「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」
を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)
ストーリーは、
気高くエネルギッシュなジェヒと、ゲイであることを隠して生きる繊細で寡黙なフンス。ある時、フンスの秘密が暴かれそうになったとき手を差し伸べたのがジェヒだった。全く正反対の2人は、互いの違いを認め合い、ルームシェアをしながらかけがえのない学生生活を送っていく。そして社会に出た2人に大きな転機が訪れ、思いがけないかたちで友情が試されることになる。
というお話です。
大学生のフンスはゲイであることを隠して暮らしています。ある日、教室で男子学生たちがゲイを見たと騒いでおり、一人がアイツに似てるとフンスを見て言い出しますが、そこへ女子学生ジェヒが現れ、フンスに「昨日ライターを間違えて持って帰った」と返しに来ます。そこで噂話は途切れて終わります。
フランス文学の講師を好きになったフンスは講師と関係を持ちますが、その場面をジェヒが見てしまい彼女にだけゲイと知られてしまいますが、ジェヒは「あんたの好きに生きるのは悪くない。」と言われ、彼女の周りに流されない性格が好きになります。ジェヒもフンスと気が合い、二人は友情で結ばれます。
ジェヒは海外で暮らしていた経験もあり、自由奔放で何かと話題になる女性でした。彼女は噂話など気にせず、自分のやりたいことをやり、周りに左右されません。そしてちょっとのことで直ぐにその男性が好きになってしまうという惚れっぽい性格でした。そんなジェヒと生活費を折半することで同棲をすることになったフンス。親友となった二人はお互いのことを信頼し合い、生活を始めます。
それぞれが誰かに恋をして、それを相談し合ったり助け合ったり、誰よりも近い関係となって行く2人。大学入学から知り合い、フンスは兵役に行き、ジェヒは海外へ語学留学をし、帰ってきて就職をしてと、長い年月、一緒に生活を共にします。そしてジェヒに彼氏が出来て、その関係が崩れ始めます。後は、映画を観てくださいね。
この映画、凄く良いお話でした。あまりにも映画館で宣伝をしているので、何でかなとちょっとウザく思い始めていたのですが、この内容なら理解が出来ました。こんなに良いお話なら、そんなに宣伝しなくても口コミで行けるでしょ。それくらい、面白くて良いお話です。
主人公はゲイのフンスと正義感が強く自由なジェヒ。二人が出会ったことから、このお話は始まります。フンスは、見た目はカッコよく寡黙で何か秘密がありそうな雰囲気なんです。一方、ジェヒはパァッと明るくて、なんか文句あるなら言ってみなと詰め寄るほど強い女性です。まったく性格は違うのに、何故か気が合った二人。共通するのは、自分の価値観を大切に生きること。
この自分の価値観を大切に生きるって難しいですよね。どうしても周りに流されたりするでしょ。例えばゲイのことにしたって、ゲイだってぇ~と軽蔑したように言う友人がいたら、ゲイの何が悪いの?と差別に対して立ち向かえるかと言われたら難しい場合もあるかもしれない。人の口に戸は立てられぬというから、何を言われるか分からないという不安から同調するしか無かったりするでしょ。
現代ではそんな事もないけど、今から15~20年くらい前だったら今ほど知識が溢れていないし、まして韓国ですからキリスト教が多い国は難しいですよね。日本は比較的宗教からの締め付けが無いからLGBTQも受け入れが早かったと思うけど、宗教絡みだと難しいだろうと思うんです。
この二人、大学入学時に出会って社会人となった36歳くらいまでを描いているので20年近くの二人の歴史を描いていくんです。私、初めて知ったのですが、韓国の兵役って大学中に休学して行くのかしら。だから女性よりも数年遅れて大学卒業になるのよね。それから就職となるから韓国の男性って社会人になるのが30代になったりするんですね。初めて知りました。
そうすると生涯就業年数が少ないから、そうとう良い会社に入っていい年収を貰うか、自分で企業して稼ぐかをしないと、普通の会社員で働いていたんじゃ、結婚して子供を持つのは大変そうですね。まぁ、日本でもそうなんだけど、世知辛い世の中になったもんですねぇ。
フンスはゲイと知られることを恐れて出来るだけ人と関わらないようにしているのですが、ジェヒと出会って振り回されるようになり、段々と自由に恋愛を楽しみ、自信を持つようになって行ったように見えました。でも母親にゲイと言えないことだけは、ずっと心に引っかかっていて辛そうに見えました。
ジェヒは裕福な家の娘のようでしたが、親がジェヒに関心が無いようで愛に飢えていたのではないかと思います。だから惚れっぽくて、ちょっと優しくされるとすぐに好きになってしまい、追っかけてしまうという行動に出てしまうのかなと思いました。
そんなジェヒですが、正義感が強いのでゲイのことを悪く言っている人がいればそれはおかしいと言ったり、会社でも理不尽な叱咤をされている同僚を見たら、必ず上司に仕返しをするんです。超カッコイイと思いました。こんな女性がいたら憧れるなぁ。見習いたいと思いました。
こんな二人が一緒に暮らし助け合っているのですが、ある時、ジェヒが本気で付き合い始めた男性が出来るんです。相手が嫉妬深く、フンスと同棲していることは内緒にしていたのですが、ふとしたことでバレてしまい、色々と言い訳はするんだけど…。と問題は大きくなっていきます。
二人の生活はどうなっていくのか、映画を観て確認してください。とても上手いストーリー展開で面白かったなぁ。フンスも素敵なんだけど、ジェヒはカッコいい女性だったな。私から見ると理想の女性象に見えました。キツそうに見えたり、誰ともつるんでいなくて寂しいんじゃないかと思いがちだけど、きっと彼女は全然寂しくないし好きに生きているんだと思うのよ。
素敵な女性でした。何かね、ジェヒのフンスへの愛が大きくなって街を包んで、段々と街も暮らしやすくなっていくんじゃないかと思わせるんです。そしてきっとフンスも好きな仕事を見つけて、素敵な恋人も見つけて、ジェヒに紹介するんだろうな。題名「大都会の愛」は、二人がお互いに思い合う愛だけじゃなくて、それに影響されて周りの人々も偏見や差別が無くなり、愛で満たされた街となるって意味なのかなと思いました。
私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。この映画は誰が観ても面白いんじゃないかな。生きづらい現代社会での考え方を教えてくれているような気がしました。ホント、良い映画でした。公開されたらまた観に行っちゃうかもしれません。それくらい、癒される作品でした。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」