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ツレさんのたっての希望で、昨年12月29日から3日間の休暇を宮城・気仙沼で過ごしたわたしと家族。

 

30日は気仙沼大島の東岸、田中浜で日の出を待った。日頃の行いが良かったからか?晴れた冬の朝に、気温と海水温の差が大きいと海面に現れる薄い霧「気嵐(けあらし)」を、実際に見ることができた。

 

三陸沿岸各地では、今後の津波被害から住民を守るため防潮堤の建設が進んだ。ここ田中浜にも、高さ12メートルに及ぶコンクリートの壁をつくる計画があったようだ。

紆余曲折の末、防潮堤に代わって防災林を造成することで、美しい砂浜を残すことができたという。

 

地元在住の写真愛好家の方々は、この時期ほぼ毎朝、浜辺の夜明けを撮りに来ているらしい。きょうみたいな水平線を覆う土手雲が出なければ、朝陽で金色に輝く気嵐がこの上なく美しいのに。そう残念がっていた。

彼らがなぜ、この場所に通っているのかがよく解った。

 

photo by yukikostarlight

 

田中浜を後にして、平成最後の年の4月7日に開通した気仙沼大島大橋を渡り内湾へ向かう。

美しい円弧を描く白いアーチ橋は、震災で島が孤立してしまった教訓から建設された〝命の道〟なのだという。

 

バスを降りて港町を歩く。

ふと空を見上げれば、青い空に白い雲の帯がすーっと伸びている。

思わず目で追うと、帯はアーチ状にずっと連なっていて、まるで巨大な虹のようだ。

虹?…ひょってして雲が虹のように彩られているのは、見た人に幸運が訪れるといわれる「彩雲」という現象では?

 

photo by yukikostarlight

 

ツレさんが興奮して言う。

「よく見つけたねえ!何度か見たことあるけど、みんなほかの人に見つけてもらったんだよなあ。なんか悔しい!」

 

大したことじゃない。ボーッと間抜け面して、空を見てただけだよ。

ユッコこと岡田有希子さんはいま、空の上でプライベートタイムを楽しんでいるのかしら。

白い雲のキャンバスに色をほどこして、安らぎを覚えるのならいいけれど…なんて考えながら。

 

彩雲を見つけられるのは、上を向いて歩いている証拠。前向きに生きていれば良いこともきっとある…と、どこかで聞いたことがある。幸運とは、心が自ら生み出すものかもしれない。

 

でも空を眺める人の顔って、どうして間抜けにみえるのだろう。彩雲を見上げるツレさんを横目に、わたしは思った。

 

 

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1月2日夕刻に、羽田空港で日航機と海保機の衝突炎上事故が発生しました。乗客の方々に心からお見舞い申し上げます。そして被災地への途上で職に殉じた方たちの、ご冥福を心からお祈り申し上げます。