「28年後…」
を観てきました。
ストーリーは、
人間を凶暴化させるウイルスが大都会ロンドンで流出し、多くの死者を出した恐怖のパンデミックから28年後。生き延びるために海を隔てた小さな孤島に逃れた人々。ある日、島で暮らすジェイミーと島を一度も出たことのない12歳の息子スパイクは、ある目的のために本土へ渡り、人間が人間でなくなった感染者だらけの恐怖の世界を目の当たりにする。
というお話です。
2002年ウイルスが流行し、襲ってきた感染者から逃げたジミーは父親が働く教会へと逃げ込むが、牧師の父は審判の日だからと言って逃げようとせず、ジミーに十字架を渡して地下の隔離場所に隠したのでジミーだけは逃げ延びることが出来る。
それから28年後、感染を逃れたわずかな「人間たち」は、ウイルスが蔓延した英国本土から離れ、孤島に身を潜めている。対岸の本土にいる感染者から身を守るため、島の人々は見張り台を建て、武器を備え、コミュニティの中の厳しいルールに従って“安全に”生活している。
そこに暮らす父親のジェイミーと息子のスパイクは、息子の成人の儀式として本土に渡り狩りをしようとします。まだ12歳のスパイクにまだ早いと言う声もありましたが、ジェイミーは島民を説得し、門の外に出る。本土と島をつなぐのは引き潮の時だけ出来る1本道だけ。そして、島を離れて本土に行けば、誰も救助には来ない。
美しく、緑豊かな大自然が広がる本土だが、感染者はどこに潜んでいるか分からない。弓矢を構えて森を抜ける2人の前に、変わり果てた姿の「感染者たち」が現れる。感染者にも変化が起きており、アルファと呼ばれる知能の高いモノが出てきて感染者たちを統率しているらしい。
アルファに襲われた2人は何とか逃げ延び、古い家に隠れると、そこから南西の方向に火が見える。誰かいるのかとスパイクが父に聞くが答えない。島に帰ってから聞くと、以前、出て行ったケルソンという医師が住んでいるらしいことを聞く。病気の母親アイラを医者に見せようと、スパイクはジェイミーに相談するのだが…。後は、映画を観てくださいね。
この映画、「28日後」「28週後」からの続編です。申し訳ないんだけど、続編になる度に段々と面白くなくなっているような気がしているのは私だけかしら。最初の「28日後」は、結構衝撃的で面白いと思ったんですけど、それから「28週後」になって、そして今回の「28年後」なんですけど、どーもしっくりこないというか、先が全く見えないなという感じでモヤモヤのまま出てきました。
3作目になるので、少しは未来への展望というか、少し明るい未来が見えて欲しかったんだけど、またも暗くなってしまったという感じかな。何の進展もないのでどうなんだろうと思ってしまいました。人間がウィルスによって狂暴化するということなので、ゾンビみたいに死んでから生き返った訳じゃないんですよね。感染して、狂暴化している人間なんです。
ということは、病気なので感染を治癒させたり、ワクチンを作ったりという作業が出来るハズなんだけど、一切やっている様子が見られないのが問題だと思いました。英国が隔離されているというのは伝えられているのですが、周りの国がどうなっているのかは全く分からないんです。そこが問題ですよね。
もし、英国以外の国にも感染が広がっていて、人類が滅亡の危機になっているというなら感染を止めるという状態じゃないというのが解るけど、今回はスウェーデンのNATO兵士が出てきていたので、英国以外は感染が広がっていないという事だと思うんです。
それならウィルスの撲滅を目指そうよ。もう英国は捨てたって感じでそれを受け入れている人々の話になっていて、どーなんだろうと思いました。人間ならどこまでも貪欲に生きたいと思って欲しいよね。他の国だって英国を助けようとして欲しい。おかしいでしょ、そんな恐ろしいウィルスがはびこっていて、もしかしたら感染者が泳いで渡ってくるかもしれないのに、平然と放置しているというのが、ストーリーとしておかしいなと思いました。
感染者が段々と知識を付けてきて、統率力を持つアルファという感染者が出てきたという事なんですけど、このウィルスは生きている人間に感染して病気になっているだけなんだから、進化とかっておかしいんだよね。ウィルスが進化したとして人間の脳を壊しているんだろうから、その壊し方が進化して狂暴性を持たせながら戦略がねれる知識を残すと考えると、そこに人の意識が残ると思うんですよね。そうなったらもう人間を襲わないと思うんだけど。
そもそも狂暴性を持つウィルスなんだから、感染者が感染者を襲わないっていうのもおかしいんです。感染していない人間だけを襲うというのが理屈に合ってないんですよね。それを納得出来るように説明してくれないと、何をやられても違和感があって、”なんで?”という疑問にたどり着いてしまうんです。
「28日後」の時は、感染して大変だ!というところまでなので詳しいことはどーでも良くて楽しめたのですが、さすがに3作目となったら説明してくれないとおかしいでしょ。猿から感染して、そのウィルスで狂暴化して人間を襲い始めたのは解るけど、狂暴化なんだから全てを壊し続けるというのがその病気じゃないの?もし危害を加えるかもしれない相手にだけ狂暴化とするなら、大人しい隠れている人間に襲いかかるのはおかしいでしょ。
どこまで行ってもこのストーリーおかしいんです。そしてこの映画が3作目なので、3部作の最後でしょ。うーん、何が描きたかったのか解らない。私には伝わりませんでした。どこまでも人類が生き抜こうとするのを描いているというなら、ウィルスの研究をして撲滅しようよ。それか感染者を一掃しようよ。もう治らない病気なんだから、残酷でも全部掃除しないとダメでしょ。
「28日後…」が面白かったので、一応期待して観に行ったのですが残念でした。アーロン・テイラー=ジョンソンとレイフ・ファインズが出演と書いてあったので期待していたのになぁ。ダニー・ボイル監督なんだけどなぁ。うーん…。
無駄な事をたくさんして、続編を思わせるような終わらせ方をしていますが、解決するようには全く見えなかったです。まぁ、考えてみると、28年も経っているのに病気を撲滅出来ていないところに問題があるんだよね。題名を見て気が付くべきでした。
ここでちょっと日本の小説「天使の囀り」という貴志祐介先生の作品を紹介します。それも猿から感染して人々を死に至らしめる感染病なのですが、これが面白いんですよ。狂暴性を持たせる病気ではないですが、人々を自身で死に向かわせる病気で、この「28年後」を観るよりよっぽど面白いです。随分前から映画化して欲しいという声があるものの、リアルすぎて出来ないのではということもあるようです。映画化したら面白いだろうなぁ。
私はこの映画、一応、お薦めしたいと思います。シリーズなので、前作を観ている方は観たらよいと思うのですが、ストーリーは全く解決しません。でも、続いてきた「28シリーズ」の雰囲気は楽しめます。前作の続きだからという事で、期待しないで行って欲しいです。でないと私のように残念となります。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「28年後…」