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週末、ツレさんと東北の港町に行ってきた。
前日の仕事が深夜に及んだけど、出発の朝は旅の高揚感のせいかアラームより早く目覚めた。しっかり者のツレさんが家にスマホを忘れ、慌てて引き返すうっかり者になったのも、旅の高揚感のせいだろう。
苦労して取った新幹線の席に辿り着き、数日ご無沙汰の缶ビールを乾いた喉に流し込む。ツーリングでは味わえない、旅のはじまりの一杯。旅先での昔の失敗話で笑いあうのも、旅の高揚感のせいなのか。
すこし眠った後、乗り継いだ2両編成のディーゼルカーは、震災後に線路の終端になった駅へと向かった。
昼は牡蠣生産者が営む食堂で、海を見ながら頬張った熱々のカキフライ。夜は地元の常連客や観光客で賑わう居酒屋で、美味さに仰け反った〝もうかの星(サメの心臓)〟の刺身。
この地で生きる人たちが食べさせてくれるご馳走を前に、旅の高揚感は最高潮だ。水鳥記、蒼天伝、美禄…港町の地酒はどれも美味い。鍋の湯気の向こうに、ツレさんの笑顔が見えた。
軽く残る酔いとともに迎える、旅先の朝は眩しい。名残惜しい街を歩き、海を見ながら潮味ラーメンを食べれば、もう帰らないといけない時間だ。
駅の売店でお茶を買った時、カウンターの横にお線香が置いてあるのに気付く。いまは春のお彼岸…この地で眠る人たちに会いに来る人を、線路の終端になった駅が迎えていた。
ユッコこと岡田有希子さんが〝旅の高揚感〟を感じたとすれば、それは幼い頃から憧れていたスイスを訪れた時でしょうか。帰国時の名残惜しさもひとしおだったでしょうね。
photo by yukikostarlight