
レストラン講座第2回目は、プライベートでも間違いなく一番お伺いさせていただいている
大好きなレストラン・・・Fujiya1935さんで開講させていただきました。
アキュイール さんで第1回目を開講させていただいたのが10月末だったので、
あっという間に、4ヶ月も経ってしまってたんですね。。。
レストラン講座は、スイーツ講座の生徒さんを中心に、できるだけ多くの皆さんに
ご参加いただけるようにと(こちらのblogでもTOP記事で募集させていただいています)
2ヶ月後ぐらいの週末に日程を設定しているんですが・・・
せめて季節毎には開講できるようにプランニングしないと。。。
次回お願いさせていただきたいなぁ…と思っているお店にも
打診済ですので、近日中にお知らせさせていただきますね。
Fujiyaさんには、お菓子やお料理関係のお仕事をされている方と
ご一緒させていただくことが多いですが、どなたもとても感動されて、
お料理とシェフのお話に色々とインスパイアーされて帰られます。
お料理はもちろんのこと、デセールまで本当に素晴らしくて・・・
レストランだからこそ提供できる、温度差やテクスチャーを駆使した
サプライズが満載のデセールばかりで、どんな風に作られてるんだろう?!
と私もいつも興味津々なんです♪
実はレストラン講座を開講したいと思ったのは、Fujiyaさんのデセールに
出逢ったからと言っても過言ではないかも。
パティスリーさんとは全く異なるレストランデセールの世界を
生徒さんにもぜひ体験していただきたいなぁ。。。と思ったんです。
Fujiyaさんは10月初旬にリニューアルオープンし、
店内に入ると、まずこのようなブルーの円盤状のオブジェがお出迎えしてくれます。
写真では上手く写すことが難しいんですが(動画のUPの仕方が分からないです^^;)
数秒ごとに水滴がといから流れ落ち、遠心力でブルーの円盤の上を
クルクルと周り、最後に吸い込まれるように中央の穴に落ちていきます。
静寂のなか、間接照明に浮かぶこのオブジェを眺めていると、
不思議と心が落ち着き、無心になれるんですよね。。。

お二階に上がる階段の横に、このようなオープンキッチンがあります。
(この写真は、リニューアルレセプションの時に撮影したものです)
リニューアル前は、硝子越しに厨房の様子を眺めながらお料理をいただくことができ、
私はその時間がとても好きだったんですが、リニューアル後は
こちらの厨房で作られたお料理を、作られた方がお二階まで運び、
説明をしてくださるというシステムに変わりました。

Fujiyaさんのメニューは、最初にお伺いした時からずっと大切にとってあるんですが、
夜のmenuは黒の表紙のものが多いかな。
クリスマスなどには手作りでこんな風に素敵にアレンジしてくださいます。
しかも、ひとつひとつデザインが違ったりするんですよ☆
今回はこのような真っ白の表紙のmenuをご用意してくださいました。
開けると、シェフからのメッセージが・・・
「冬を越え 大地から 次々と芽を出す
野菜の生命力 冷たい土の中から緑に萌える
自然の鼓動が 聞こえてくるようです。
その 「気」 を味わって頂く季節です。」
Fujiyaさんのお料理は、いただく前からドキドキと心が高鳴るんですよね♪
最近はレストランでは、分析することなく、いい意味でゆる~りとお料理を愉しみたくて、
作り方などはあまり詳しくおうかがいしないようにしていたんですが・・・
今回はちょっぴり色々と聞かせていただきました(笑)
それではスペインやイタリアなどでの経験をベースに、日本人のアイデンティティも大切した
オリジナリティ溢れる藤原哲也シェフのお料理をご堪能ください。
●ホワイトアスパラのプッチンプリン

フォアグラのプッチンプリンはいただいたことがありますが、ホワイトアスパラは初めて!
ホワイトアスパラガスは、この日の前々日に入荷したばかりの新物とのこと。
カラメルは砂糖とレモンビネガーで作られています。
文旦の白いわたの部分のピューレを添えて。

何度やっても、プッチン♪ は緊張します~。
全員無事にプッチン♪ できてよかった^^;
ホワイトアスパラの甘みを纏ったほろ苦みと文旦のシャープな苦み。
口に運ぶ前には、カラメルの酸っぱい香りが鼻腔をくすぐる
プリンよりもとろ~っとなめらかなテクスチャー。
ピューレと一緒にいただくと、春を待ちわびる2種類の異なる苦みが
じわじわと口中に広がり、見事に溶け合っていきます。

さらにスペイン産のオリーブオイルとマルドンの塩を添えて。
なんとこちらのオリーブオイルは酸度が0.1%
一番搾りで酸化していないので、こんなにもクリアで香り高いんだそう。
サラッとしたテクスチャーで、フレッシュな甘みがパッ!
酸化していない美味しさって、こういうことを言うんですね。。。
残すなんてあまりにも勿体なさすぎて、スプーンにのせて
オイル単体でいただいたんですが、本当に全然くどくなく、後口もさらり。
フレッシュな香りのみが余韻に広がっていきます。
試験管に入れられているのを見て、科学の実験みた~い♪と
驚かれるFujiyaさん初体験の生徒の皆さん。
今でこそ慣れてしまいましたが、私も最初は可愛く驚いてました^^;
●ビーツのウエハースetc...

Fujiyaさんスタイルの前菜色々。
今回は特に、ミニャルディーズのような色合いで可愛い~。
左からビーツのウエハース、カラメリゼしたミカンのマシュマロ、露の滴が落ちた緑の葉。
籠に入っているのは、牛蒡のスティック。
こんなにプティプティサイズながら、非常に手間のかかった品々。
ビーツのウエハースは、ビーツをジュース状にし、
メレンゲとクリームチーズを加えて、低温で5~6時間焼成。
とても軽く儚い食感ながら、クリームも重なり、ビーツ特有の甘みが感じられます。
ミカンのマシュマロには、麦芽糖をふってキャラメリゼ。
シュワッと溶け消え、余韻にはミカンらしい酸味が。
露はピスタチオオイルを飴で包んだもので、葉っぱはほうれん草から作られています。
えっ、葉っぱも食べられるんですか?と驚かれる生徒さん。
そう、Fujiyaさんでは食べられないものは添えられていません。
カリッ♪と砕ける甘みの中から、ピスタチオのナッティな香りがとろり。
牛蒡のスティックは、まさにフォルムもお味も牛蒡!
いい意味での牛蒡らしい泥臭さが残っていました。
まだスタートしたばかりなのに会話が弾む、弾む♪
これは何でできてるんだろう? どんな味なんだろう?と
初体験の方にとっては、本当にサプライズの連続ですものね。
●気泡をたくさん含ませたグリーンピースのパン

こちらも色々なバージョンをいただいたことのある気泡のパン。
大好きなmenuのひとつです。
今まではトリュフバージョンが1位だったけど、このグリーンピースも
That'sグリーンピースでかな~り好みのテイスト❤
青いお豆の香りって春の萌黄を感じますよねぇ。。。

うぅぅぅ。。。写真を見てるだけで思い出しちゃいます~。
グリーンピースをピューレ状にしてエスプーマにかけ、気泡をたっぷりと含ませ、
器に流し入れて電子レンジで数十秒(←ここは秘密にしておきますね^^;)
そうすると一気に膨らんで、こんな風に気泡たっぷりの状態になるんですって!
ひと言で言うと蒸しパンのような・・・になると思うんですが、
水分もた~っぷりと含んでいる感じで、お肌にぴとっと密着するようなし~っとり感。
指で軽く掴んだ瞬間に、指の力でシュワ~っと押し潰されちゃうぐらい
気泡た~~~っぷりのテクスチャーなんです。
逆に中に挟まれている生クリームを加えたピューレは、
こっくり、とろ~んと濃厚なクリーム状に。
お豆の青々しいコクと香りが、ぶわ~っと押し寄せてきます。
春を先取りした幸せの萌黄色の香り・・・
青エンドウマメやソラマメのような青いお豆も、
小豆や花豆、黒大豆、白手亡などの炊くお豆も、
レンズ豆のようなお料理に使われるお豆も・・・
よく考えたら…私お豆好きなのかも!
その中でも春先の青いお豆の香りは、旬を五感で
めいいっぱい感じることができるから大好きなんです。
私の中では、トリュフを抜いてこのグリーンピースが
Fujiyaさんの気泡パンランキングで一位に躍り出ちゃいました❤
●焼き芋

モダンスパニッシュで焼き芋?
メニューにこの“焼き芋”の文字を見た瞬間から
皆さんの頭の中は???でいっぱいに・・・

真っ黒の墨のような物体を割ってみると・・・黄金色のお芋が顔をのぞかせます。
こんなに小ぶりのお芋があるの?って思っちゃいますが、実は・・・
皮は、お芋のペーストにデキストリンを入れて粘度を調節し、
イカスミとビーツで着色。
一見、いえ食べてみても、本物のお芋の皮かと錯覚しちゃいます。
お芋は五朗島金時と安納芋をブレンド。
これに強力粉を加えてニョッキ状にし、焼き芋の中身に見立てて。
本物の焼き芋よりはねっとりとしていながら、ちゃんと繊維質も感じられます。
●小長井産牡蠣とタピオカクリーム

ある瞬間から急に牡蠣好きになった私。
(その理由はあまりにもおバカすぎてお話できませんが^^;)
殻付の牡蠣を見ると、それだけでテンションがUPしちゃいます!
長崎県・小長井産の牡蠣はとても大きな手のひらサイズ。

タピオカクリームってこういうことなんですね~。
まるで牡蠣が真珠を纏っているかのような、ときめきのビジュアル。
牡蠣×タピオカは初体験でした。
でも私が牡蠣よりも、タピオカよりも気になったのがこのクリームソース。
このソースだけでも、ものすごく牡蠣の風味が濃厚なんです。
実はこのクリームソース・・・牡蠣を生クリームに入れて火にかけ、
それをミキサーにかけてソースに仕上げているんだそう。
だからこんなにも、牡蠣感が濃厚だったんですね。
ぷりっ、とろ~んとした牡蠣に、ぷちっ、もちっとまとわりつくタピオカの食感♪
なんて表現したらいいんだろう・・・初体験の面白いコントラストです。
ここにパンがあったら、余すことなくソースをいただくことができたのになぁ。。。
そしてアラカルトだったら、間違いなく追加オーダーしていたと思います!
お料理編につづきます・・・