愚か者の身分 原作小説 西尾潤 大藪晴彦新人賞 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「愚か者の身分」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

タクヤとマモルはSNSで女性を装い、個人情報を引き出して戸籍売買を行っている。闇バイトを行う組織の底辺として働かされていたが普通の若者だった。タクヤは自分を闇ビジネスに引き入れた梶谷の手を借りマモルと共に裏社会から抜け出そうとするが。

というお話しです。

 

 

SNSで女性を装い、言葉巧みに身寄りのない男性たちを誘って個人情報を聞き出し、戸籍を売らせるという仕事をしているタクヤとマモル。タクヤは自分も戸籍を売り、金を工面してからこの世界に入ることになった。マモルはタクヤに誘われ、この仕事を始めたのだ。

彼らは劣悪な環境で育ち、気が付けば闇バイトを行う組織の手先になってしまっていた。だが、闇ビジネスに手を染めているとはいえ時にはバカ騒ぎもする二人は、ごく普通の若者でありいつも一緒だった。



 

組織は臓器ビジネスにも手を広げ始め、タクヤに臓器を取れる人間を探させ始める。そんな中、タクヤは自分の兄貴分である佐藤にある裏仕事を依頼され、この仕事は危ないと感じながらも断れずに協力してしまう。

絶対にヤバいと感じたタクヤは、闇ビジネスの世界に入るきっかけとなった兄貴的存在の梶谷の手を借り、マモルと共にこの世界から抜け出そうとするのだが。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、予告を観ている時からキツそうな内容だなと思っていたのですが、本当にキツい映画でした。何でこんなに若い子たちが苦しんで悪いことをしなければ生きていけなくなってしまったのか、申し訳ない気持ちになりました。

 

よくよく考えるとバブル後に”やったもん勝ち”という風潮を作ったからだと思うんです。小泉竹中路線で派遣社員が自由になり、安い労働力を奴隷のように使って悪いことをしても儲けた者勝ちにしてしまったから、平気で悪いことをする人間が増えたんですよね。貧富の差も大きくなり、富める者はもっと裕福に貧しい者はもっと貧しくなって、這い上がれない状態でしょ。

 

 

このタクヤとマモルは20歳になるかならないかという設定だと思うけど、二人とも親の影が全く無くて虐待を受けていたらしいんです。こんな子たちが悪い大人の餌食になって、犯罪に手を染めていくなんて間違っていますよね。子供を使って金儲けをすることを平気で出来る人間って何なんでしょ。本当に腹が立ちました。

 

昔から闇ビジネスはあったんだと思いますが、こんな子供にやらせるなんて無かったと思うんです。昔は今のように一般人が犯罪で儲けようとするとヤクザ組織があって止めていたと思うんです。悪い奴はいたけど、一般人に迷惑が掛からないようにしていた時代もあったのに、暴対法が出来て抑えてしまった分、街中の若者が平気で薬物を売ったり、外国人が幅を利かせてきたりしたんですよね。暴力団を抑えたなら、その分、警察を増やして警戒するべきなんですけどね。

 

 

この映画でも闇ビジネスをしているのはヤクザなどではなく半グレと言われるグループで、抜けられないように暴力で支配して、下っ端は捨て駒なんです。なので、殺すのも平気なんですよ。既に戸籍は売っているのでいなくなっても解らないんです。怖い話ですよね。

 

一度、この闇バイトに入ってしまうと、全てを支配されてしまうので抜けられなくなっちゃうんです。冷静に考えれば、警察や保護施設に駆け込むことも出来るんだろうけど、若い子はそんなことが出来ることも知らずに、もう逃げられないと思ってそのまま続けてしまうんです。搾取されるだけされて廃棄される。そんな感じなんです。

 

大体、短時間で何万円も稼げるなんてヤバい仕事に決まってるでしょ。そんなのに引っかからないで、他の高給バイトを探せばいいでしょ。高給ってことは大変な仕事なんだろうけど、それが対価なんだから仕方が無いでしょ。もし元気あるなら資格を片っ端から取ることです。唯の紙だけどその資格で高給が取れるようになります。どんな資格でもいつかは役に立ちます。

 

 

映画に戻って、タクヤとマモルは戸籍売買をやらされていましたが、タクヤは臓器売買を手伝うようにいわれるんです。それも中国から来た人間が日本で手術をするために臓器が必要だというんです。ちょっといい加減にしろよって思いました。中国人は中国でやってよ。

 

臓器売買は中国が国の政策でやり始めたんでしょ。あ、政策って言っちゃいけないのかな。裏の仕事として国が管理して臓器を集めているんでしょ。もう証人も出てきてるじゃないですか。中国の方は自分の国でやってください。何故、日本に来るんだよ。自国が臓器売買の先進国でしょ。

 

これ原作が西尾潤先生の同名小説なんです。小説家の先生はちゃんと取材をして調べてから書かれているので、本当にこんなことがあったのでしょうね。まったく同じではないにしろ、似たようなことはあったんだと思うんです。こんな風に若者が食い物にされてしまうなんて悲しすぎると思いました。

 

 

でも、背に腹は代えられない、食べていけなければ何か仕事をしなければならず、履歴書や身分証が無ければ闇バイトに行くしかないのが現状なのではないかと思います。そういう人たちが駆け込めるような場所はないんですかね。昔は女性が苦しくなったら駆け込み寺があったように、現代でも弱い若者が逃げられる場所を作ってあげないと、犯罪の温床になってしまいそうな気がします。

 

まずは犯罪をする外国人の取り締まりを強化して強制送還してからですかね。そうすれば薬物も減っていくし、犯罪も減っていくと思いませんか?労働力が無いと言うけど、給料を上げればちゃんと働く人は出てきますからね。労働力はあるんです。対価を貰えないから働かないだけなんです。

 

うーん、あまり映画の感想にならなかったな。ごめんなさい。映画は凄く考えさせられるような内容で、落ちていく若者を誰も助けられないというお話なんです。どんなにもがいて抜けようと思っても、どこまでもずぶずぶとハマり込んでしまう。そんな世界が描かれていました。マモル役の林裕太さんが良かったなぁ。北村さんと綾野さんに挟まれて大変だっただろうけど、ちゃんと輝いていました。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。観ていて辛い映画だったけど、よい作品でした。こういう映画を観て、闇バイトは軽くやってみたりしてはいけませんよってことを知って欲しい。沼にハマり込む前に抜け出してください。この映画、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「愚か者の身分」