「今日の空が一番好き、
とまだ言えない僕は」
を観てきました。
ストーリーは、
大学生の小西徹は冴えない毎日を送っていた。そんなある日、教室で桜田花に目を奪われた小西は、思い切って彼女に声をかける。会話が尽きないなか、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好きって思いたい」と桜田が何気なく口にした言葉が、小西が大好きだった亡き祖母の言葉と同じだった。そんな矢先にある出来事が2人を襲う。
というお話です。
思い描いていた大学生活とはほど遠い、冴えない毎日を送る小西。外を歩く時は雨でもないのに傘をさして人との距離を保ち、校内でも自分だけが知る通路を歩くようにしていた。学内唯一の友人・山根や銭湯のバイト仲間・さっちゃんとは、他愛もないことでふざけあう日々。
ある日の授業終わり、お団子頭の桜田の凛々しい姿に目を奪われた。思い切って声をかけると、拍子抜けするほど偶然が重なり急速に意気投合する。会話が尽きない中、「毎日楽しいって思いたい。今日の空が一番好き、って思いたい」と桜田が何気なく口にした言葉が胸に刺さる。その言葉は、奇しくも、半年前に亡くなった大好きな祖母の言葉と同じで、桜田と出会えた喜びにひとり震える。
ようやく自分を取り巻く世界を少しだけ愛せそうになった矢先、突然に桜田との連絡が途絶える。自分が何か気に障るようなことをしただろうかと不安と哀しみで一杯になる小西。バイトに行くと、何故かさっちゃんが無断で来なくなってしまう。いくつもの不安が重なり、つい唯一の友人である山根にもキツい言葉を浴びせてしまい疎遠になる。
ある日、バイトへ行くと銭湯の店主・佐々木から衝撃的な出来事を聞くことに。そしてその出来事が桜田とのことにも関係しているのを小西は知ることになる。後は、映画を観てくださいね。
この映画、気になっていたんです。東京国際映画祭の時にチケットを購入したにもかかわらず演劇鑑賞と重なってしまい、泣く泣くチケットを無駄にしてしまいました。そしてやっと公開になり鑑賞が出来ました。うん、面白かったです。原作は読んでいませんが、原作通りなのかな?
大学生の小西は冴えない毎日を送っているのですが、冴えてる毎日ってなんなのかしら。大学生はみんなこんな感じじゃないの?私もこんなもんだったけどな。大学生の頃って自分は人とは違う力があると信じていて、ワザと人と違う事をしたり、他人と壁を作ったりすることって多いでしょ。
そういうそこら辺のチャラチャラしたヤツらとは一緒にいられないと思っている人間と、反対に友達とチャラチャラすることが大学生と思っている奴と2通りなのよね。でも、このチャラチャラしている人間も、人付き合いが面倒だと思ったりで薄っぺらい友情に繋がっているだけだったりするんです。そして就活に入ると完璧にライバル視してきたりして、面倒な事が多いよね。
この小西は他人を少し下に見ている感があって、人と違うという事で自分を保っているんだと思うんです。でもふと気が付くと、周りに取り残されているのかもとも思うし、まだ自分に自信が無いんでしょうね。そんな彼が見つけたのが桜田という女性。彼女も一人で過ごしていて、どこか自分と似ている部分を見つけて彼女に声をかけるんです。
ここら辺はよくある恋愛小説そのものかな。基本に乗っ取っているストーリーだと思いました。お話自体はそんなに面白いものでもなく、よくあるものなんだけど、演じている俳優さんが上手いので、ちょっと違ってイイ感じに見えました。これ、このキャストじゃなかったら、全然面白くなかったと思うよ。
そして小西と桜田は付き合い始めるんだけど、大学時間とは別に、小西は銭湯の掃除のバイトをしていて、そこの仲間のさっちゃんは小西のことが好きなんですよ。でも小西は桜田に夢中だからさっちゃんの気持ちに気が付かないんですよねぇ。このさっちゃんが凄く良い子で伊東蒼さんが演じているんだけど、この映画の中で一番良かったです。彼女は上手いねぇ~。ずっと観ていたくなりますもん。
この好きな人に友達としか思って貰えてなくて、相手の恋愛話を聞くとかってキツいよねぇ。これも恋愛漫画とかでよくあるパターンなんだけど、大体はその男が近くにいる友達の優しさに気が付いて、付き合っている女と別れてこの思ってくれる女性とくっつくのがパターンなんだけど、今回はそうはなりませんでした。
さっちゃんは優しくて良い子だったなぁ。この子とくっつけばよかったのに、小西は鈍いなと思いました。誰がどう見ても、さっちゃんは小西が好きだったよね。切なそうな顔がキュンキュンしちゃったけど、小西がボーっとしてるから気が付かなくて、もー、イライラしちゃったよ。桜田が悪い訳じゃないんだけど、さっちゃんみたいな優しい子は今どきいないぞと思いました。
そんな恋愛をしている小西ですが、衝撃的な事が起こります。桜田と連絡が付かなくなり、フラれたと思って自暴自棄になっているとある日突然にその理由が解ってくるんです。これは衝撃だったけど、でもこういう事は突然に起こるんですよね。何とも言いようがないけど、もう仕方が無いとしか言えないんです。
突然に何が起こっても、人はそこで立ち止まっていられないので、そこからまた前に歩きださなきゃいけないし、色々な事を受け留めていくことが成長するってことなんじゃないかと私は思っています。どんなに辛くても、そこで留まってしまったら誰も幸せになれないんです。
「今日の空が一番好き」と言えるのはきっと、年を取って色々な事に挑戦した後じゃないかな。だって、明日があると思ったら今日の空が一番好きとは言えないでしょ。未来にもっと良い空があるかもしれない。一番好きと言えるのは、酸いも甘いも経験して、これ以上にしあわせな事は無いだろうなと思えた瞬間に言える言葉じゃないのかな。私だって、まだこの言葉は言えないもん。明日はもっと素敵な空かもしれない。まだ明日に期待しているんです。人は期待するから明日に進める。そういうもんじゃないですか?
原作をお笑い芸人のジャルジャルの福徳さんが書かれているんですね。私、お笑いに全く興味が無いので、ジャルジャルさんも何となく顔を見たことがあると思うけど。最近は芸人の方も色々な方面で活躍されているんですね。良い事です。
私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。良くある恋愛小説恋愛漫画かと思ったけど、途中からググッと大切な事を教えてくれる内容になっていました。クライマックスに行くまでは、そんなにお薦め出来るような内容じゃないんだけど、その部分は俳優さんの力で持たせてくれて、最後の方で盛り上げて感動させてくれました。ぜひ、観に行ってみてください。
ぜひ、楽しんできてくださいね。
「今日の空が一番好き、とまだ言えない僕は」