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真夏の日曜日、初めて来た高崎で満腹になったわたし。
帰りの電車まであと二時間ほどある。ちょっと街を歩いてみようか、猛烈に暑いけど。
日曜の正午なのに、駅から数分のアーケード街に人影はほとんどない。
人が集っていたのは、かき氷を削る音も賑やかな氷屋の前。たくさんの若者がたむろしているホテルの入り口には、「日本語能力試験会場」の看板が見える。
そういえば、この炎天下で行き交う人の多くは異国からの人だ。
知らない街に来て、居酒屋以外で行きたいのは古本屋。
ユッコこと岡田有希子さんの写真やインタビューが載った、当時の雑誌がわたしを待っていれば嬉しい。
Google Mapに導かれ、駅から10分弱の場所に向かう。
店頭の張り紙によると、新規の買い取りはしていないようだ。
かつての自動ドアを手で開け、積み上がった古本に埋もれそうな高齢店主の視線を感じつつ、本棚の迷宮へと進む。
たまたま手にした一冊「日本縦断アイヌ語地名散歩」によると、〝気仙沼大島にある海水浴場・小田の浜という名前はアイヌ語の「オタ(砂浜)」に由来する〟そうで。へえー。
鉛筆書きの値段に怯んで、買わずに出ちゃったのをちょっと後悔…古書との遭遇は一期一会だ。
次にGoogle Mapが示した店は、さっき通ったアーケードの中にあった。店先には「本日発売」の文字が…ここは古本屋じゃなくて、古びた本屋じゃん!とスマホにツッコむ。
書籍や文具が並ぶ広い店内には誰もおらず、店主の「いらっしゃい」の声が寂しげだ。〝本のデパート〟をうたう大きな店には、二階の売り場もある。けれど階段の先は真っ暗で、いまは残念ながら閉鎖しているようだ。
店先に置かれた白い自販機には、大きく「昆虫食」とある。なんで?と思うけど、タンパク質を摂るのに家畜を育てるより環境負荷が少ないらしい。
ジャイアントコオロギ800円、サソリ1800円、タランチュラ2280円…100円玉では買えない世界を試す勇気は、わたしにはまだなかった。
高崎電気館という古い映画館では、ご当地映画「ここに泉あり」の無料上映会を定期的に行っているそうです。涼しくなったら、またこの街を訪れようと思います。
photo by yukikostarlight