ガレット・デ・ロワ講習会2009@大阪 - 永井紀之シェフ編 | ボヌール☆花粉 松本由紀子オフィシャルブログ
ガレット・デ・ロワ講習会2009@大阪 - 林周平シェフ編
ガレット・デ・ロワ講習会2009@大阪 - 藤生義治シェフ編

 
 
 


 
ノリエットの永井紀之シェフは、マカロン・バヤデール&マカロン・オリーブという
2種類のマカロンを紹介してくださいました。

カレー&オリーブテイストというサレ系のマカロン。
どんなテイストなのか、想像できますか?!

お店ではどちらのマカロンも、ムラング・フランセーズで作られていますが、
今回は、バヤデールはフランセーズで、オリーブはイタリエンヌで。
ムラング・イタリエンヌはどうしても甘くなってしまうので、
お店ではプティ・マカロンにのみ使用されているそう。



  




まずは、マカロン・バヤデールから。
バヤデールはインドの舞姫の名前なので、インド→カレー・・・
というわけで、カレー粉を使ったマカロンなんですって(笑)

ムラング・フランセーズは高速でしっかりとたてて(ピークを少し超えてたてる)
たて終えたらできるだけ早く使うのがポイント。
よく混ぜて2度ふるった粉系(カレー粉も)を加え、混ぜていきます。

 
アーモンド・プードルには、とても希少価値の高い、
前田商店さんのフランス・プロヴァンス産フェラーニュ種を使用されていました。

フランス産アーモンドは、味的にも栄養的にも優れた品種を栽培されていますが、
気候的条件により生産量は年間500トン程。
(カリフォルニア産は年間60万トン)
ラヴェンダーの花粉を受粉するので、やや甘みのあるフレーバーで、
カカオとやや胡椒のようなニュアンスの味なのだそう。

 
 



 
できるだけ糖分は加えたくないけれども、アーモンド・プードルの倍量の糖分がないと
マカロンのあの形を保形することはできないとのこと。

それを助けるためには、卵白をしっかりとたてやすくするために
酸性化した卵白を使うと良いのだそう。。
 
今回はキューピーさんの凍結卵白を使用されていましたが、
22、3℃で、卵白をゆっくりと2週間ほどかけて古くする方法や、
タンパク質を分解するために、パイナップルの芯を入れ、
卵白をシャバシャバな状態にする方法などを教えてくださいました。

 
サンドするガナッシュには、カカオバリーのクーベルガーナを。
産地限定カカオ豆を使用したオリジンシリーズの
ガーナ(カカオ分40.5%)を使用されていました。
後味がスッキリとした大人テイストのミルクチョコレートです。

 
 



 
マカロン・オリーブ
は、ムラング・イタリエンヌで。

たてたメレンゲを、パート・ダマンド・クリュと卵白、グラニュー糖を合わせたところに
3回に分けて加え、混ぜて混ぜて混ぜたおしていきます(笑)
(って、本とに永井シェフがおっしゃってたんですよ~^^;)

このパート・ダマンド・クリュ(ローマジパン)は、
前田商店さんがドイツのレムケ社から輸入されているもので、
地中海産のビターアーモンドで作った本場こだわりの風味。

アーモンドペースト65%、砂糖35%の組成で、とても作業性がよいのだそう。

 



 
タプナード(黒オリーブとアンチョビ、にんにく、ケイパー、オリーブ油などを混ぜたもの)は
生地が出来上がる少し手前で加えていきます。

サンドするクリームは、パートダマンドとバターを合わせ、
オリーブスプレッドとタプナードを加えて。

 
今回使われたイーガー/エキストラバージンオリーブオイル・スプレッドは、
天然素材をそのまま活かしてオイルをスプレッド化したもので、
コレステロールフリーかつトランスファットフリーの、ヘルシーなオイルスプレッドです。
油の弱点である酸化もフリーで、常温での長期保存が可能。
オリーブオイルはギリシャ産で、厳選されたエクストラ・バージンオリーブオイルが使用されています。

オリーブオイルというと、私達は通常液状のオイルを想像しますよね。
ところが、エルサレム・ヘブライ大学のシャウル・イーガー博士は
長年の研究により、この液体のオリーブオイルをスプレッド状に加工することに成功しました。
マーガリンやショートニングとは違い、水素添加や飽和脂肪酸を添加せずに
スプレッド状に加工しているので、体に有害なトランス脂肪酸を含んでおらず、
コレステロールもゼロという画期的なオリーブスプレッド。

このスプレッド状のオリーブオイルは、バターやショートニングの代替品として
使用することができるために、液状のオリーブオイルではおこえなかった調理にも
幅広く利用できるようになり、お菓子業界にとっても画期的な影響をもたらしています。

少しお味見をさせていただいたんですが・・・まさにオリーブオイル!
自己流にアレンジして、様々なお料理&お菓子に使えそうなスプレッドでした。

 
解説の大森由紀子先生もおっしゃっていましたが・・・
最近お料理とお菓子の境目がなくなってきているような気がします。
お菓子の素材がお料理に使われたり、逆にこのマカロンのように
お料理の素材がお菓子に使われたり・・・
美味しく仕上げていただければ、幅が広がって素晴らしいことなんですけどね^^;

 

 



 
出来上がった生地を絞って・・・





 
トントントン!と空気を抜いて、
170℃に温めたオーブンに入れ、140℃まで落として12分焼成します。

 
 


 
焼きあがったときに、シルパットから綺麗にはがれるとO.K.です。

真ん中を親指で押してへこませ、ガルニチュールをのせて挟みます。
へこませることで、より多くのガルニを挟むことができるようになるんですね。

 
 







 
カレーテイストのマカロン・バヤデール、この暑い季節にはありだと思います!
チョコレートとカレー・・・意外に相性がいいんですね。
そういえばカレーの隠し味にもチョコレートを加えたりしますものね。

オリーブスプレッドを使ったマカロン・オリーブも
タプナードの塩気とのバランスがGood!

どちらもアミューズに、ワインやシャンパンのお供にと
おつまみ代わりにもいただけそうな不思議な美味しさでした。

 
つづきます・・・