「さよならはスローボールで」取り壊しの決まった野球場で最後の試合。さぁ、ゆる~く始めましょうか。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「さよならはスローボールで」

 

を観てきました。Fan’s Voiceさんの独占最速試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

地元で長く親しまれてきた野球場「ソルジャーズ・フィールド」が、中学校建設のため取り壊されることになった。草野球チームの仲間たちは、週末ごとに通い続けた球場に別れを告げるために集まり、言葉にならない思いを胸に最後の試合を始める。

というお話です。

 

 

地元で長く愛されてきた野球場<ソルジャーズ・フィールド>は、中学校建設のためもうすぐ取り壊される。毎週末のように過ごしてきたこの球場に別れを告げるべく集まった草野球チームの面々。言葉にできない様々な思いを抱えながら、男たちは“最後の試合”を始める。

 

最初に野球場に現れたのは野球のスコアノートと椅子を持ったおじさん。いつもの定位置に椅子と机を置き、スコアノートを広げる。その場所だと球種が見難そうなのだが、長年その場所で見てきているので大丈夫なようだ。

 

 

そして今日試合をする草野球チーム2つの選手たちが集まり始める。いかにもおっさんという体型の人ばかりで楽しそうに集まってくる。彼らがこのフィールドで野球が出来るのは今日までなのだ。あって当たり前だった野球場が無くなるのは寂しいが、それぞれにとって野球は趣味であり、一番ではないのだ。そして野球が始まりゆるーい試合が続いていく。

 

楽しくて面白いが試合をしながらビールを飲む選手もいて、後半はベロベロに酔っぱらっている選手もいる。試合は進み最後の回までくるが、同点になってしまい、今日で最後の試合なので中断することも出来ない。決着を付けようと延長戦を始めるが、審判は定時で帰ってしまい、野球場のライトも点かない。真っ暗な野球場で試合を続けようとする彼らがとった行動とは…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

スポーツものの映画というと、どうしても試合に勝つとか、ライバルに勝つとか、激しい戦いをして勝利を収めるというのが当たり前のように思うけど、今回は全く違います。なんと、草野球チームがゆる~く最後の試合を続けていくという内容なんです。

 

どうゆるいかっていうと、選手が試合をしながらビールを飲んだり、くっちゃべってたり、何たって途中で用事が出来ると帰っちゃうという、マジでゆるすぎだろ~ってほど笑っちゃう試合の様子なんです。

 

一番ゆるすぎるって思ったのは、そこら辺を通りかかって野球を見ていたリーさんにピッチャーをお願いする場面かな。このリーさん、そこら辺のおっさん役なんだけど、実はレッドソックスなどで活躍をされていたビル・スペースマン・リーさんなんです。

 

 

そんな彼を連れてきて、通りかかったおじさん役で出て貰うっていう笑っちゃうでしょ。リーさんに1イニングだけ投げて貰い、その間にもう一人ピッチャーが出来る人を見つけるという、離れ業よね。ピッチャーが足りないなら「ねこピッチャー」を連れてこいって思ったのは私だけなんだろうな。

 

それぞれのチームの選手はそれぞれの事情があるんだけど、それでも趣味で野球をやりにこれるような余裕を持っている人たちなんです。そんな中流から上流の人々の集まりなので、とてもゆったりしているし、楽しい思い出を噛みしめるような余裕もあるんです。そしてちょっぴり、この場所を失うことに対して哀しみと寂しさがあるんです。

 

 

子どものための中学校が出来るということなので、大人たちにとっても喜ばしいことであるはずなんだけど、それでもやっぱり寂しいのよ。子供のためになることだからと思っても、一抹の寂しさがあり、諦めがあり、自分の時代が終わっていくのを感じたんじゃないかな。

 

もー、なんていうのかな、題名が”スローボール”だからというわけじゃないんだけど、時間がスローなのよ。野球の試合をしているにもかかわらず、ゆるーくまったりしていて、野球場であるその場所で、みんながゴロゴロ寛いでいるような、そんな雰囲気があるんです。

 

 

もちろん誰もが気を抜いているから、ヘマをするし、試合中にもかかわらずアホな話をしているし、必死で走っているらしいんだけど嫌に遅かったりするし、もうそのグダグダな試合がすごく面白いんです。ずーっと笑ってしまいました。本人たちは一生懸命やっているんだと思うけど、凄く面白いのよ。

 

この映画、30代から60代くらいの人に観て欲しいな。30代になり、自分がお父さんになって家族の為に働いているんだけど、休日は趣味の草野球で楽しんでいて、出来たら家族にも観て欲しいなと思っている姿があったり、もう60代になって姪っ子の洗礼に付き合うために試合を早引けしたり、そんなお父さんたちの生活が見えてくるんです。

 

 

そしてそんな彼らをフィールドの外から見ている観客の人たちが、また面白いのよ。興味が無いんだけど見てて試合中の選手に話しかけたりしちゃって、”サッカーを見に行け”と言われたりしちゃうのよ。他にも周りで好き勝手している観客が面白いんです。

 

この映画の面白さをどう伝えたらよいのかしら。ゆるーい草野球コメディというのがピッタリかな。群像劇なので、誰が主役とかは無いんだけど、その野球場が主役なのかもしれません。今思ったんだけど、野球場の精霊とかがいて、誰かが滑り込んだら、”そのデカい腹をこすりつけんなよ!”とか、”ツバ吐くなよ!”とか、”試合中に端っこで立ちショ〇ベンするなよ”とか、文句を言ったら面白いだろうな。ビールの空き缶も捨てっぱなしだったし、精霊がいたら怒っていただろうなぁ。(笑)

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。面白いです。今までありそうで無かった優しい映画です。ただ、おっさんが草野球をやっているだけのコメディ映画なんだけど、そのゆるさが頭の中を柔らかくしてくれます。秋に必要な栄養分をくれるような気がしました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「さよならはスローボールで」