「恋に至る病」恋愛映画かと思ったらサスペンス映画かな。ちょっとホラー要素もあり楽しめました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「恋に至る病」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

内気な性格の高校生・宮嶺望は転校先の学校でクラスの人気者・寄河景と出会う。2人は次第に一緒に過ごす時間が増えていく。ある日、同級生の根津原が遺体となって発見され、その後も同級生の不審死が相次ぐ。望は景が事件に関わっているのではないかという疑惑を抱きはじめる。

というお話しです。

 

 

今まで親の仕事の関係で転校を繰り返してきた宮嶺望。他人と深い関係を結ばないように生きてきたのだが、今回の転校が最後でこの場所に定住出来るらしい。転校最初の日、内気な性格の望は上手く自己紹介が出来ず、その時に助け舟を出してくれた、誰からも好かれるクラスの人気者・寄河景と出会う。

景は望の家の斜め向かいに住んでいるのだった。周囲との距離を保とうとする望に対して、景は持ち前の明るさで距離を縮め、2人は次第に一緒に過ごす時間が増えていく。



 

そんなある日、同級生の根津原が近所で遺体となって発見される。さらに、その後も同級生の不審死が相次いで起きていく。その死には、「青い蝶(ブルーモルフォ)」と呼ばれるゲームが関係するようだった。

望は大切な景が事件に関わっているのではないかという疑惑を抱きはじめる。望を虐めていた根津原が最初に亡くなり、もしかして自分のために景が殺したのではと考えるが、望の景への思いは変わらず、景のためならすべてを自分が引き受けようと考え彼女を守ることを誓う。しかし…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

今回、少しネタバレいたします。スミマセン。この映画、賛否分かれるだろうなぁと思いました。恋愛映画のようでサスペンスでホラーでという何とも判断が難しい映画なんです。観る人間が自分で勝手に解釈をして行かないと謎のまま終わってしまうという内容でした。

 

という訳で、私は私の解釈で感想を書いていきます。そこは違うよと言われる部分もあるかと思いますが、とりあえず私はこう考えたということを書いていきますね。違っていたらごめんなさい。私の理解度が少なかったとご理解ください。

 

望が引っ越してきた日、景は声をかけたけど望は気が付きませんでした。その時に既に景は望のことが気になったんじゃないかな。誰からも好かれている自分に目もくれなかった男の子。顕示欲の強い女子なら自分に振り向かせたいだろうから、学校初日に望をかばって、まず振り向かせたんだと思います。

 

 

仲良くなってみると望は他の子たちとは違い、景を崇めるでもなく素直に普通の女の子として見てくれる存在だと気が付き、景はどんどん好きになって行ったんじゃないかな。だって景は、学校の中で唯一心を許して話が出来る人物が望だけだったんだと思うからです。

 

景みたいな女の子って、良い子と思われて好かれることが当たり前になっているから、気持ち的には結構しんどいんだと思うんです。人からいつも期待されて好かれている訳でしょ。ウザいよね。こうなると期待に応えなきゃと思って良い人を演じ続けなきゃいけなくなるでしょ。だから面倒になってきて邪悪な心が芽生えちゃったりするんじゃないかな?

 

景は自分が大切だと思っている望を根津原がいじめていることに気が付き、辞めさせようとしたけど反発されたから殺意が芽生えたんだと思うんです。自分に従っていた男が言う事を聞かないなんて許せないと思ったんじゃないかな。そしてある計画を実行した(させた)んだと思うんです。

 

 

洗脳っていってたけど、洗脳というか精神的脅迫だよね。いじめの問題でも、自分だけいじめなかったら次は自分がいじめられるんじゃないかと思って一緒にいじめるというのが定番でしょ。それと同じなんです。ボスが怖くて逆らわない。犯罪組織と同じことが学校内でも行われているんです。

 

その精神的な脅迫を使って、自分がやらせたい事をしたくなるように仕向けるということは出来るよね。景が指示した訳では無く、望んでいた訳でもないけれど、きっと景はして欲しいと思っているんだろうなと考えるように仕向けていたと思います。

 

但し、警察がどんなに追及しても立証は出来ないので、景はあくまで被害者にしかなりえないと思います。警察が随分と洗脳だとかなんとか騒いでいたけど、洗脳したという証拠は無いし他の子の話を聞いても、証拠もない、望んだ事実もない、何もないんですから。

 

 

景本人は、実はそんな事をしたかった訳じゃないように私は思います。いつも自分は良い子と思われる。本当はもう面倒くさくて死んでしまいたいと思っていたけど、良い子は自殺なんてしないから出来ない。誰か自分を殺してくれないかなと思っていたとしたら、辻褄はあうんじゃないかな。

 

あのブルーモルフォというゲームで死にたくなる内容を調べていたようですよね。自殺を止めたらどうなるのかはある程度、察しがついていたんじゃないかと思うんです。それかもしかしたらゲームの運営者が捕まった後、景がコピーゲームを運営していたのかもしれない。そうなると自殺を邪魔する人間は殺すようにと指示を入れていたのかもしれない。

 

先輩の自殺を止めたのは、良い子に見られたいという顕示欲からと、もしかしたら殺されるかもしれないという期待とがあったように見えました。私は良い子で最後まで被害者なのだと印象づけるためと、そして望に自分を忘れさせないために。

 

 

景という子は一途に望が好きになり、彼の気持ちを独占したかったんじゃないかな。人からどんなに好かれていても全然幸せじゃなかったけれど、望を好きになったらこんなにもしあわせなんだと感じたんじゃないかと思うんです。最後にやっと望に恋が出来てしあわせだったのかなと思いました。

 

きっと望は二度と景のことを忘れないだろうし、恋をしようとしてもそう簡単には出来ないと思うんです。景の呪いのようでしょ。恐ろしいですよね。でも恋ってそれくらい強烈なモノなのだと思いました。これは私の想像した感想です。もしかしたら内容とは全く違うのかもしれません。原作を読んでいないので、映画を観た内容だけで想像して解釈してしまいました。

 

 

気になったのが長尾さん、今回、あまり良くない気がしました。「室町無頼」や「おいしくて泣くとき」ではいい味出していて良かったのですが、今回、こういう役だからとは思うけどおどおどしていてセリフ回しに感情が感じられませんでした。どうしたのかしら。

 

もう一つ、演出で警察が最後の方でバタバタっと入ってきて引っ掻き回していましたが、もう少し前の殺人があって直ぐの頃から出てきても良かったのかなと思います。それに風船のこともワザとだとか警察が言っていましたが、わざとやる意味あるのかしら。普通に転がればいいだけでしょ。ちょっとおかしい部分がいくつかありました。今もあの警察のセリフ、納得が出来ません。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。但し、自分で内容を解釈して納得しないとモヤモヤが残ってスッキリしない映画だと思いました。長尾さんと山田さんという、今の若手トップというようなお二人が主演でしたが、その良さがあまり生かされなかったようにも思いました。少し勿体ないけど、私は楽しめました。賛否が分かれる作品です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「恋に至る病」