「グラン・ブルー 完全版 4K」美しい映像で復活です。海の中はまるでイルカさんの王国のようです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「グラン・ブルー 完全版 4K」

 

 

を観てきました。Fan’s Voiceさんの独占最速試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

1965年、少年時代にギリシャの海辺で出会い、潜水の腕を競い合ったジャック・マイヨールとエンゾ・モリナーリ。ジャックは父子家庭で父が海士をしていたのだが、ある日、酸素を送る機械が故障し父親が亡くなってしまう。

 

1988年、大人になったエンゾは、素潜りで深度を競うフリーダイビングでチャンピオンとなり名を馳せていた。ある日、難破船を調査していた保険会社の調査員が事故で難破船の中に閉じ込められてしまう。そこへ現れたエンゾは助けるが高額な費用が掛かるとふっかけ、見事調査員を助け出す。大金をせしめたエンゾは弟に”奴(ジャック)を探せ”と指示をする。

 

 

ジャックはペルーで冷水浸漬に対する身体反応の研究の実験体として、人間の生理学の研究に参加していた。そこへエンゾから連絡があり、フリーダイビングの大会に誘われる。ジャックは久しぶりにエンゾと再会し、そこでペルーで知り合った保険会社の女性ジョアンナとも再会する。

 

フリーダイビングでの勝負に燃える情熱的なエンゾと、イルカと対話し海と心を通わせるように潜る孤高のジャック。ふたりは競い合いながらも互いに影響を与え合う。そしてジャックは彼に想いを寄せるジョアンナとの関係に戸惑いながら、海への憧れと人間世界との狭間で揺れ始める。

 

ある日、ジャックは人間の限界に迫る120mという記録を打ち立てる。負けず嫌いのエンゾは、なおもその記録に挑み続けようとするのだが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

1988年に公開されたフランス・イタリア映画の「グラン・ブルー」が4Kで再上映されるとのことで、Fans’Voiceさんの試写会に参加させていただきました。いやぁ、私の中では伝説のグラン・ブルー。何度観たことか。

 

でも、劇場で観たことはほとんど無いんです。再上映でデジタル・レストア版の時に観たんじゃないかな。でも何度も何度もビデオやDVDで観て、スキューバーダイビングもライセンスを取って始めたほどでした。さすがに潜水士は取らなかったけどね。

 

そんな大好きな映画が再上映とのことで、とても楽しみに行ってきました。今観ても全然色あせず、凄く面白いんですよ。現代のペラッペラなラブストーリーや友情物語とは違い、何度観ても新しい発見があるほど深い物語でした。今回も感動だったなぁ。俳優さんたちの表情も素晴らしいんだけど、何故かイルカさんたちにも表情があって、凄くかわいいのよね。

 

 

イルカの声は後付けだろうけど、1988年に公開だからCGは使ってないだろうと思うのよ。あんなに楽しそうに泳いで人間と絡んでいるイルカたちって珍しいですよね。ホント、この映画を観ると、イルカさんと一緒に泳ぎたいとか、触ってみたいとか思うと思います。

 

ジャン=マルク・バールさんもジャン・レノさんも若かったなぁ。私、東京国際映画祭でジャン=マルク・バールさんが来日されたことがあって、その時にサインをいただいたんです。ああー!ジャックだぁ~!と思ったけど、他の映画の宣伝でいらしていたのでジャックとは言えずでしたが、あまりの感動に涙目になってしまいました。映画撮影時はきっと20代半ばだったと思いますが来日された時は50代だったのかな。素敵なおじさまでした。

 

 

さて、一応、内容について書いていこうかな。実在の人物、ジャック・マイヨールとエンゾ・モリナーリの実話を随分と脚色してフィクションにしたものです。実際にはそんなに深くは潜っていないし、お二人とも元気に晩年まで生きておられました。ジャック・マイヨールさんは悲しい亡くなり方でしたが晩年は寂しい生活だったようです。子供の頃は日本で夏を過ごしていたらしいですよ。

 

ジャックとエンゾはフリーダイビングで競っていて、それに命を懸けていると言ってよいほど真剣に戦っていたと思います。そんなジャックを好きになり、付き合っていたジョアンナ。女としては自分に振り向いて欲しいという気持ちが痛いほど解るんですけど、のめり込んでいる人間に恋愛で振り向かせようというのは難しいと思いました。

 

ダイビングに夢中ではあっても、ジョアンナの事は愛していたと思います。でもね両方は無理なんです。必ずどちらかがおろそかになっちゃう。どうしても自分に向いて欲しかったらダイビングを辞めて貰うしかないんです。それが無理なら、ダイビングに夢中なジャックをそのまま愛するしかないんです。

 

 

映画の中で「子供は女が育てるもの」みたいなセリフがあったけど、現代では「子供はひとりで育てるもの」であり、男女は関係なくなってますよね。男女区別なく、仕事にのめり込む方とその後ろから補助(子育てなど)をする方に分かれていませんか。分担してと言うけど、どうしてもどちらかに比重が傾きますもん。難しい課題ですね。

 

エンゾはカッコ良かったなぁ。お母さんが強すぎて結婚出来ないと言ってたのが面白かったです。イタリア人はファミリーが大切なんですね。大家族でどの大会にも家族みんなが来ていて、みんなでパスタを食べてたのが印象強いです。映画の中でエンゾママが作ったパスタが出てくるんだけど、具があまり無くて、イヤに白くて太いパスタなのよね。茹ですぎみたいなんだけど、美味しいのかなぁ。日本はアルデンテっていうけど、イタリアは違うのかな。

 

 

再上映だし、ネタバレしても良いかしら。ここからネタバレなので、もし読みたくない方はここで辞めてください。

 

ジャックが120mの記録を出してしまい、エンゾがその記録を破ろうと無理をして水圧で身体がダメになって死ぬんです。その前に、ジャックは120mの記録カードを出した後、エンゾの顔を見て失敗したという顔をしているんです。エンゾの負けず嫌いの性格なら必ず破ろうと無理をするのが解ったんじゃないかな。あの顔は忘れられません。記録は出したいけど、出さなければ良かったと思うって、本当に複雑ですよね。勝負の世界は難しい。

 

エンゾを海に送り出して、その時にジャックも身体が水圧でボロボロになってしまい自分も海に還る選択をするんです。人間の身体は深く潜れば潜るほど水圧で押しつぶされますから。肺はもちろんのこと、他の内臓や肉だってギューっとされちゃうので、地上に上がればその圧力が無くなりポンッと崩壊しちゃうよね。ジャックが海に行ったのは身体の事が原因ではないけど、きっと身体もボロボロだったと思います。

 

 

スキューバダイビングをしていた時、潜っていると段々と気持ち良くなってきて、海の中で上下が解らなくなることがあるんです。人間の身体って半分以上は水だというから、海水に入っていると浸透して気持ち良くなるのかな。そうなるともうジャックのように、地上に戻る必要があるのかなと思っちゃう気持ちが凄く解るんです。あのセリフを聞いた時、ああー解かるなぁと感じましたい。

 

そうそう、私、あまりジョアンナとの恋愛を好意的に書いてなくてごめんなさい。私はジャックと同じで、何かに夢中になると恋愛はどうでもよくなっちゃうタイプなんです。まとわりついてこられるとウザいって思ってしまうので、きっとジャックも耐えられなくなったんだろうなと思ってしまった。きっとジョアンナのことを愛していたのは本当だと思うのよ。でも目の前のことを辞められないんです。不器用なの。それを解ってくれる人でないと一緒にいられないんです。

 

 

ああー、長くなっちゃった。ついつい好きな映画だと書いちゃう。ごめんなさい。ここら辺で終わりにします。

 

私はこの映画、超!超!超!お薦めしたいと思います。私の映画好きの原点になる1本がこの映画です。何本かあるけど、その中の1本。大好きですし、ずーっと観ていきたい映画です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「グラン・ブルー 完全版 4K」