「入国審査」嘘は何もないのに段々と追い詰められて自分が悪いような気持ちにさせられるのが怖いです。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「入国審査」

 

を観てきました。来日ジャパンプレミア試写会にFan's Voice枠で当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

スペインのバルセロナからニューヨークに来たディエゴとエレナ。エレナがグリーンカードの抽選で移民ビザに当選し、新天地での幸せな生活を夢見てやって来た。しかし入国審査でパスポートを確認した職員は2人を別室へ連れて行き、密室で拒否権なしの尋問が始まる。

というお話です。

 

 

移住のために、バルセロナからNYへと降り立った、ディエゴとエレナ。エレナがグリーンカードの抽選で移民ビザに当選。事実婚のパートナーであるディエゴと共に、憧れの新天地で幸せな暮らしを夢見ていた。

入国審査のゲートに並び、入国カードを書いて待っている。ディエゴは怖そうな入国審査官を見て、18番ゲートの審査官が優しそうだなとつぶやきながら緊張していた。希望通り18番ゲートに呼ばれ、パスポートを提出して審査を待つ。いくつかの質問と指紋照合をされ、顔も照合されるのだが、何故か通してくれない。



 

そして職員が「別室で審査をします。」と二人を空港内の別室に連れていく。他の審査官が現れ、「入国の目的は?」と最初に聞かれた質問をまた繰り返させる。同じ質問を何度も繰り返し聞かれる二人は我慢できなくなりスペイン語で文句を言っていると審査官もスペイン語で返してくる。

あなたたちの返答次第で入国が決まるのだから答えには気をつけた方が良いと釘を刺されてしまう。確かに疑いを持たれてしまったら入国拒否もあるかもしれない。緊張したディエゴとエレナ。

密室ではじまる問答無用の尋問。簡単な質問からえげつない私生活を覗き見るような下品な質問までしてくる。それに誰かから何かを預かっていないかといわれ、麻薬犬まで登場し薬物の調査までされてしまう。やがてある質問をきっかけにエレナはディエゴに疑念を抱き始める。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画の内容は、あまり日本人は体験したことが無いような事かもしれませんが、一部の国の人たちは入国時に疑われるということをいつも経験しているようなんです。この映画の監督も同じような事を経験し、同じような事を経験された色々な方のお話を聞いて、この映画をつくることになったそうです。

 

ディエゴとエレナ。二人は事実婚の状態でアメリカに移住してきます。エレナがアメリカのグリーンカードに当選したので移住出来るようになったんです。エレナの婚約者ということでディエゴも一緒にアメリカにやってきます。ここまでは順調なんです。

 

 

アメリカに着いて入国審査に入って、問題が起きてきます。二人は緊張していますが、それでもきちんとした手続きをして移住してきたので問題は無いハズなんです。それでも二人で別室に呼ばれて待たされます。待っている間に、同じように呼ばれた人たちが尋問を受けて、逮捕されていく姿も描かれていました。

 

確かに人権を無視したような質問をしていたり、凄くイジワルな質問をしたりと、酷い審査官たちだなと思いましたが、審査官側の気持ちを考えると、当たり前なのかもしれません。移民を簡単に受け入れてしまったせいで、強盗、殺人、暴動など、酷く街が荒れて自国民が住めない場所になってしまった街もありますよね。

 

 

もし、審査を厳しくして、本当にアメリカで仕事に就いて真面目に働くつもりの人々だけをいれていたら、荒れた街は出来なかったかもしれない。それはイタリアもスペインもイギリス、フランスなどなど沢山の国が移民の受け入れ方を間違えてしまったために大変なことになり、イタリアは移民の締め出しに入り、アメリカも厳しい態度を取ると言っていますよね。当たり前だと思います。自国民が苦しむことになるなら、移民は受け入れない方が良いんです。

 

移民の全てが悪い訳ではないと思います。「移民」なんだから国を移るという事でしょ。前の国の事は忘れるべきだし、新しい国のルールに従うべきなんです。以前は土葬をしていたから日本でも土葬をすると言ってみたり、生活保護を受けるためだけに日本にくるとか、自分たちの都合の良いことばかり言っている移民には帰って貰うべきでしょ。だって移民してないじゃん。祖国のことを思っているんでしょ。日本も入国審査で踏み国旗くらいさせるべきなのかもしれません。

 

 

ま、それは冗談としても、この映画の審査官が酷い屈辱的な質問をしたり、わざと怒らせようとするような質問をするのは、何かボロを出させるためなのだと思います。悪いことをするために入国してきた人間を見抜くためにイジワルをしているのかなと思いました。必死に真面目に答えることで「こいつは大丈夫かな。」と思って入国の判断をしているのではないでしょうか。

 

それともう一つは、この映画の中でも描かれているように、パートナーに対して疑いの目を向けるように仕向けているんじゃないかなと思いました。夫婦で移民してきて子供が出来てしまったら、自国に根付いてしまいますよね。出来れば帰って欲しいからわざと別れさせるようなことをしているんじゃないかと思いました。酷いことなんだけど、自国を守るためならという気持ちもわからないでは無かったです。

 

 

そんな質問をされる方は溜まったもんじゃありませんよね。SEXは何回くらいという質問もされて、週2回くらいと答えてましたが、それ関係ないでしょと思うんだけど、実はそういう質問で偽装結婚かどうかを判断しているようでした。その国に移住するために、偽装結婚はよくある事のようです。

 

そしてディエゴの過去のことについての質問が出てくるのですが、これディエゴはエレナに話してないっていうのはおかしいなと思いました。移住に関して関係ない事なら良いですよ。でも以前に一度申請をしているとかは話しておくべきでしょ。それにスペインで帰化申請を却下されているということなど、パートナーには話しておくべきことです。それは信頼無くなるよ。

 

 

ディエゴは元々が南米のベネズエラ出身らしいので、それはどの国も簡単には移住や帰化させてくれないよなぁと思いました。差別はいけないけど、犯罪率や意識の問題などで自国に入ってきたら問題になりそうと思ったら、申請を却下するのは差別ではないと思います。安全面の考慮でしょ。何でもかんでも差別差別と言えば通ると思ったら大間違い。それは差別ではありません。

 

空港の受付以外は密室劇になるので、これは面白いと思いました。舞台などでやっても面白いですよね。審査官にどんどん追い詰められていく移民希望の二人の心が段々と壊れていくのが可哀相なんだけど、恐ろしいと思ってしまいました。心理サスペンスと言っていいんじゃないかな。どこかに嘘があるのかを探っていくのが楽しいです。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。密室劇なので、面白いのですが動きがありません。派手なエンタメが好きな方には、ちょっと退屈と言われてしまうかもしれませんが、その心理戦を読み始めるとおもしろいんです。勝ち負けのある話じゃないんだけど、誰が勝つのかなってワクワクしちゃいました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「入国審査」