八ヶ岳の花の季節は、5月下旬からようやく本格的になります。
梅雨入り前のまだ"初夏"って呼べる短いこの期間が、一番ワクワクして心地よい季節かもしれません。
【キャットミント (ネペタ)】
キャットミントは、その名の通り猫がこの独特のスパイシーな感じの匂いを好むのだとか。
春先からふんわり広がるシルバーリーフも美しいんですけど、初夏に咲く青い花は、まるで海のよう。
新しく作った円形花壇の縁にキャットミントとシルバーホワイトの葉が美しいラムズイヤーを交互に植えてみました。
シンプルだけどこの組み合わせが意外と良くて、庭に来たお客様はまずこの花壇で、わー綺麗!ってなります😊
因みにキャットミントとラムズイヤーは花期がぴったりで、八ヶ岳の庭ではどちらも日当たりさえ良ければすぐに大きく成長してくれて、耐寒性も高く鹿にも齧られません。
キャットミントですが、八ヶ岳で庭づくりを始めた頃にたくさん植えたのが未だに残っていて毎年花を咲かせています。
バラが咲き始めるこの時期に咲く青い花は大事ですし、庭全体に青い花が広がるキャットミントはとても綺麗。
初夏に咲く宿根草を何かひとつオススメするとしたら、このキャットミントがイチオシかもしれません。
【オルラヤ ホワイトレース】
八ヶ岳で庭づくりを始めた頃にたった5株花壇に苗を植えたのが、こぼれ種で庭中に広がりました。
耐寒性があり、鹿も齧らないセリ科の一年草です。
初夏の花々の間をうめるように、こぼれ種から芽生えてナチュラルな風景を作ってくれるオルラヤはとても重宝。
ただし、放置すると侵略的に庭中に拡がってしまうのでそこは注意が必要です。
オルラヤの葉や花は側にある植物の上に傘を広げたように覆いかぶさって育つので、オルラヤの陰になってしまった植物がすっかり弱ってしまうことがあるんです。
こぼれ種で密集して生えると、なんとイネ科の草さえも駆逐してしまうことさえあるんですよね。
ですから私はオルラヤの花後に種が黒く熟して落ちる前に、できるだけ抜いてしまうようにしています。
タイミングとしては、全体的に花が終わって種が緑色になった頃がベスト。
そうやって用心深く抜いたとしても、その前に熟した種が既に落ちていて、秋になると小さな芽が出てきて越冬します。
翌春、その芽を厳し目に間引きして咲かせるだけでも花壇としては十分効果的なんですよね。
逆に、翌シーズン オルラヤをみっちり咲かせたいのであれば種が黒く熟すまで待ってから株を抜き、咲かせたい場所に改めてパラパラと種を蒔いておくだけで次の年にはオルレアの花園になってくれます。
因みに、以下は裏技なんですが…
オルラヤは草にも負けないので、草が生えて困る場所に抜いたオルラヤの茎葉を種を付けたまま敷いておき、次の年そこに自然に芽生えたオルラヤをみっちり咲かせて草を弱らせ、種が熟す前にオルラヤを弱った草ごと全部抜いてしまって空いた場所に新たな苗を植え花壇にしてしまうっていうこともできます。
オルラヤの根は直根性で深くまで伸びるので、密生してた所を抜いた後の土は柔らかくフカフカになってるんですよね。
オルラヤは、こぼれ種さえコントロールできればなかなかお役立ちな植物だと思います。
【ヤマオダマキ】
ヤマオダマキは、一度庭に植えたら毎年こぼれ種から芽生えて咲く比較的短命な宿根草です。
こぼれ種から育つ株は自分で場所を選んで出てくるので丈夫だし、案外周りの風景にも合うんですよね。
オダマキの類は宿根草としては比較的短命なんですが、自然に種がこぼれて何年も庭で花を咲かせています。
耐寒性が強く、キンポウゲ科なので鹿にも齧られにくいのが嬉しいところです😊
【サルビア ネモローサ カラドンナ】
数あるサルビアの中でも最も信頼性が高い品種のひとつだと思います。
耐寒性が強くて鹿にも齧られにくく、シャキっと真っ直ぐ立ち上がった姿になり倒れることもありません。
初夏に濃い青紫で咲きますが、花がらはそのままにしておくとやがてシックな紫に変わり、長い間美しさを保ちます。
植えて損はない、オススメの品種です😊
【シャーレー ポピー】
宿根するオリエンタル ポピーとは違い、毎年種を蒔いて育てる一年草です。
以前はシャーレー ポピーと言えば真っ赤な一重の可愛い花っていうイメージだったんですが、近頃では魅力的な花色の八重の品種が手に入るようになりました。
八ヶ岳でも近くのナーサリーで人気のアメージング グレイというポピーの苗が手に入るようになり、
こんな可愛いポピーを大株にしてたくさん咲かせたかったら、春のできるだけ早い時期に苗を植え付けるのがコツ。
春一番にポピーの苗を手に入れる為のナーサリー巡りが今から楽しみです😊
【エリムス アレナリウス】
早々と初夏に穂を上げるシルバーブルーの葉がとても美しいグラスです。
芽出し前や花後に剪定して形を整えるだけで春の芽吹きから秋の紅葉まで楽しめます。
ただし、小苗の間は鹿に齧られることがよくあるので要注意。
何せ、バラ科ですからね!
うちのは剪定を控えめにして育てたら大きな茂みになってくれました。
その茂った枝の奥に、なんとホオジロが巣作りをしたことがあります。
ホオジロにとっては庭と自然の区別は無く、同じように生命を繋いでいける場所なんだなぁって嬉しくなりました。
八ヶ岳南麓庭暮らし 連載三部作
庭造りの方法
ノンディグ(不耕起)&オーガニックな栽培法の提案です。気候変動を抑制する今話題のカーボン・ファーミングに通じる庭造りの方法。
庭造りの変遷
八ヶ岳での約10年にわたる土作り・庭造りを綴りました。鹿の食害や寒さに耐えうる花の庭を目指して試行錯誤と工夫が満載です。
八ヶ岳の庭仕事12ヵ月
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