金髪 学園コメディ ヒューマンドラマ | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「金髪」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

ある公立中学校で生徒数十人が髪を金色に染めて登校してきた。担任の市川は子どもじみた反抗と高をくくっていたが、ネットニュースに取り上げられ、教育委員会や文科省、さらには総理大臣まで動き出す騒動へと発展。窮地に立たされる。
というお話です。

 

 

その⽇、中学校教師・市川の⼈⽣を⼤きく変える出来事が起きた。担任クラスの⽣徒数⼗⼈が髪を⾦⾊に染めて登校してきたのだ。ある生徒が髪の色を教師に注意され黒に染めされられて、不登校になったのだ。彼女は地毛が茶色なのだが無理に染めされられたようだ。そして生徒たちは校則への抗議として金髪にしたらしい。

 

最初はちょっとした反抗だろうと思っていた市川だったが、金髪を発案した板緑に「何故髪を染めてはいけないのか」と問われ「校則だから」としか返せない。事件はネットに取り上げられ、マスコミさらには⽂科省まで巻き込み⼤騒動になる。市川も立場が危うくなり、勘違いのデマまで拡散され、休職にまで追い込まれてしまう。

 

 

そんな事件と同じ日に、市川は彼女に「結婚を考えているのか」と聞かれ、まだ30歳だから考えていなかったと返事をしてしまう。「金髪」事件のことを毎日彼女に愚痴っていたが、自分が思っているより若くなくオジさんだと言われショックを受けてしまう。段々彼女と連絡を取らなくなり、金髪事件の騒ぎは大きくなるばかり。

 

そんな時、文科省から校則を変えるようにという通達が下り、今までの主張とは全く逆のことをしなければならなくなる学校側。そして板緑は”そうじゃない感”を感じ、市川にある作戦を持ちかける。その作戦により風向きは変わっていくのだが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

いやぁ、面白かった。これは圧巻と言うべき作品で笑いの中に深い真実が隠されていました。まず「校則ってなに?」という事なんです。勝手に学校側が決めている決まりでしょ。まぁ、あった方が集団生活で規律が守れるのだろうけど、全てが完璧なわけじゃないし、頭髪に関しては人権問題に関係しますよね。

 

そんな校則に素直に従って、何の疑問も持たない生徒や先生って、ふと考えると恐くないですか?何で自分はこの服を着て学校へ行くのか、何故髪型や色は決められているのかなどなど、考えてみるとおかしいなということが沢山あると思うんです。理由があるなら納得しますが、髪の色って学校に関係ないよね。

 

肌の色と同じで、黒人の方に肌を白くしてこいと言ったら差別・人権侵害になりますよね。それと同じです。おしゃれの為に金髪にすると言うなら中学は勉強をするところなのでおしゃれをしたいなら学校外でやるようにというのならまだ理解出来ます。但し成績が良いならおしゃれに時間を使っても良いという注意書きがあれば面白いかな。金髪にしたいから勉強をするかもしれない。

 

 

きっと板緑は何にでも疑問を持った方が良いという事を言いたかったんじゃないかと思うんです。それなのに教師たちはそれに気が付かずに、ただ校則を変える変えないで騒ぎ、責任を誰に擦り付けるかしか考えていないんです。

 

そんな学校側の教師・市川。30歳になり、上からは”若いから”といわれるが、実際には既にオジさんで生徒からもおっさんと思われているんです。確かに30歳はおっさんだよね。私の時代、女性は25歳すぎたらおばさんと言われたんだからそれと一緒よ。これって真実だと思います。

 

身体は変化してくるし、女性は子供を産むことを考えたら、やっぱり30歳はボーダーラインです。ここで結婚を考えないと子供は難しいよね。30歳から子供を産むことを考えて計画を立てるとしたら、直ぐに妊娠出来ればよいけどそうでない事も多いので、30歳は若いからと言っている男は却下されるんじゃないかな。やっぱり初産は30代でないと身体が辛いと思います。

 

 

市川は完全にズレた感覚を持っているので、周りの人たちがおっさんだとか最悪だとか言ってくれるだけありがたいと思わなきゃ。大体30歳で若いと思っているアンタがおかしいのよ。彼女は可哀想だなと思いました。まして自分の事ばかり話して、彼女の話は聞いてなかったでしょ。一番ダサい男だよ。つーか、ダサいって今も使われていたのね。(笑)

 

映画の中でSNSは若者はやっておらず、おっさんやおばさんたち中年しかやってないというセリフがありましたが、確かにそうだなと思いました。読んでいるとどう考えても若いとは思えない内容が多いですもんね。私もSNSを読みますがおばさんですもん。

 

この映画、「この話は金髪の話ではない。私の個人的な話だ。」という言葉で始まるんです。確かに市川個人の話なのよ。金髪騒動が起きて振り回され、それと並行して市川の彼女との生活も壊れていき、友達にもうオッサンなんだからと諭され、市川の今までのぼんやりした教師生活が一変するような出来事を描いているんです。

 

 

それまで何も考えず淡々と仕事をして、そんな自分はまだまだ若いと考えていた市川に、生徒たちがいきなり正面からバズーカを撃ってきたような、そんな出来事なんです。いやぁ、笑えました。こんな先生って多いのよねぇ。事なかれ主義というか、何も起きずに嵐が過ぎるのを待つような、そんな人間ばかりになっちゃって、本当に世の中面白くないのよ。

 

どんな仕事をしていようと、どう暮らしていようと、何にでも疑問を持ち続けなきゃ面白くないでしょ。ただ従うだけの人生なんて生きている意味が無いと私は思っています。だらだら言われるように仕事をして文句を言われても我慢して、私には出来ないな。だから教師の仕事は向いていないと思ったのよ。一応、教員免許は取ったんだけどね。うんうん、絶対無理だなぁ。

 

 

市川はこの騒動で自分の人生を考え直したんじゃないかな。疑問を持てばおのずと答えは見えてくるし、おっさんになるってことはそれだけ経験を積んで色々なことを知ったということだから、教師としてもよい仕事が出来るようになるんじゃないかと思いました。

 

それにしても岩田さん、この長セリフ凄い勢いで話してましたね。凄かったっすよ。この市川のイメージにピッタリで笑ってしまいました。こういう役も上手いですね。楽しかったです。そして白鳥さん、若いのに上手いよねぇ。今「ぼくたちん家」でも好演していて楽しく観ています。これからも楽しみですね。市川の友達役の田村さんが良かったなぁ。ちょっとしか出てこないけど、凄く印象が強いです。彼の雰囲気、好きです。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは面白かった。良く出来ていたと思います。ただのコメディに収まらず、ちゃんとヒューマンドラマとして成立しているし、脚本が上手いなぁと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「金髪」