ふつうの子ども | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ふつうの子ども」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

10歳の小学4年生・上田唯士は両親と3人家族で、ごくふつうの男の子。最近は、同じクラスの三宅心愛のことが気になっている。環境問題に高い意識を持つ子だが、彼女はクラスの問題児・橋本陽斗にひかれている様子。そんな3人の“環境活動”は、次第に親たちも巻き込む大騒動へと発展していく。

というお話しです。

 

 

上田唯士10才、小学4年生。生き物と駄菓子が大好きな小学4年生。今日は授業で宿題の作文を発表する日。みんなが自分の身のまわりのことを書いてきた中で、ひときわ異彩を放つ子どもがいた。

 

「私は大人の言う事を聞きたくない。」というタイトルの作文を読み上げたのは三宅心愛。地球温暖化に警鐘を鳴らし、環境破壊への危機感を訴える。「大人は地球をめちゃくちゃにしたくせに反省もしていない。」毅然と読み上げる心愛の姿に唯士の目は釘付けになった。

 

 

その日から心愛に近づきたい一心で環境問題を勉強し、積極的に話しかける唯士。動機はともかく熱心な唯士に心愛も少しづつ心を開いていく。そんな二人の間に割って入ってきたのは橋本陽斗だった。能動的な陽斗に触発された心愛は、「大人の意識を変えるためには、何か行動を起こさなきゃ。」と3人で話し合うことを提案する。

 

3人は行動を起こすことにし、「車を使うな。」などのビラを街中に貼ったり、車の排気口に布を詰め込んだりし始める。そんな環境活動はエスカレートし、肉屋にロケット花火を打ち込んだり、牧場の柵を壊したりと子供のいたずらでは済まされない大きさになり…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

いやぁ、この映画、凄かった。ふつうであることがこんなにも面白いのかって思える素晴らしい映画でした。いいキャストを連れてきましたね。唯士くんのぼんやりした雰囲気が最高でした。なんたって、”ふつう”という言葉を絵にしたような男の子。

 

だけどどんな子供よりもバランスが取れていて、親に愛情をもって育てて貰っているんだなというのが現れているようなキャラクターなんです。これは脚本が上手いんだなぁと思いました。高田さんの脚本って、日常の風景の描き方がいいんですよね。ふつうに見えるんだけど、普通じゃないんです。

 

 

もちろん呉監督の描き方も上手いんだと思うけど、セリフが無い場面の目線や態度を捉えているのがとても面白くて、あー、子どもってこんな感じだよなぁ、嘘ついてるのが判っちゃうんだよなぁというのが描かれているんです。もー、このバレバレな目線や態度が本当にかわいいと思っちゃうんです。でも、実際は子どもの嘘の付き方って上手いから大人には判らなかったりするんだけどね。

 

内容なんですが、クラスの心愛ちゃんが何故かとても環境問題を勉強していて、先生が驚くような環境問題の作文を書いて来たんです。子どもたちのほとんどは人の作文なんて聞いていないんだけど、唯士だけは心愛があまりにも毅然とした態度で読んでいてカッコいいと思ったんじゃないかな。そして心愛を好きになって、環境問題を勉強し始めるんです。

 

 

この環境問題、CO2削減、地球温暖化、SDGs(持続可能開発目標)などを訴えているんだけど、このCO2削減は解るし、温暖化を抑制したいのも解るけど、SDGsって何なのよ。これ環境問題じゃないんだよね。いや、環境問題も含んだ人類の目標なんだけど、こんなの持続可能じゃないでしょ。バカな事言ってんなって内容で今も騒いでいる日本の企業に呆れます。

 

詳しい内容は映画とは関係ないのであまり書きませんが、一方を進めれば一方が壊れるというキレイ事だけの内容なので日本以外は取り入れていません。始まって既に10年になるのに何も進まず、戦争まで始まっているのに本末転倒なんです。こんなことを子どもに考えさせるなんて政治が悪いとしか思えません。

 

 

映画に戻って、そんな環境問題を理路整然と訴える心愛。なんでこんなことを勉強し始めたのかなと思ったのですが、彼女の母親を見て、母親に同等に扱って欲しくて、かまって欲しくて勉強したのかなと思いました。仕事が忙しそうな母親は”子ども”としてしか心愛を見ていなくて、心愛の気持ちを聞くこともせず、あまり相手にしていないんじゃないかなと思いました。

 

あの、子どもに地球温暖化だからCO2を減らそうなんて考えさせるような大人はダメです。大人が解決すべき事で、子どもに心配させるなんて大人失格です。本当に私たち大人は何の責任も取っていないんです。ごめんなさい。申し訳ないと思いました。CO2を減らしたいなら樹を植えるのは当たり前なのに、何故か樹を切ってソーラーパネル敷き詰めて発電しているから環境に優しいなんてアホな考えを勧めた奴を捕まえて首絞めてやりたいっす。

 

 

そんな環境問題を勉強しはじめた唯士ですが、唯士は環境問題を考えている訳では無く心愛ちゃんが好きで、彼女のことを考えているだけなんですよ。CO2なんてどーでもよくて、心愛に振り向いて欲しいだけ。かまって欲しいだけ。そんな唯士、もうかわいくてかわいくて、大笑いしちゃいました。

 

唯士はマジで子どもらしい子どもです。サラリーマンの父と専業主婦の母と一人っ子の唯士。両親は唯士をかわいがっていて、出来るだけ伸び伸びと育って欲しいと考えていそうでした。母親は唯士の話も聞き、宿題にも協力するなど、それこそふつうの母親っぽかったです。でもこんな家族は貴重なのかもしれません。

 

もう一人、陽斗という少年が出てきます。どちらかというといじめっ子で活動的。少し先生も手を焼くような子です。見た目がカッコいいので心愛も陽斗の方に惹かれて、一緒に環境問題の活動をし始めます。

 

 

でも、この陽斗は脳で考えるタイプではなく、行動してしまうタイプで、色々とやってから恐くなっちゃうんです。家庭も両親と兄弟が3~4人いたのかな。長男だからしっかりしてそうなんだけど、ちょっとダメダメでしたね。親もモンペアっぽかったです。一番ワイワイするけど逃げるのが陽斗でした。こんな子は仲間にしたくないな。結構、大人になってもこういう人いるよね。

 

この映画、本当に面白かったです。全然宣伝していないみたいだけど、これは映画好きなら必見だと思いました。いや、映画好きでは無くても、観て欲しい作品です。そして大人が子どもたちにこんな心配させていることに申し訳なく思うべきです。日本が停滞して30年、何もしなかったツケがここで来ているんです。もう逃げられません。何とかしなければ子どもが生きていけません。可愛そうです。未来のために目先だけではなく、正しい判断が出来る人に政治をして欲しいです。

 

 

私はこの映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。これは今期最高の映画かもしれません。「国宝」が一番かと思っていたけど、この映画も匹敵するほどよい映画です。まったくジャンルは違うけどね。(笑)ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ふつうの子ども」