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はじめて歩いた通りで見かけた、古めかしい「電話売買」の看板。

イマドキの携帯ショップとは明らかに違う雰囲気…ここはイマドキの若者は多分知らない、固定電話の「電話加入権」を売買するお店。

 

かつて電話加入権は、ゴルフ会員権のような資産として扱われていました。三十年ほど前、わたしのサラリーマン人生の振り出しは経理。貸借対照表に、固定資産としてかなりの金額の電話加入権が計上されていたのを覚えています。


でも時代が変わり、固定電話の需要は激減。むかしは電話を引くのに1回線7万円以上も出して加入権を買う必要がありましたが、その後大幅に安くなったらしい。

ということは、もはや帳簿上の価値とかけ離れているはずですが。

ググってみたら電話加入権は減価償却ができず、解約しないと貸借対照表から外せないのだとか。


この昭和の遺物といえる電話加入権。NTTが買い取ってくれるわけでもなく、いまやほぼ無価値と考えられます。でも、いまなお売買できる市場があるらしい?…世の中、わからないことばかりです。

 

わたしが親元を離れて、東京で一人暮らしを始めた昭和の終わり頃。貧乏学生ゆえ部屋に電話を引けず、隣室の先輩のユピテル製電話を借りていました。

「呼び出し電話」は取り次いでくれる先輩に申し訳なくて、早く自分の電話が欲しかった。電話加入権のために、せっせとバイトに励んだものです。

 

ユッコこと岡田有希子さんは、芸能活動のために上京してから高校卒業までの2年半、事務所の社長宅に下宿していました。

電話は一家に一台の昭和時代、いつでも気軽に電話できる環境ではなかったでしょう。深夜に仕事から帰って、ふと誰かの声が聞きたい寂しさに襲われても。

 

♪真夜中のテレフォンも 許してくれない
いつになったら 自由に会えるのかナ…

 

ユッコさんが社長宅を出て一人暮らしを始めたのは、あの日のわずか4日前のこと。

Dreaming Girlが自由を得て、真夜中に自分の電話でお喋りしたのは数えるほどだったことでしょう。

 

ユッコさんは令和のいま、猫も杓子も手にしているかまぼこ板になにを思うのかナ…。

 

 

photo by yukikostarlight