「テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ」
を観てきました。Fan’s Voiceさんの独占試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
夫を亡くし、ひとり暮らしの93歳のテルマ。ある日、孫ダニエルが事故を起こし刑務所にいるという電話を受けた彼女は、孫を助けようと保釈金1万ドルを送金するが、それはオレオレ詐欺だった。犯人からお金を取り返そうと決意したテルマは、旧友の老人ベンを巻き込んで、電動スクーターに乗って大冒険に出る。
というお話です。
2年前に夫を亡くし、寂しいけど気楽なひとり暮らしを送る93歳のテルマ。孫のダニエルが面倒を見に来てくれて、パソコンを教わったりスマホを教わったりして日々を過ごしています。
ある日、突然に「事故を起こして刑務所にいるんだ。」という電話がかかってきて、思わずダニーなの?と言ってしまったテルマ。相手はそうだと言い「車で妊婦をはねてしまい刑務所にいる。弁護士から電話があるから指示に従って。」と言って電話は切れてしまいます。するとすぐに弁護士から電話があり「1万ドルを直ぐに送金すれば釈放が出来る。」と言われ、言われた住所に1万ドルを送金します。
途中で何度も娘や孫に電話をするのですが相手が出ないので仕方なく送金してしまうんです。でもその後に娘と連絡が取れ、ダニーは家で寝ていて、その電話はオレオレ詐欺だったことが発覚。すぐに警察へ行きますが、送ってしまったのでは取り戻すのは難しいと言われてしまい、同じことが起きないように詐欺対策をしてくださいと言われます。
家族は怪我も無く、危ないことに巻き込まれなかっただけ良かったから1万ドルは諦めようと言いますが、テルマは納得出来ません。家族に内緒でお金を取り返しに行こうとミッション開始!古い友人たちに片っ端から電話をして使えるモノは全て使い、犯人のアジトに向かって大冒険です。果たして犯人のアジトは見つかるのか、お金は取り戻せるのか。後は、映画を観てくださいね。
この映画、面白かったぁ~!凄いミッションを93歳のお祖母ちゃんが開始するんだけど、実は引いて見てみると、オレオレ詐欺もそんな大組織がやっている訳でもなく、国を跨いでとかのことでもなく、本当に隣町かな?くらいの距離感で、時間も2時間弱くらいのことなんだけど、とにかくお祖母ちゃんが主人公だから、時間の動きが遅いのよ。
テルマはオレオレ詐欺に引っかかっちゃうんです。それは彼女の周りにはとても良い人が多く、今まではそんな詐欺があるから気をつけてという人がいなかったんじゃないかな。娘夫婦はバリバリ働いているようで、孫ダニーはニート生活をしているようでした。ダニーはお祖母ちゃんには優しくて、いつも面倒を見に来ていたんです。でもたまたまその日は家で寝ていて、電話に気付かず、テルマは詐欺に引っかかってしまいました。
再犯防止としてテルマのクレジットカードなどなど、お金に関するモノは破棄して防犯対策をするのですが、なんだかどうしてもテルマは納得が出来ません。自分が騙されたせいで、ダニエルは自分のせいだと落ち込むし、お金は戻ってこないし、それでも我慢しろと言われるしで、やっぱり復讐したい!と思っちゃうんです。
家族には諦めろと言われた手前、復讐するとは言えずに内緒で復讐のための作戦を練ります。まず、古い友人たちに片っ端から電話をかけて、利用出来るモノは全て利用しようとするんです。そして旧友のベンの電動スクーターを強奪し、ベンも一緒にミッションに加わり、友人の家にある拳銃を盗んで、犯人のアジトへと向かいます。
凄いことをしているようなんだけど、この電動スクーターは時速6kmくらいしか出ないのよ。アメリカでも同じだと思うけど。そんなので2人乗りで走ってるんだから、大した距離じゃないでしょ。ベンは2時間後に老人ホームの演劇に出なきゃいけないからそれまでに戻ると言っていたので、犯人のアジトまで行って、犯人からお金を取り返して戻ってくるまでが2時間以内で出来るというほど近い場所に犯人のアジトがあるんです。
きっと隣町くらいの距離なんじゃないかな。そして老人2人で突撃ということなので、まぁ、可愛いお話なんだけど、テルマとベンにとっては凄い冒険で、それこそミッション・インポッシブルなんです。なんたって拳銃まで盗んで持っていってますからね。それはもう真剣なミッションなんですよ。
そんな風に突然にいなくなったテルマとベンを探す、家族と老人ホームの職員さんたち。居なくなって1時間ということで、徘徊かもしれないから、まず周りを探して待ちましょうということになり、家族は不安な時を過ごします。ダニエルは自分のせいだと思って本当に心配するんです。
すると突然ダニエルのスマホが鳴り、テルマのサイトに写真がアップされます。ダニエルが色々と教えていたので、テルマがスマホで間違って写真を押してしまい、それがサイトにアップされたんです。今いる場所が写真に撮られたアップされ、家族は車ですっ飛んでいきますがテルマに逃げられてしまいます。
このテルマは犯人を追い、家族はテルマを追い、というのが面白いんですよ。それが凄い近所なのに、大騒ぎになっちゃっているというのも笑えるでしょ。もし自分がその家族だったら、そりゃ、慌てちゃうけど、観ている分には面白くて笑っちゃうんです。家族は真剣なんだろうけどね。そしてテルマも真剣に犯人からお金を取り返そうとしているんです。
このテルマが犯人のアジトを見つけて、お金を取り返せるかどうかは、映画を観て確認してください。そこはネタバレ出来ません。面白い展開になりましたよ。うん、そうくるかー!って感じで笑っちゃいました。「時計仕掛けのオレンジ」のマルコム・マクダウェルさんが、後半のキーパーソンとして登場します。あれ?観た顔だなと思ったら、あの人でした。
そうそう、トムちゃん(トム・クルーズ)が大活躍しています。出演はしていないのですが、何故かトムちゃんは大活躍なんですよ。観ればどういう意味か解ります。いやぁ、こんなにトムちゃんが出てくるとは思いませんでした。うーん、これこそ大活躍っていうんじゃないかな。嬉しくなっちゃいますよ。
93歳になったら身体は動かなくなるし、判断も遅くなるし、きっと一人ではどうしてよいのか判らなくなるんじゃないかと思うんです。周りの友達もどんどん亡くなったりしてしまい、気が付いたら自分一人になってしまう。とっても怖いんじゃないかな。だから一人で自宅に住んでいるのも良いけど、老人ホームに入って、人と交流しながら生きるのも、また良い選択なんじゃないかと思いました。
この映画、年を取っても頑張れるけど、年齢にあった生活をするのもまた良いのかなと思わせてくれる内容もあり、良かったです。テルマとベンは、きっとこれから良い友達としてやっていけるんじゃないかな。素敵なお話でした。
この映画、主役のジューン・スキッブさんは本当に93歳だそうで、お元気で何よりでした。内容はジョシュ・マーゴリン監督が自分の祖母テルマさんの実体験をもとに脚本を書いたそうです。エンドロールでご本人のテルマさんも映っていました。素敵なお祖母ちゃんでしたよ。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。この映画はお祖母ちゃん版ミッション・インポッシブルなので、トムちゃんの映画と共に、この映画も観て楽しんで欲しいです。年を取ってもこんな風に生きていけるならしあわせだろうなと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「テルマがゆく! 93歳のやさしいリベンジ」