バード ここから羽ばたく | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「バード ここから羽ばたく」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

郊外の下町で、シングルファザーのバグと暮らす12歳の少女ベイリー。孤独を募らせていた彼女は、草原で服装も言動も奇妙な謎の男・バードと知り合う。バードの持つピュアな何かを感じ取ったベイリーは両親を捜しているという彼を手伝うことになるが。

というお話です。

 

 

12歳のベイリーは父親のバグと異母弟のハンターと一緒に住んでいます。ある日、バグは3ヶ月前に知り合った女性ケイリーと婚約すると言い出します。そして翌土曜日に結婚式を挙げるといい、いきなりそんな事を言われ、ベイリーはショックとイライラで、自分は出席しないと言って家を出ます。

 

その日遅く、ベイリーはハンターが自警団の友人たちと出かけることを知り、こっそり付いて行くと彼らが家に押し入り、カッターナイフで男を脅すのを目撃する。警察が駆け付け、驚いたベイリーは必死で逃げて、草むらで一晩眠りに落ちてしまいます。

 

 

翌朝、目を覚ますとベイリーはバードと名乗る謎の男に出会います。彼は母親を探しているらしく、彼と共に母親探しを手伝うのですが見つかりません。バードの母親は彼が子供の頃に行方不明になったらしく、唯一の手掛かりがこの集合住宅に住んでいたという事なんです。

 

ベイリーは彼の為に一緒に探すことを提案し、その場所ならベイリーの母親が何か知っているかもしれないと言って、自分の母親ペイトンの家を訪れる。ペイトンはバードの父親の名前は憶えており知らせるが、彼女の今の夫が暴力的でベイリーやバードにまで暴力を振るい、怒ったバードがある行動に出る。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、掴みどころがないような映画なんだけど、最後に救いを見たようなしあわせな気持ちになる映画でした。主人公のベイリーは、マジで酷い家庭環境なんです。父親バグと暮らしていて、異母弟もいて、バグはまた新しい恋人を連れてきて結婚すると言うんです。どんだけいい加減なんだよって言いたくなるけど、親の恋愛に子どもは関係ないようでベイリーは振り回されっぱなしなんです。

 

若くして子供が出来てしまい、結婚したけど直ぐに離婚してということを繰り返してきたんじゃないかな。親は好きに生きていていいけど、子どもにとっては迷惑な話ですよ。まだ12歳なのに学校に行っているのかどうかわからないような状態で、ちゃんと教育を受けているのか、生活は出来ているのか、不思議な家族でした。

 

 

バグは全身にタトゥーが入っていて、ちゃんとした仕事を持っているのかも解らず、なんだかいつもワイワイしているように見えて不思議でした。イギリスの田舎はこんな適当な感じでも生活していけるのかな。働いているように見えないけど、お金に不自由しているようにも見えずおかしいんです。

 

そしてバグの元妻でベイリーの母親のペイトンは、結構、近くに住んでいて、既に新しい男性と暮らしていて、子どもも3人くらいいるんです。DV夫のスケートはいつも癇癪を起こしては暴力を振るっているんです。ベイリーを邪魔にはしませんが、あまり好きではないようでした。まぁ、妻の前の結婚の子どもですからね。でも、自分の娘たちもそんなに可愛いと思っていないようでした。

 

 

ベイリーは父親も母親も近くにはいるんだけど、どちらも頼りにならなくて、いつも二人の為に手助けをしているようでした。弟妹の面倒はベイリーがみているし、親は一体何をやっているんだと思うんだけど、何なんでしょうね。現代はこんな家族も多いのかしら。子供を産むだけ生んで、その面倒は人頼みってどーなのよ。何だかもう少し大人がしっかりしようよって思いました。

 

そんなベイリーの前に突然に現れたバード。お母さんを探しに来たんだけど、お母さんは見つからずお父さんも違ったようで、手掛かりが無いんです。彼もまた、親に護られることがなかった子供だったんです。そんな彼に近いモノを感じて、バードと一緒に母親探しをするベイリー。年齢は随分違うのだけれど、バードの純粋さにベイリーは惹かれます。あ、でも男女とかいう話ではないですよ。

 

 

ベイリーの母親ペイトンの家に行き、バードの母親の情報を聞いていると、ペイトンの今の男スケートがまた暴力を振るったりして、飼っている犬を殺してしまうんです。ベイリーもベイリーの異父姉妹もショックを受けて、とうとうバードも怒るんです。

 

きっとベイリーが見たのは妄想の中のバードだったと思うんだけど、彼が助けてくれるんです。きっとベイリーにはバードがヒーローに見えていたんじゃないかな。困っていたら助けてくれる優しい人だけど、彼も親に捨てられ一人で生きて来た人なんだと知っているから、彼のように自分もなれるんじゃないかなって思ったんじゃないかな。

 

 

家族がいて一緒に暮らしているけど、人間はみんな一人。頼るのではなく自分で生きていくんです。そして鳥のように巣立っていくことが出来るんだと教えてくれているような気がしました。ベイリーは、ずっと家族に縛られてしまうのかなと思っていたんだと思うんです。でも、バードに出会ったことで、羽ばたく自信を持ったんじゃないかな。

 

ベイリーさんは新人の少女だったようですが上手かったです。バードをフランツ・ロゴフスキさんが演じていて雰囲気が良かったな。「水を抱く女」「希望の灯り」でも凄い存在感を残しているけど、今回も彼だからこそのバードだったように思います。バリー・コーガンさんは若い父親として面白かったけど、こんな父親は嫌だと思うような人だったなぁ。(笑)

 

撮影に16ミリフィルムとスマホを使ってアナログとデジタルの映像を組み合わせて使っているので、何とも言えない雰囲気が出ていたのだと思います。素敵でした。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。観始めると、一体何をやりたいのかなと思うような内容なのですが、バードの出現により段々とそれが一つにまとまって行き、ベイリーという少女が一人で生きていく強さを持つというお話だったのだと思います。素敵でした。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「バード ここから羽ばたく」