「KIDDO キドー」
を観てきました。
ストーリーは、
オランダの児童養護施設で暮らす11歳の少女ルーのもとに、離ればなれになっていた母カリーナから突然の連絡が入る。カリーナは、ルーを勝手に施設から連れ出し、ポーランドに住むおばあちゃんのところへ行くと告げる。
というお話です。
ママがやって来る!児童養護施設で暮らす11歳の少女ルーのもとに、離れ離れだった母親のカリーナから突然連絡が入る。自称ハリウッドスターのカリーナは、再会を喜ぶルーを勝手に施設から連れ出してしまう。
施設の養母から規則のことは教わっているし、何人もの子供との共同生活ではルールが大切だという事もルーはよく理解していた。養母の許可も無しに施設を出たのがまずいと解っていたルーは、カリーナにどこに行くのか聞くと「ポーランドのおばあちゃんのところへ行く」と告げる。
カリーナにはルーとずっと一緒にいるための、ある計画があったのだ。「人生はゼロか100かよ、お嬢ちゃんキドー」。ルーは破天荒な言動を見せるカリーナに戸惑いながらも、母親と一緒にいたいという思いでついていってしまうが、途中で隠れて養母に電話をし必ず帰ると告げていた。
このままでは手配されてしまうのではと心配したカリーナはルーを変身させ「ボニー&クライド」として旅をしようと言い、人と話さず名前はクライドというようにと教え、ボロボロの車で走りながらやっとポーランドへと入国する。そして祖母の家にたどり着くのだが…。後は、映画を観てくださいね。
施設に預けていた子供に逢いに来た母親が、勝手に娘を連れ出して旅に出てしまうというお話です。良くある題材ではありますが、悲劇的な話になる訳では無く、どちらかというと軽めのロードムービーと思って観られる作品でした。
カリーナはルーを施設に預けてハリウッドで女優をしていると言っていましたが、話を統合すると罪を犯して刑務所に入っていたか、矯正施設に入っていたか、どちらかだと思いました。刑務所というよりも矯正施設かな。精神的におかしかったのか、何かドラッグの矯正施設か、どちらかのような気がしました。
ルーはまだ小さい頃に預けられたのかな。母親の状況は仕事などは全く知らないようでした。でも児童養護施設で何人もの子供と一緒に成長しているのでしっかりした教育を受けており、養母さんもとてもマトモな方のように見えました。
なのでカリーナのように平気でルールを破ったり、人の迷惑になることをしたりという行動に対して、嫌悪感というか罪悪感を最初は感じているのですが、段々と母親と遊んでいるような感覚になり、一緒になって楽しんでいました。今まで、そんな風に母親と接したことが無かったのだろうし、自分の母親が間違っていると解っても今は一緒にいたいと思ったのだと思いました。
オランダの施設にいたのにポーランドまで行くんですよ。オランダを出てドイツを通ってポーランドへ抜けるのだと思いますが、さすがにパスポートはどうしたんだろう。2度も国境を超えるのでどうしてるのかなぁと心配になりました。カリーナは持っているだろうけど、ルーのはどうしたのかな。子どもは母親と一緒なら問題ないのかな。不思議でした。
ルーが小さい蛇を飼っていて、とても可愛がっているのですがカリーナが気持ち悪がってしまい、仕方なく車のトランクに入れていくんです。でもきっとすぐにニョロニョロ~って出てきちゃうよね。キャリーは持ってなかったからどうしたのかしら。色々とあって、最後にはちゃんとルーと一緒にいられるのですが、途中でちょっと心配しました。
ポーランドの祖母の家にカリーナがお金を隠していて、そのお金を取りに行って、そのお金で家を建てるというのですが、またカリーナのいう事だから本当なのかなぁと疑ってしまいましたが、ちゃんとお金はありました。そしてカリーナは支離滅裂な性格なのかと思っていたら思っていたよりもマトモな人で、ルーに言われたことなどを真剣に考え、自分でしっかりとした決断をします。
こういうロードムービーだと、まぁいいか~って感じでほんわり終わる映画もあるんだけど、別々に生きてきた母と娘はしっかりと未来を考えた決断をしたと思いました。ただ一緒にいたいからってダラダラと暮らしていてはダメですもんね。未来を見て、ルーはしっかりとした教育を受けて、独り立ち出来るような大人になってから、母親と一緒にいれば良いんですから。
お涙頂戴ではなく、軽くサラッとした結末でしたが、私はとても好きな終わり方でした。未来に夢が持てるし、ルーの顔も良かった。頭の良い子なのだと思うんだけど、きっと全てを理解して母親の決断を受け入れたのだと思います。素敵でした。こういう母親なら、たとえ今までは問題があったかもしれないけど、きっと未来は良い生活を送るようになると思いました。
私はこの映画、お薦めしたいと思います。母と娘のロードムービーで、ベタベタせずに軽く楽しめる作品だと思いました。母娘のドロドロした感じも無く、お互いに一人の人間として描かれていたので良かったです。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「KIDDO キドー」