[世界パティスリー2009&スイート・スイーツジャパン前夜祭 ]
[スイート・スイーツジャパン ☆ 飴細工&トークショー編 ]
[スイート・スイーツジャパン ☆ デモンストレーション編 -1 ]
[スイート・スイーツジャパン ☆ デモンストレーション編 -2 ]
[世界パティスリー2009 ☆ プロローグ編 ]
[世界パティスリー2009 ☆ 皿盛デザート編 ]
[世界パティスリー2009 ☆ アントルメ編 ]
[世界パティスリー2009 ☆ ボンボンショコラ編 ]

★ ガトー・ド・ヴォワイヤージュ ★
・各チームは1種類3台のガトー・ド・ヴォワイヤージュを製作する。
(1台は試食用、1台は撮影用、1台は展示用)
・ガトー・ド・ヴォワイヤージュは常温で1週間以上日持ちがする配合であること。
・縦横20cm、高さ20cm以内のサイズで、且つ、持ち運びが可能な仕上げであること。
・生地をはじめとして、すべてが競技時間内に作られること。
・ガトー・ド・ヴォワイヤージュには各チーム持ち運び用の包装を施すこと。
そのままの状態で持ち運べるデザインの箱を事前に準備してキッチンに持ち込むこと。
・ガトー・ド・ヴォワイヤージュの試食は2日目、競技開始から3時間後に開始され、
皿盛デザートと同じ順番で10分の時間差をもってなされる。
・試食の時間には2台を完全に仕上げ、1台は包装せずに紙製の台紙などにのせて、
1台は完全に包装して提出。包装をしていない1台はそのまま試食に提供され、
包装した1台は、審査員が手にとってデザインを審査する。
・ガトー・ド・ヴォワイヤージュは実行委員によって適切な大きさにカットされる。
・もう1台は2日目の作業終了後に展示テーブルでの
プレゼンテーションに間に合うように仕上げること。
なお、包装は中が見えるように空けた状態で展示。
・ガトー・ド・ヴォワイヤージュは下記基準によって審査される。
仕上げの芸術性 20%
技術的な完成度 20%
全体のバランス 20%
素材感 20%
オリジナリティ 20%
花口シェフ、気合いが入ってますね!

「ガトー・ド・ヴォワイヤージュ」は日本語で言うと焼き菓子。
ルール上では、1週間以上常温で保存が可能である
という規定しか設けられていません。
今大会では、これまであまりコンクールでは紹介されることはなかった
この分野を取り上げることで、世界各国の焼き菓子を改めて紹介し、原点を見つめなおし、
その上で新たな感覚の「ガトー・ド・ヴォワイヤージュ」について考える機会を作りました。
またもうひとつ特筆すべきは、パッケージの使用が義務付けられていること。
新しい感性のパッケージで包んだ作品は、新たな焼き菓子の
方向性を見せてくれることでしょう。(公式ガイドブック参照)
焼き菓子本体以上に、パッケージにもお国柄が非常に顕著に表れていて、
焼き菓子好きな私も、個人的に非常に興味のある競技種目でした。

*フランス : 会場発表得点 290 ⇒ 最終審議後得点 315 に修正。
よって公式記録では、フランスが3位、イタリアが4位となりました。
それでは、順位にそって作品をご紹介させていただきます。
(モニターを撮影しているものは、画像が悪くてすいません)
●日本


「ヴォワイヤージュ」
この種目で、見事1位に輝いたチーム・ジャパンの作品。
日本らしく桜の枝をあしらったパッケージの中には
葉っぱを象ったような、インパクトのあるフォルムの焼き菓子が。
各国の選手の方々にも、ぜひ本物の日本の桜を愛でていただいたかったなぁ・・・
いわゆるBOXではなく、中身が見えるフィルム包装のパッケージというのも
オリジナリティがあって素敵でした。
シェフのナイフを入れる手から、ずっしりとしたテクスチャーが伝わってきますね。
セミドライバナナをベースに、タイム、オレンジピール、
ぺカンナッツ、チョコレートを混ぜ込んだしっとりとした生地に、
パッションピューレのグラスアローをかけた一品。
パッションのトロピカルな香り、バナナやオレンジのフルーティーな香り、
タイムのエキゾティックな香り、そしてぺカンナッツのナッティな香りと
ショコラの芳醇な香り・・・
きっと、時間とともに味が変化していく
とても複雑で奥深い大人テイストの焼き菓子なんでしょうね。
実はこの「ヴォワイヤージュ」も、4/1より帝国ホテル東京の
ホテルショップ「ガルガンチュワ」で販売されているそうなんです。
(この形ではなく、BOX型になります)
賞味期限が1週間以上の焼き菓子なので、
「世界一の焼き菓子なのよ!」とプレゼントするのにも最適ですね❤
●アメリカ


ヘーゼルナッツのパウンドに、柚子のゼリーが鋳込まれています。
ちょっと写真の角度が悪くて分かりにくいかもしれませんが…
生地の中央に、棒状に柚子のゼリーが入っているという不思議なフォルム。
辻口シェフの解説によると、生地を焼く際に、棒状の金属を中央に入れ、
焼きあがった後に棒を抜き、その棒の入っていた空間に別の生地を絞るという手法だそう。
柚子という素材は、今年1月に開催されたクープ・デュ・モンドで
日本チームも使用していましたが、フランスのボンボンショコラ&プティ・ガトーや、
こちらのアメリカチームの焼き菓子にも使用されているのをみると、
外国の方にも、非常に取り入れやすい和素材の一つなのかもしれませんね。
●フランス


「Naturalia(ナチュラリア)」
パイナップルを使用し、そこにはサクサクの食感を入れた焼き菓子。
生地の上部にV字に鋳込まれたパイナップルのコンフィが、
あまり煮込まれていないために、日持ちがしない・・・という理由で3位という結果に。
パッケージもパイナップルのように仕上げて、インパクトのある作品だったのに
残念でした…とフランスチーム談。
●イタリア

●シンガポール

●中国

●オーストラリア

●マレーシア


私が焼き菓子好き❤ パッケージ好き❤ ということもありますが、
とても興味深い競技種目でした。
特にこのシンガポールのパッケージは、オリエンタルな雰囲気で素敵。
焼き菓子は、ピスタチオの生地に、チェリーのゼリーかな?
その上に桜の花びらもあしらわれています。
パッケージと焼き菓子の色使いがシンクロしていて、
とても優雅でミステリアスな雰囲気に魅かれちゃいました。
プティガトーの作品につづきます・・・