ずっと楽しみにしていて、
やっと観ることができた
映画をご紹介します。
映画「ら・かんぱねら」
この映画の存在を知ったのは
まきばさんのブログです。
まきばさんの
言葉のひとつひとつに、
胸がじんわり熱くなるような
感動が伝わってきました。
「私も、観たい!」
と、直感で思ったのですが…
そのとき、すでに
映画館での上映期間は
終わっていたのです。
調べていると、
地元にある小さな映画館で
一般の映画館より遅れて
上映されることが判明。
今日が、上映初日です。
いの一番で足を運びました。
<あらすじ>
佐賀県の有明海で
海苔漁師として働く
徳田時生(52)。
繁忙期を終え、
パチンコに明け暮れる
日々を送っていた。
ある日、テレビから流れてきた
フジコヘミングのピアノ演奏
「ラ・カンパネラ」を聴いて
感動で身を震わせます。
そして、決意する。
「オイもこの曲を弾いてみたか!」
音楽とは無縁の生活で
楽譜も読めない時生。
ぜったいに無理だと、
妻や息子から
猛反対されます。
しかし、時生は
周囲の反対を押し切り
猛練習を重ねる。
海苔漁師のかたわら、
独学でピアノに立ち向かう日々。
海の男が、無謀だと思われた
夢とロマンを追い求める。
実話を基にした映画です。
俳優の伊原剛志さん演じる
無骨な海の男、時生。
南果歩さん演じる、妻の奈々子、
緒方敦さん演じる、息子の翔太、
大空真弓さん演じる、見知らぬ女性の石田秋子…
時生を取り巻く
「家族の愛」
「人とのつながり」が
素晴らしいと思いました。
いちばん驚いたのは、
海苔漁師の仕事の
「過酷さ」です。
自然と共存しながら
漁師さんたちが
どれだけ大変な思いをして
商品になっていくのか。
それはもう、
命がけだと思いました。
普段、何気なく食べていた
海苔への認識が、
映画のおかげで
ガラッと変わった。
これからは、1枚1枚、
漁師さんに感謝しながら
大切に味わいたいと思います。
時生が、妻の奈々子へ
ピアノ演奏をする
ラストのシーン。
ピアノの前に立つ
時生の「正装」は、
海苔漁師の作業着でした。
防水性のつなぎのようなものに
長袖のポロシャツです。
私は、このシーンで
涙がじわーっとあふれました。
不器用でまっすぐな「海の男」、
時生のすべてが
この「正装」にあらわれている
と感じたからです。
私は、ピアノについては
まったくの素人です。
そんな私でも
「ラ・カンパネラ」が
とてつもなく
むずかしい曲だというのは、
ひしひしと感じました。
時生が奏でるピアノの音色は、
心がじんじんと
揺さぶられるようで、
深く胸に残っています。
ずっと聴いていたいと
思いました。
そして、もうひとつ
感動したことがあります。
映画のエンドロールに
「佐賀県民の皆様」という
キャスト名が
流れてきたのです。
映画の舞台が
佐賀県の有明海なのは
知っていましたが、
キャスト名に「県民の皆様」
…なんて粋なことを!
この映画は、
地元の人たちに支えられて
つくられたのですね。
人は、何歳からでも
夢を追える。
シンプルだけど
力強いメッセージが届く
映画でした。
あたたかい余韻が
まだ、心に残っています。