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〝♪退屈ですね お嬢さん〜〟
太い眉毛に大きな瞳。小学2年の同級生シンイチくんの凛々しい顔と重なるように思い出したのは、その頃流行った郷ひろみさんの歌。
歌い出しのフレーズと軽快なメロディーが印象深くて、ずっとコミカルな曲に思っていましたが…。
いま調べたら、それは1976年11月リリースの「寒い夜明け」。寂しい別れを描いた歌詞は、幼いわたしには解らなかったのでした。
退屈ですね お嬢さん
なんて悪い冗談
あなたは顔を伏せたまま 歩きます
冷たい指を気にしすぎ
にぎりしめて いますね
一人で脅える 幼い心が 好きさ
作詞は、なんと漫画家の楳図かずお先生。「まことちゃん」の週刊連載が始まったこの年、超多忙のなか作詞家としても活動されていたとは、知りませんでした。
ビーズの赤い指輪が千切れ 飛び散り
あなたは悲しくて
つなげられなくて……
もう あの日には戻れない
寒い夜明けなのです
あなたとはなれて行きます
ここから
そして今日が始まる
空の上にいるユッコこと、岡田有希子さん。
この歌が流れていた頃、あなたは名古屋市立高蔵小学校の3年生でしたね。
小学生時代は合唱部の一員として地元のテレビに映ったり、通っていた絵画教室で絵描きの道を勧められたりしたそうですね。
大きくなったら漫画家になりたい、歌手になりたい…そんな将来を夢みていたあなた。
朝までぐっすり眠って、きっと寒い夜明けなんて知らない毎日だったのでしょうね。
それから、わずか10年足らずで。
あなたは見事に夢を叶えて、なのに夢に疲れて天まで駆け昇っていってしまった。
楳図先生は今年87歳。郷ひろみさん、68歳。いまなお描いて、歌い踊って、輝きを放ち続けるお二人。
56歳のあなたも、きっと素敵なひとだったでしょうね。お会いできないのが、ただ寂しいです。
ずっと18歳、お嬢さんのままのあなた。空の上は、そろそろ退屈なんじゃないですか?
わたしは最近なかなか朝起きれなくて、寒い夜明けを知りません。
photo by yukikostarlight