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初めての北陸・金沢、二回目の夜。
前夜は久々に揃った古い仲間と鮨屋で、たくさん笑った。
生中三杯に純米酒五合…普段の一週間分は飲んだけど、翌朝の二日酔いが驚くほど軽くて嬉しい。
新幹線で帰る皆と別れ、金沢の街をたっぷり巡り歩いたあと。
帰路は9時間半の夜行バス、そして朝から仕事…明日の地獄と引き換えの、今日の天国。
今夜は郷土料理「じぶ煮(治部煮)」を食べさせてくれる居酒屋に、ひとりゆくのだ。
じぶ煮は高額なコース料理でしか、お目にかかれないことが多いようだ。でもその店では単品で出してもらえる。ありがたい。
念のため出発前に、某グルメサイトから一名様ご予約済みだ。
予約した時間よりちょっと早く到着。店に入るなり「ご予約の方ですか?」。
来店客は予約が前提らしい、さすが人気店。「6時半に予約したわたしですが」感心しつつ名乗るとこう言われた。
「わたしさんのご予約は本日承っていないのですが」
そのときわたしの顔はきっと、真っ青だったに違いない。
慌てて予約確認のメールを探す、こういう時に限って出てこない。
やっとの思いで店員にそれを見せると笑顔でひとこと、「ああ、隣のお店ですね」。
まだ一滴も飲んでいないのに、真っ赤になったわたしは。
こうして「居酒屋割烹 源左ェ門 片町店」の暖簾をくぐったのだった。
この店名は能の演目「鉢木」に登場する、鎌倉時代の武士の名に由来するという。店主はなんと、その末裔にあたるのだとか。
生ビールで喉を潤し、おすすめの岩牡蠣を。
…舌に踊る、多幸感の渦。
北陸珍味三種。ふぐの卵巣、ごりの佃煮、いか黒作り。
この味わい、思い切り日本酒が呑みたくなる。
地酒三種飲み比べが愉しい…菊のしずく、獅子の里、加賀鳶。
和らぎ水、女将の笑顔と心遣いが嬉しい。
そして能登の復興を心から願って、竹葉 純米。
最後の一杯だそうで一合に満たず、お値引きしますとのこと。
金沢おでん、梅貝を殻から慎重に取り出して…旨い。これは堪らんのう…
そして鴨のじぶ煮。じぶんにご褒美、こりゃいいカモ。ナンチャッテ…
かに雑炊。アイスクリームの醤油がけ。
嗚呼、今宵の天国もここまでか…。
知らない街でひとり酒。美味しい、愉しい夜。
されどわたしは寂しがりなのだと、思い知った夜。
また来たいと思った、こんどはツレさんと一緒に。
のどぐろの塩焼きは、そのときの楽しみに取っておこう。
ユッコこと岡田有希子さんがもしずっと生きていたら。
ひょっとしてたぶんきっと絶対、お酒が飲めるひとだったはず。なんてったって、サトウさんですもんね…(←違います)
アイスクリームの醤油がけだって、お気に入りと思うのです。
photo by yukikostarlight