レストラン講座 ☆ Fujiya1935 お料理編 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ
レストラン講座 ☆ Fujiya1935 前菜編






 
前菜からお料理に移る前に登場したこの木箱には・・・さて何が入っているでしょう?
添えられているものを見れば分かっちゃいますよね。
実はこの木箱の中には、パンが入っているんです!

私が前回お伺いした時には木箱のみで、お皿やバターナイフは木製ではなかったんですが、
少しずつ買い揃えられているそう。

そしてこの木箱を見ると・・・やはり皆さん同じリアクションを。
開けたら煙がでて、おばあちゃんになっちゃわないかなぁ。。。って^^;
どなたとお伺いしても、絶対この浦島太郎話になるんですよね。

木箱はタモの木、お皿は桜の木、バターナイフはメープルの木製。
バターは燻製バターで、フライドオニオンとローズマリーがトッピングされています。
燻製香を纏ったバターと凝縮したオニオン、ローズマリーの清々しい香り。

 
 
 




蓋をあけた瞬間に、馨しい小麦の香りがふわ~っ。
立ちのぼる香りの揺らぎが、まるで目に見えるようです・・・
小麦粉の香りって、なんでこんなにもやさしく幸せな気持ちにしてくれるんでしょうね。
この幸福感を味わいたくて、何度も開け閉めしちゃいました。
 
下には温かい保温石が敷かれているので、蓋を閉めていれば
最後までぬくぬくの状態でいただけます。

こちらのパンは、私も大好きでやまないル・シュクレクールさんのパン。
リニューアルの前と後とではパンの種類が変わったんですが、
岩永シェフがFujiya さんのお料理に合わせて考えられているものなので、
もちろんお料理との相性はバッチリ。
歴代のパンの中で、私的にはこのパンが一番Fujiyaさんのお料理に
合っているかなぁ…と感じています。

北海道産の小麦粉を使われているこちらのパンは、もっちりと噛みごたえがあり、
なんといっても粉のふくよかな香りと旨みが素晴らしんです。
あまりの美味しさに、いつもついつい食べ過ぎちゃいそうに。。。
この木箱に入れたまま連れ去りたくなっちゃうほどの美味しさです❤
木製の箱、お皿、ナイフの温かみのある表情と
シュクレさんのパンの表情が素晴らしくマッチングしているんですよね。
 
でも木は湿気にも乾燥にも弱いのでお手入れが大変そう・・・と思ったら、
やはり少しずつ変形してきているんですって^^;

 
 
 
●ブラウンマッシュルームのリングイネ  



 
やっとお料理まで辿りつきました~^^;

まさに生マッシュルームがてんこ盛りのリングイネ。
まるでトリュフのように薄く薄くスライスされています。
こんなにも薄いのに、まるできのこの森に迷い込んでしまったかのような
木や土の奥深い香りがどわ~っと押し寄せてきます。

 
 
 




マッシュルームのパスタなので、あっさりヘルシーなのかと思ったら大間違い!
マッシュルームの下に潜むリングイネには、冷凍卵黄にトリュフを加えた
こっくりと濃厚なソースがたっぷりと絡みついています。
 
この冷凍卵黄は、24時間冷凍したものを自然解凍してから使われていて、
こうすることで味が凝縮して、濃厚になるのだそう。
この方法、私も以前どこかで教えていただいてから、
お家でカルボナーラを作る時などに活用しています。
お菓子屋さんでも聞いたことがあるような気が。。。

食べ進んでいくうちに、生のマッシュルームに徐々に余熱で火が入り
食感が少しずつ変化していきます。
時間も美味しさを生み出すひとつの調味料というわけですね。

 
 
 
 
●8週間熟成した但馬牛 リンゴとパセリ オゼイユ



 
通常よりも長く8週間熟成させた但馬牛に
セリのソースとリンゴ&パセリ、イベリコハムを纏わせた蕾菜、
オゼイユと粒マスタードを添えて。
セリのソースはインパクトのある苦みが広がります。

蕾菜は最近、新野菜として供されることが多いですが、
程よい辛みと甘みにシャキッと歯ごたえのある食感。
イベリコハムの塩味がアクセントを添えています。

オゼイユは、和名をスイバ・スカンポというタデ科の野草で、
シュウ酸を含んでいるので葉茎に強い酸味があります。
Fujiyaさんでは三田のFarmから取り寄せられているそう。
あちらのFarmのお野菜は私も大好きなんです。

このように新鮮な旬の珍しいお野菜を色々といただけるのも
Fujiyaさんのお料理の楽しみのひとつ。
お肉の脇役でありながら、ひとつひとつのお野菜自体の味を
引き出すよう、シンプルに調理されています。

 
 
 



そしてこちらが主役の8週間熟成の但馬牛でございます~。

ご存知のとおり(って知らない方も多いと思いますが^^;)私は大の牛肉好き!
でも最近は豚肉や鶏肉に色々なブランド肉が登場しているので、
内容が決まっているコース料理で牛肉をいただける機会ってあまりないですよね。
プリフィクスでも他のお肉を薦められることが多いので、まず選ぶことがないし・・・
 
Fujiyaさんでもこの牛肉をいただくまでは
(私は以前にこの牛肉を一度いただいたことがあります)
牛肉と巡りあったことがありませんでした。
だからこのお肉に初めて巡りあった時には、すご~~~く感動して
大興奮してたのをシェフも覚えてくださっていたのかな。
ランチにこのお肉を出してくださるなんて・・・申し訳ないぐらいの贅沢さですm(_ _)m
 
通常は4週間程度のところを、倍の8週間熟成させた但馬牛の内もも肉。
噛みしめると、お肉の繊維がほぐれていくような食感で、
決して刺しが多いというわけではありませんが、噛めば噛むほどに
上質な脂のジューシーな旨みが迸りでてきます。
そして口中に残る熟成香にうっとり・・・

お肉自体の美味しさだけで充分なので、調理はごくごくシンプルに。
添えられている新鮮なお野菜の甘み、苦み、酸味が
お肉の味を引き立て、口中の脂をさっぱりと漱いでくれます。

 
さぁいよいよ、お愉しみのデザートにつづきます。。。