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テレビドラマ「不適切にもほどがある!」を観た。
主人公は昭和61年を生きる、阿部サダヲさん演じる体育教師・小川市郎。たまたま乗ったバスがなぜか、令和6年にタイムワープしてしまい…当時と現在のギャップを、とことん感じさせる筋書きだ。
いまから38年前の昭和61年は、ユッコこと岡田有希子さんが空の下からいなくなった年。
観ていてつくづく思ったのは、ユッコさんがいた時代が本当に遥か遠くなってしまったこと。
平成生まれ世代には、ドラマに描かれた昭和61年はファンタジーの世界、らしい。
昭和61年4月4日に出版された、「ヴィーナス誕生」。
最後となったアルバムレコーディングでのユッコさんの多忙ぶりを、このように描写している。
分刻み、なんて言葉にするとカッコいいけど、まさに時計の針で身を刻まれていく毎日。
一日24時間ーー1440分。
1440等分された君は、まるでジグソー・パズルみたいだ。
当時のスタジオにありがちだったこんな情景も、いまとなってはNO GOODなんだろう。
コントロール・ルームの灰皿も、君を待ちわびるもどかしさと煙草の吸殻でいっぱいなんだ。
ドラマはコンプライアンスに厳しい現在に、一石を投じている。
でも18歳のユッコさんが、もし令和の時代にいたのなら。
彼女はもっと、生きることができたかもしれないんじゃないか。
「岡田有希子」の道を、歩むことを止めたとしても。
遥かなる昭和61年。
そこに取り残されてしまったままの、ユッコさんを思う。
18歳だった彼女の、可憐なうたごえとともに。
ちいさな活字で組まれた「1440」の数字。
どうにも窮屈で、哀しく感じるのです…。
photo by yukikostarlight