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12月28日未明。尻に火がついたわたしは眠い目をこすり、ひたすら年賀状の宛名を書く。
この秋、郵便料金は30年ぶりという大幅な値上げになった。
一年に一度のやりとりで何十年も繋がってきた縁も、これで切れてしまう人が多いだろう。
卒業して三十余年、毎年返事をくださった学生時代の恩師から今年の年賀状はなかった。御歳を思えば、寂しいけど察しないといけない。
今回は宛名印刷を止めて、百人近い住所と名前をすべて手書きにした。絶対に書き損じないよう慎重に、丁寧に。
そして葉書をめくり、一人ひとりに近況やメッセージを記していく。もしかしたら、この人に伝える最後の言葉になるかもしれない。そう思うとつい長考してしまう、時間は待ってくれないのに。
それから一枚一枚に切手を貼る。切り分けて、裏の糊を湿らせて…これが思いのほか面倒で。そうだ、切手の下に赤字で〝年賀〟と書かなくちゃ。
すべてを終えて、2時間ほど横になったあと。年賀状の束を夜明けのポストに投げ込んで、小さな達成感を得る。
そのまま早朝勤務に入ったわたしは、職場でただひたすら眠気とたたかうのだった。
ユッコこと岡田有希子さんの、一学期だけだった名古屋での高校生活。
ある朝、ひどく眠そうな彼女を心配した同級生にこう言ったそうです。
「芸能界じゃ夜まともに眠れないらしいから、ゆうべ寝ない練習してみたの」
…夜は眠らないとダメ、絶対！
photo by yukikostarlight