8月に入ると八ヶ岳と言えども夏は本番。

30℃を超える日も少なくはなくて、高原特有の日差しが強く日向での庭仕事はさすがにキツイです。

それでも夜になると涼しくなり今のところ熱帯夜になることは無いので、植物達も人間も元気でいられます。

暖地の夏は、年々厳しくなるばかりですよね。

十数年前この標高に土地を決めたのは、その先の気候変動を見越してのことだったんですけど、まさかこんなに急激に温暖化が進むとは思ってはいませんでした。



【フロックス ダビッド】
うちの庭の夏の主役は、何と言ってもフロックス パニキュラータです。


フロックスってどうしてもうどん粉病が出やすいので敬遠してるっていう方もあるかと思いますが、品種を選べば大丈夫で、このダビッドもうどん粉病が出にくいもののひとつです。


春先に芽先を鹿に齧られることがありますが、どっちみち背丈を調整するために初夏に軽くカットバックするので、多少齧られたところで全く問題がありません。


【フロックス ピンクアイス】

こちらの品種もうどん粉に強く、うちのフロックスの中では一番早く満開になります。


このフロックスも、初夏に軽くカットバックして、高さを調整しています。

カットバックすることで開花時に株が花の重さで倒れることが無くなりますし、芽が増えるので花数も増します。


花がらを摘んでおくと、下の節から再び花芽が上がって2番花も楽しめます。

2番花のシードヘッドを残しておけば、ウインターガーデンのあしらいになります。

それどころか、こぼれ種で庭中にどんどんフロックスが広がりますが、侵略的にという程ではありません。



【ヤマユリ】

ヤマユリは、夏の高原の代表的な花なんですけど、困ったことに獣達の大好物なんですよね。


うちのヤマユリも、庭のあちこちに立派な球根を何球も植えたんですが、生き残ったのはこの場所だけでした。


鹿に齧られないようにガッチリラウンドトレリスで常に囲ってあります。

ユリ科のものとバラ科のものは、獣の食害に合うこと覚悟で物理的な対策をして植えないと難しいのが現状です。



【メハジキ】

萌木の村のあちこちに植えてあるメハジキ。とてもユニークな形の背が高くなる野草です。


花が咲くのは夏ですが、この野草が一番面白い形になるのは晩秋なんですよね。

何と言ってもシードヘッドが絶品なので、来シーズンは積極的に増やしたいって思っています。


【ミソハギ】

とても丈夫な夏の宿根草であるミソハギ。盛夏に可愛いピンクの花を咲かせます。


一度植えたら手間要らずの気楽さなんですけど、油断してると地下茎で広がるのでそこは注意したいところ!



【ユーパトリウム アイボリータワー】

夏に背が高くなって存在感が出るユーパトリウム。こちらは、白花の品種です。


少しずつ根で広がり、年々株が大きくなっていきます。2m位になりますが、支柱が不要な所が嬉しいです。



【ユーパトリウム ベイビージョー】

こちらは、ユーパトリウムのピンクの品種です。


うちでは私の背を超す程になりけっこう背が高いんですが、それでも"ベイビー"って品種名にあるのは、欧米で人気のユーパトリウムって2m越える程巨大な品種が多いからなんですよね。


この品種も根が少しずつ広がり、年々大株になっています。



【ヘリアンサス レモンクィーン】

放っておくと2m越しになる巨大なヘリアンサス。


夏は黄色い花が多いんですが、このレモンクィーンの黄色は爽やかで好感がもてます。


大きいだけに遠目でも存在感は抜群。

秋のシードヘッドも見事ですが…。

初夏にカットバックしておけば、もう少し高さを抑えられそうなので、来シーズンはそうしてみようと思ってます。


【ヒオウギ】
京都に住む母が、祇園祭の時に飾る縁起のよい花って言って、種から育てた株を送ってくれました。

暑さに強く、真夏の日差しに負けずにオレンジの花を咲かせてくれます。


葉はジャーマンアイリスみたいな感じですけど造形的で美しく、ツヤツヤ黒い種は"ぬばたま"と呼ばれています。

さらに耐寒性も十分で、鹿にも齧られにくいという、近頃流行りのガーデンでも注目される優秀な品種でした。

種を採って少しずつ増やしていきたいと思っています。



【パニカム シェナンドア】

夏はグラスの季節です。


パニカム シェナンドアは背丈が1mを少し越える位で成長がゆっくりなので、花壇にも入れやすいかなと思います。

うちのシェナンドアは、3年目でようやくなるほどこういうグラスなのねって、本領を発揮しました。

銅葉なので全体的におしゃれな雰囲気。

秋の紅葉も見事で、冬庭になっても綺麗。

来シーズンには少し株分けして、花壇に増やしたいと思ってます。


【カレックス マスキングメンシス】
ヤシの葉みたいな葉がユニークなグラスです。
高さは膝丈より少し大きい位。
花壇の前面に置くと、植栽の表情がぐっとスタイリッシュになります。


穂が上がってもほとんど目立たず、地味めな穂です。

葉だけで、芽出しから黄葉まで楽しめる、丈夫で使いやすいグラスだと思います。

カレックスなのに耐寒性が強いのも嬉しいです。


【ペニセタム モードリー】
要するに、日本のチカラシバですよね。


夏に黒い穂が上がり秋まで長い間楽しめます。

成長が早く、株張りは1m以上になるので、植え場所には気を付けたいところです。

私は3株並べて苗を植えて、けっきょくそのうち二株は起こして移植したり人に差し上げたりすることになりました。



【ノリウツギ ミナヅキ】

アナベルの花が一段落する頃、それと交代するように咲き始めるアジサイです。


最初はライムグリーンで花が上がり、


盛夏には真っ白になります。

このまま秋には花弁が赤く染まり茶色く枯れて、冬もドライフラワーみたいに形を保ちます。

年に一度、春先に前年の花枝を切り戻すだけのお世話で毎年咲いてくれるお利口さんな花木です。


【アメリカ フヨウ カルーセル】


こんなトロピカルな花容のハイビスカスの仲間なんですけど、銅葉に惹かれて植えてみたら耐寒性も十分でした。

夏の終わりごろから、超大輪のインパクト抜群な1日花を咲かせます。

年々株が大きくなり、花数が増えて長い間咲くようになりました。

こんな派手目の花容でもシックな銅葉が手伝って周りの雰囲気に不思議と合うんですよね。

支柱無しで自立するところも立派だと思います。


【トンボ達】
夏になると、無数のトンボが庭にやってきます。


同じように無数に飛び交う羽虫を狙って来るのかなって思います。

昼間は明るくて羽虫は目立たないんですが、夜ライトを点けるとその数に驚かされますからね。

トンボが庭に現れるようになると、もう秋の気配を感じます。

直に、アキアカネで空がうまる位になりますからね。

そんな時、八ヶ岳の花のシーズンもあと少しだなぁって毎年思います。






八ヶ岳南麓庭暮らし 連載三部作


庭造りの方法

ノンディグ(不耕起)&オーガニックな栽培法の提案です。気候変動を抑制する今話題のカーボン・ファーミングに通じる庭造りの方法。


庭造りの変遷 



八ヶ岳の庭仕事12ヵ月





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