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The Sence of Wonder

呼吸器医として、喘息・結核の診療の傍ら、卒煙支援もしています。
二児の母として、妻として、医師として・・・
日常のほんのちょっとした Sense of wonder を発信しています。

昨年森林セラピーのセラピスト・ガイドの

資格を取得したものの、活動基地として

登録した奥多摩は、地元の方がすでに活躍中で、

とくに具体的な活動をしないまま、

数ヶ月がすぎていき・・。

 

そんななか、今年になり、新たな展開。

 

1.森林セラピーの理事長を務める今井通子先生が

雑誌に掲載した「森林セラピーに関心のある医師募集」

という記事をきっかけにじきじきにお会いして

お話しすることとなり、その席で、

「森林セラピー専門医」構想をお聞きしました。

 

2.北海道、私の地元で今年度、津別町のロードが

基地として認定。ご縁があって、基地の基盤となる

ホテルの支配人さんと交流を深めました。

 とても魅力的で、夢のある支配人さんで、

 家族ともども、すでに旧知の友人のような気分です。


女医・ゆきみんと先生の診察室から

 
6月にグランドオープンした津別町のセラピーロードの可憐な花 「クリンソウ」

 

3.「森林セラピー専門医 学術講習会・視察研修会」を受講。

 はれて、「森林セラピー専門医」に認定されました。

 INFOM主催。たぶん、日本でまだ20人ぐらい?

 http://infom.org/index.html

 

4.今年10月には、ロード主催のイベント

 「医師とあるく森林セラピーロード」をサポートします。

 

じゃあ、いったい「森林セラピー」って?ってことですが。

 

数ある民間療法の中でも、科学的に検証がされているものと、

あいまいなものがあります。

 

「科学的なデータ」が決して全てではないけれど、

体によいかもしれないな、ということが、

データとして裏付けられることで

医療としても安心して応用できるという

側面はあると思います。

 

学術講習会では、この部分の最新知見をあらためて確認。

 

「快適性・感性を科学的な指標を用いて評価する」

という観点で、森林セラピーロードでのリラックス効果を、

唾液中コルチゾール、アミラーゼ、心拍揺らぎによる

自律神経活動、脳の前頭前野活動の計測などで測定し、

対象コントールをおいた実験で、全国で実証している。

 

また、免疫賦活作用として、森林浴によって、

NK活性とNk細胞数が増加し、ストレスホルモンが減少、

アンチエイジングに作用する抗酸化物質が増加することを

やはり、対象コントールをおいて証明している。

 

フィトンチッド(主成分のひとつはαピネン)は、

それ自体NK細胞を活性化することも、

細胞培養のレベルから証明されていて、

へエーと言う感じ。

 

日本、ドイツをはじめ、

森林浴を活用してきた国は多いけれど、

科学的な裏づけはまだまだこれからで、日本がリード。

 

先進的な分野として、

American Scientist にも紹介されたばかりです。

http://www.fo-society.jp/blog/#2433

 

フィールドワークで歩いた長野県上松町の

赤沢自然休養林の森では

「森林セラピードック 森のお医者さん健康相談」

が行われていて、医師とセラピーガイドが協力して、

散策ロードなどのアドバイスをして森林セラピーを

「処方」するという独自の取り組みがなされていました。


女医・ゆきみんと先生の診察室から

森林セラピーの医療への応用~個人的な期待もこめて・・

 

1)予防医学的・企業側への働きかけ:

産業医などを通じて、

 未病ではあるが脳血管障害のリスクが高い群や

 メンタルヘルスで不安を感じやすい群などを、

 積極的にセラピー参加につなげて、

長期的な効果を実証していく。

2)治療的・病院側への働きかけ:

 癌を克服した有病者や慢性疾患

(膠原病やアレルギー疾患など)の

 患者が免疫機能を高める目的での参加につなげる。

 産科領域:妊婦・産後のリラクゼーション、

 精神科領域:行動療法の一環、

 

などなど、期待は膨らみます。

 

名ばかり専門医にならないように、

継続的に活動していきたいですね・・。

 

森林浴が子どもの心のケアに効果があるとの

論文もあり、この秋には、震災被害にあった

子どもたちを招待して行う、

親子森林セラピーツアーも企画されているとか。

 

将来は、ドイツのように長期滞在型の森林セラピーに

医療保険が適応されるようになってほしいなあ・・・

 

いずれは北海道で「森のお医者さん」してたいなあ・・・

 

などと夢見ている、

なりたてほやほやの 森林セラピー専門医 なのでした。

長女からの手紙には
「ままへ、ははのひ おめでとう」
と書かれていました。

女医・ゆきみんと先生の診察室から


母の日、ありがとう

が普通かもしれないけれど、

母の日、おめでとう

といわれて、

しみじみ、
母になって家族からもらったたくさんの幸せを思い、
おめでとう、と言う言葉が
ぴったりと言う気がしました。

ガレージセールのフリーマーケットで
500円のお小遣いから
私のために
200円もするプレゼントを選んで
買ってくれたんですね。
どうもありがとう。

母の宝物です。

 

『こころ』   金子みすゞ



おかあさまは
おとなで大きいけれど、
おかあさまの
おこころはちいさい。

だって、おかあさまはいいました、
ちいさい私でいっぱいだって。

わたしは子どもで
ちいさいけれど、
ちいさいわたしの
こころは大きい。

だって、大きいおかあさまで、
まだいっぱいにならないで、
いろんなことをおもうから。

 

 

暖かい日差しが降り注ぎ、満開の桜のもと、
4月6日に、長女の小学校の入学式がありました。

女医・ゆきみんと先生の診察室から

前日の4月5日は二十四節気の「清明」。
全てがすがすがしく、清らかで明るく美しい季節。
親子ともども、新しい気持ちでのスタートです。

式の前に、子供たちだけは先に教室へいき、
担任の先生から、お話を聞いていました。

式が終わって、保護者も教室へ向かうと、
黒板には 「にゅうがく おめでとう」 という大きな文字とともに
小さなピンク色の紙が貼ってありました。
たてに二つ折りになっていて、ひらくとハートの形で
中の文字が現れるようになっています。

書かれていた言葉は 「こころのまど」。

式が終わって帰宅後、娘が話をしてくれました。

 小学校では3つの大事なものを使うの。
 それは、目と、耳と、頭。
 目でみて、耳で聞いて、頭で考える。
 でも、一番大事なのは、
 「こころのまど」をあけてくることなんだって。

 学校に来るときには、心の窓は閉めずに、
 いつも開けてきましょうねって

 先生が言ってたよ。

子供たちには抽象的でちょっと難しかったかもしれないけれど、
なんとなく心に響いたみたい。いいお話を聞いたんだなあ・・・。

私の「こころのまど」は開いているかしら・・と振り返り。

式が行われた体育館は、外のぽかぽか陽気が嘘のように
足元からしんと冷え、式が終わるころには体がカチカチに。
これ以上の寒さで被災地で暮らす人々の辛さを、
改めておもいました。

一人でも多くのみなさまの「心の窓」が開かれて
暖かな日差しが降りそぞく日が、きますように。