「ブラックバッグ」情報戦のスパイ映画なので静かな戦争でした。時々ゾッとして時々笑えました。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「ブラックバッグ」

 

を観てきました。最速試写会にFan’s Voiceさん枠で当り、観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

イギリスの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)の諜報員ジョージは、世界を揺るがす不正プログラム「セヴェルス」を盗み出した組織内部の裏切り者を見つける極秘任務に乗り出す。容疑者は諜報員の5人。ある夜、ジョージは容疑者全員をディナーに招待し食事に仕込まれた薬とアルコールの効果で、容疑者たちの意外な関係性が浮かび上がる。

というお話です。

 

 

イギリスの国家サイバーセキュリティセンター(NCSC)のエリート諜報員ジョージ・ウッドハウスは、「セヴェルス」という世界を揺るがす不正プログラムを盗み出した組織内部の裏切者を調査するために上司のフィリップ・ミーチャムから1週間の時間を与えられる。

容疑者は5人、ジョージの友人4人とジョージの愛妻である凄腕諜報員キャスリンだった。ジョージはNCSC工作員である他の4人の容疑者を夕食に招待する。衛星画像の専門家であるクラリサ、彼女の恋人で諜報担当官のフレディ、防諜官のジェームズ、局内カウンセラーのゾーイの4人だ。そしてもう一人はジョージの妻キャサリン。



 

ジョージは腕を振るって料理を作り、夕食に抑制力を下げるための薬を入れて彼らに振るまったのだ。その上、酒の力も入りジョージが提案したゲームにより、誰もがその心の中の問題を掃き出し始める。そしてクラリサがフレディの浮気を責めて暴力沙汰に発展してしまう。その同じ夜、ミーチャムは自宅で飲酒中に心臓発作で亡くなってしまう。

ジョージはキャスリンに疑いの目を向け調査を始め、彼女の出張先をスパイ衛星で覗くとロシア反体制派の人物と会っている姿が。決定的な映像を見てしまったジョージは…。後は、映画を観てくださいね。


 

スティーブン・ソダーバーグ監督の新作映画です。前作とは打って変わって、スパイ映画です。と言っても、トムちゃんや007のようなアクションバリバリの映画ではなく、諜報戦というのかな。デジタル時代ですから情報を手に入れて偽の情報を流したりと、静かな戦争なんです。もちろん、ちょこっとは銃で撃ったりはありますけどね。

 

諜報員のジョージは上司から「セヴェルス」というプログラムを組織内から持ち出した裏切者を探すようにという指令を受けます。その容疑者は友人4人と彼の妻なんです。ジョージは妻のキャスリンと仲が良く、別れるなど考えられない夫婦のつもりでしたが、妻には秘密があるのかと不安になります。

 

 

容疑者を集めて情報を引き出そうとジョージは自宅に4人を招き、妻キャスリンと6人での食事会を開きます。お料理はジョージがするので、料理に自白作用のある薬を入れて食べさせ、言いたいことを言わせるんです。そしたらセヴェルスの事じゃなくて4人の恋愛関係のゴタゴタを話し始めちゃって、大騒ぎになるんですよ。

 

なんたって諜報部員=スパイですからその行動たるや凄いんだと思うんですよね。スパイだから浮気をしても隠し方がハンパなく上手かったり、でもスパイだからどこかから情報を手に入れて浮気を見つけたりと、なんか「おとなの事情」って映画があったでしょ。あんな感じなのよ。もっとシビアで冷たいんだけどね。どこまでも情報戦で、恋愛でそんな事したら続かないっつーの。

 

こんなコメディ風ではないんだけど、浮気した!してない!って言い合ってるのがあまりに真面目で真剣なので、反対に面白くなっちゃって”おとなの事情”みたいだなって思いました。でも怖かったですよ。スパイですからね。

 

 

で、なんだかあまり情報は取れなかったなぁなんて思っていると、キャスリンの行動が怪しくなっていくんです。夫婦でスパイだから、何が嘘で本当なのか分からないですよね。ジョージはキャスリンを愛しているから彼女のためなら組織を裏切ってでもっていう思いもあって、ちょっとどうしようと慌てていたと思うけど、それはもちろん表情には表しません。だってスパイだもん。

 

なんかごめんなさい。真面目なスパイ映画なんだけどどいつもこいつも私生活が酷いのよ。こういう仕事だからストレスが大きいのかもしれないけど、もう少し性欲を抑えようよ。だってジョージとキャスリンはいい夫婦やってんだからさぁ。それに”セヴェルス”がマジで流出したら核施設の制御が出来なくなってメルトダウンするんでしょ。もう少し真面目に考えようよね。

 

 

真面目なサスペンスミステリーなんだけど、どーも私には笑える部分が見えてしまって、つい楽しんでしまいました。はっきり言って、ソダーバーグ監督はドキドキするカッコいいスパイ映画を作ってくださったんです。確かにそうなんだけど、部分部分の内容を考えると笑っちゃう痴話げんかがあるんです。

 

そんなバランスの面白さもよいのかもしれませんね。だって彼らの上司スティーグリッツとしてピアース・ブロスナンですよ。それもイギリス諜報部関係だから、007も定年を迎えて下の組織に天下りしたのかしらとか考えてしまうわけですよ。若い頃はブイブイいわせてたのに、今は裏でドロドロしてるのねって思っちゃった。

 

 

私は結構笑える映画でした。面白かったです。これ関係性を先に公式サイトやチラシなどで見ておいてから映画を観ないと、頭の整理が出来ないかもしれませんね。内容も簡単に読んでおかないと付いていけないかもしれません。どんどん進んで途中で脱線するので、何がメインだったかしらってなるかもしれません。なのでメインは「セヴェルス」を誰が盗んで横流しをしたのか。最後にはどう解決するのかがメインです。諜報員たちの浮気やら恋愛はお楽しみと思ってください。

 

それさえ押さえておけばこの映画は楽しめると思います。ブラックバッグとは機密任務という意味です。そしてセヴェルスとは核施設を思うように操作出来るシステムのようでした。そんなに難しい専門用語は出てこないので大丈夫だと思います。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。これ賛否が分かれると思いました。私のように”諜報員たちの性欲って凄い”とか”浮気すなよ”とか”夫婦仲良くていいなぁ”とか、真面目な映画なんだけど部分部分で笑って観ていると楽しめると思います。全部を必死で観ていると受け入れがたい方もいるかもしれません。まずは、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「ブラックバッグ」