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小泉今日子さんが先日、音楽賞の授賞式にプレゼンターとして登場し、こんなスピーチをしました。
〝昔々、仕事が忙しくて心が折れそうになった時、自分の職業、アイドルという言葉を辞書で調べたことがあります。「偶像」と書いてありました〟
〝アイドルというのはその存在、その輝きこそがジャンルなんだと、その時妙に納得した思い出があります〟
トップアイドルだった小泉さんは、高校を中退してから勉強が好きになり、辞書で知らない言葉を片っ端から調べてノートに書き写したそうです。これはその頃のエピソードなのでしょう。
かつて小泉さんは、当時のアイドルについて「彼女はどうだったんだろう?」と題したエッセイに書いていました。
〝あの頃の私たちはいつも疲れていた。仕事はめまぐるしく忙しいし、大人の世界の中でどうしたらいいのかわからなくて怖いことだらけで気持ちはいつも張り詰めていたし、とにかく寝不足でいつも眠くてダルかった〟
〝高校の制服で楽屋に現れる彼女も、青白い顔をして「おはようございます」と、小さな声で言った後はひと言もしゃべらず、分厚い眼鏡をはずして鏡に向かい、静かにお化粧を始める〟
この〝彼女〟は小泉さんの2年後輩だった、ユッコこと岡田有希子さん。映像や写真の中のユッコさんは、デビューして2年の間にメイクが濃くなり、初々しい少女の顔は急激に大人の女性に変わっていきました。
ユッコさんはメイクについて、実年齢よりずっと幼く見られるのがイヤで「わざとお化粧濃くしたりしてた」と語っていました。
だけどもしかしたら、それは寝不足の青白い顔を隠すためだったのかもしれません。
美を表現したくてアイドルになった彼女は、ファンデーションを塗りながら何を思ったのでしょう。
あの頃、アイドルたちは人々の心を輝かせる一方で、いつも寝不足と戦っていて。
高校を中退したことで睡眠時間を確保できたという、キョンキョンこと小泉今日子さんはエッセイの中で何度も問いかけていました。〝彼女はどうだったんだろう?〟
text by yukikostarlight