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先日、横浜の花火大会で起きた火災事故。残念なニュースを目にしたわたしは、学生時代の大先輩が以前話していたのを思い出していた。

「花火師は花火を打ち上げる時、空を見てないんだ」

 

時はバブルの頃、新入生として出会った先輩。既にOBだった彼は合宿に欠かさず訪れ、余興の花火に心血とカネを注いだ。

後輩の度肝を抜いたロケット花火の大量発射は、やがて打ち上げ花火の連射が夜空を彩るに至った。

 

道楽が高じて「煙火打揚従事者手帳」まで手に入れた先輩は、もはや花火師だった。皆が夢中で空を見上げるなか、彼は轟音を放つ地面の筒に、ひたすら目を凝らしていた。

 

火薬を扱う以上、花火の打ち上げは常に危険と隣り合わせで。

漆黒の空に浮かぶ煌めきは、儚くて美しい。その下には、無事故を願い真剣にそれと向き合う花火師がいるんだ。


今回の事故だって、きっと当事者の方々も同じ思いだったはず。だから残念なんだ…。

 

 

 

ユッコこと岡田有希子さんの遺稿集「愛をください」で、彼女は「花火」の連想に〝なつかしい〟と答えています。幼い頃の夏休みの記憶が浮かんだのでしょうか。

 

「煙火打揚従事者手帳」は「煙火消費保安手帳」に改称され、いまでは花火業者に就職しないと取得できなくなったようです。

photo by yukikostarlight