「RED ROOMS レッドルームズ」
を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
少女たちを拉致、監禁、拷問し、死に至るまでを撮影してディープウェブ(通称・RED ROOMS)上で配信した容疑で逮捕された連続殺人犯ルドヴィク・シュヴァリエ。ファッションモデルとして活躍するケリー=アンヌのささやかな日課は、あまりにも残忍な犯行で世間を震撼させた彼の裁判を傍聴することだった。
というお話です。
「ローズモントの悪魔」と呼ばれる男、ルドヴィック・シュヴァリエの裁判が開かれていた。シュヴァリエは、少女たちを拉致、監禁、拷問、そして死に至るまでを撮影し、ディープウェブ(通称:RED ROOMS)上で配信し収益を得ていたとされる容疑でメディアを賑わせていた。
その裁判の傍聴に訪れていたケリー・アンは、モントリオールの高級アパートに住んでおり、モデルの仕事をしていた。そして裏ではオンラインカジノのプレイヤーであり大金を稼いでいた。
裁判に通ううちに傍聴していたレメンタインと知り合う。彼女はシュヴァリエのファンで彼が犯人ではないと信じており、お金がないのにヒッチハイクでやってきたらしい。ケリー・アンは彼女を家に泊め、一緒に裁判を傍聴するようになる。
裁判を傍聴するうちに事件にのめり込むケリー・アンは被害者の一人であるカミーユに執着する。彼女のビデオだけまだ見つかって無かったのだ。カミーユのビデオを探し、彼女が住んでいた家を特定しストーキングまでするという狂気じみた行動をとり始めるケリー・アン。裁判の先に観たものとは何だったのか。後は、映画を観てくださいね。
この映画、怖かったです。凄く怖いんだけど、映像で人が傷つけられたり、何かが起こったりは一切しません。ただ、こんな事件があって、その容疑者は”こいつ”だとなり裁判が開かれるというだけなんです。そんな中で、裁判を傍聴し始めた主人公のケリー・アンは、段々とその事件にのめり込んでいくんです。
ケリー・アンという人物が問題なんだと思うけど、彼女はモントリオールの高級マンションの高層階に住んでいて、モデルの仕事をしているんです。容姿端麗、背も高く、選ばれた人間という感じ。部屋は殺風景で家族との交流も無く、まるでモデルルームに住んでいるようでした。市販されているAIを自分独自で教育をし直して、AIと生活をしているようなんです。
IQがとても高く数学的に優れているのか、オンラインカジノの特性を掴んでいて、凄い稼いでいてそれで生活をしているようでした。カジノでは他の人々を出し抜いて勝っていくことが快感のようで、常に相手を倒すことが目的のようでした。まぁ、ギャンブルってそんなもんですよね。
そんな頭の良い彼女が、何故こんな事件に執着し始めたのか。はっきり言って結論は出ません。でも誰からも憧れられるような容姿を持っていて、孤独だけどお金も苦労せずに稼げて、彼女には刺激になるようなモノが無かったんじゃないかと思うんです。だからオンラインカジノにハマっていて、そんな時にこの残虐な事件にぶつかったんじゃないかな。
この犯人は、まだ13歳のような少女を拉致・監禁して残忍に殺し死体を損壊して、その一部始終をビデオに収めて、そのビデオを「レッドルーム」という裏サイトで販売したんです。その「レッドルーム」は、ダークウェブでヤバいビデオなどを配信で販売していたらしいんです。そのビデオが見つかって、シュヴァリエという人の家を捜査したところ死体が3体見つかったんです。
ただ、見つかったビデオに映っていたのは覆面をした人間なのでシュヴァリエかどうかの証拠に出来ず、その特徴から犯人だろうという特定なので容疑者のままなんです。ケリー・アンは、そんなシュヴァリエに興味を持ったようなんです。自分が好きなモノを捕まえて拷問して殺してバラバラに解体するということが、彼女にはワクワクすることに思えたんじゃないかな。
途中からマジでのめり込んでいるようで、殺された少女の学校の制服を着て髪や目の色まで真似て、被害者カミーユのコスプレで裁判の傍聴をするという場面があり、ゾッとしました。殺す方も興味があったけど、シュヴァリエに殺されることも夢に見ちゃったんじゃないかな。事件にのめり込んだことでその異様な姿が報道に映っていてモデルの仕事を解雇されていました。
そうなる前に、モデルのエージェントが裁判通いの異様さに気が付いてケリー・アンにいい加減に辞めるようにと警告をしていたんです。まぁ、当たり前ですよね。一緒に仕事をしている人が明らかにおかしな行動をしていれば警告をしますよ。でもね、ケリー・アンは自分がおかしくなっていることに気が付かなかったんじゃないかなぁ。
私が思うに、最後まで行って(最後にキモいことをします。)やっとスッキリしてこの事件を終われたんじゃないかな。でも、こういう人だから、また新しい興味惹かれる事件があれば、同じようなことをするような気がしました。マニアってそういうもんでしょ。最後にどうなるかは関係なくて、そののめり込んでいく過程が恐ろしいんです。誰も止められないんです。
クレメンタインという女性が出てきますが、彼女も事件にのめり込んでいたけど常識的で精神が健康的な人間なんです。なので、こういう事件があって、その容疑者、被害者、被害者家族、そして犯人は誰なのかということを理解した上で、シュヴァリエという人物のファンなんです。一時的に彼は犯人じゃないと思っていても、証拠やら状況が解ってくれば理解が出来るんです。
そんなクレメンタインとは対照的に、ケリー・アンはシュヴァリエが起こした事件に興味があり、それによってもたらされる高揚感や快楽を同じように共用したいと思ったのかなと思いました。なので、彼女がのめり込んでいく姿を観ているだけで、怖くなりゾッとしたんじゃないかなと思いました。
この映画は一般的なホラーとは違うホラー映画だと思いました。のめり込むケリーを観ているこちらものめり込んで、その高揚感や快楽を味わってみたいと思ってしまいそうで怖かったです。あちらには行かないと思ってもグロテスクな世界を覗きたいという自分もいて、人間の好奇心のどす黒さを感じました。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。恐い映画が好きな方には超!超!お薦めです。グロテスクな場面は一切無いのに、こんなにもグロい感覚を味わう映画を始めて観ました。これはカルト系映画祭で話題になるのは当たり前ですね。面白いです。何かにハマるという感覚の怖さを描いてくれていました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「RED ROOMS レッドルームズ」