興味があるドクターがいらっしゃいましたら、
ぜひ、一緒に参加されませんか?

これは、今井先生のご自宅で採れたというポンカン。

女医・ゆきみんと先生の診察室から

「ちょうど地震の直前に収穫して、大事に食べてるの」

帰りがけに、お土産にいただきました


長女は6ヶ月から保育園に通い、
彼女の人生の大半は保育園で過ごしました。
その登園も、明日で、終わり。

今年は地震の影響でイベントの中止が相次ぎ、
通常3月31日には移行式といって、
進級される子供たちの新しい担任と転勤・退職される先生の挨拶があり、
保護者も参加して、お別れムード満載なのですが、
今年はその会も開催が見合わされ、
なんだかちょっと尻切れトンボのような最後で、
5年半の登園生活も終わろうとしています。

恩返しのつもりで引き受けた
長女の保育園の父母会の会長職でした。
そして、来年は次女の保育園で会長をすることに・・。
それが思いのほか大変で、珍しく夫からの苦情が出るほど。

いろいろな交渉ごとがあって、
勉強させられたこの数ヶ月でしたが、
ともに乗り越えた仲間とは大きな絆ができて
感謝しています。

今年の3月は本当にいろんなことがあったなあ。
人生振り返って思い出しても、
忘れられないようなことばかり。

そして、長女は、あさって、育成室(学童保育)にデビューです!

仕事の方は、長年ラブコールを送っていた結核のお仕事に
ようやく日の目が当たってきて、
来年度、某区の感染症審査協議会のメンバーとして
I所長とともに参加させてもらえることに。
うれしいような、長かったような。ちょっと複雑。

しかし、外国人はみんな国外退去していますね。
アジア系が多い、私の結核専門外来、
今週は驚くほどヒマでした!!。

先日共著で載った専門雑誌。

女医・ゆきみんと先生の診察室から

これで二本。
呼吸器専門医、うけるべきか、悩みます・・。
今朝から、長女(5歳)と夫が、二人旅に行っています。

3歳のころから、
「小学校に入る前に、記念にパパと二人で旅行をしたら?」 と
提案していましたが、はれて
実現。

行き先は・・・三重。  なぜ、三重?

きっかけは、娘のお気に入りの一冊の絵本。
「ふたりはいつもともだち」


女医・ゆきみんと先生の診察室から

鳥羽水族館で飼育されているジュゴンのセレナと、
仲良しのアオウミガメ、カメキチくんのお話。実話です。

「父と娘の二人旅」の行き先を考えているときに
その「ふたり」に会いにいく、というアイデアが出され、採用。
(そのほかに、青森新幹線に乗るというアイデアもあった 笑)

一月
早々に「三重訪問」の日程を決めて、
家族みんなで、旅の期待を楽しく話していました。

その矢先、とてもショックな出来事が・・・!。
鳥羽水族館で31年間飼育され、世界飼育最長記録を持つ
ジュゴンのジュンイチくん(推定33歳)が、
つい先日、2月10日に、亡くなってしまったのです・・・。

「ふたりはいつもともだち」の巻末には、
実話のエピソードを紹介する解説が二ページにわたってあり、
そこにはジュンイチくんも登場します。
セレナはジュンイチくんのお嫁さん候補で
世界初の水族館でのジュゴンの赤ちゃん誕生が期待されていました。

私も、夫も、もちろん、長女も、突然のことで、ショック・・。
あと、二週間ちょっと生きててくれたら、会えたのに。
たぶん、この関東あたりでこんなにジュンイチくんの死に
衝撃を受けているのは、うちの家族ぐらいだったかもしれません。

水族館の最新ニュースの訃報の報告をよむと、
ジュンイチくんへの愛情と死の悲しみが伝わってきます。
http://www.aquarium.co.jp/news/2011/jyunnitihuhou.html

ジュゴンは絶滅危惧種で、寿命は人間と同じぐらいといわれていますが、
神経質で人工飼育は大変難しいそうです。
じゅんいちくんが亡くなった現在、
世界の4か所の施設で、たった5頭だけが飼育されています

その1頭が、鳥羽水族館にいる「セレナ」です。

今日はお伊勢参りをして、伊勢うどんを食べ、
松坂に泊まり、 松坂牛を堪能したという、
我が家のふたり。
(いいな~)

明日は朝一番で鳥羽水族館に向かう予定。
セレナとカメキチくんの「ふたり」に会った後、
2月28日まで設置されているじゅんいちくんの献花台に
お供えをするそうです。

いつか、家族で、世界のほかの場所にいるジュゴンたちにも
会いにいってみたいな・・・。


女医・ゆきみんと先生の診察室から

写真は、鳥羽水族館のHPから。 右がジュンイチ、左がセレナ。