「花まんま」誰か知らない人の記憶が自分の中にあったら、やっぱり記憶を辿って行ってみますよね。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「花まんま」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

大阪の下町で暮らす加藤俊樹とフミ子の兄妹。兄の俊樹は、死んだ父と交わした「どんなことがあっても妹を守る」という約束を胸に、兄として妹のフミ子を守り続けてきた。妹の結婚が決まり、親代わりの兄としてはやっと肩の荷が下りるはずだったのだが、遠い昔に2人で封印したはずのフミ子のある秘密がよみがえり…。

というお話です。

 

 

大阪の下町で暮らす二人きりの兄妹・俊樹とフミ子。死んだ父との約束を胸に、兄として妹のフミ子を守り続けてきた俊樹は、フミ子の結婚が決まり、やっと肩の荷が下りるはずだった。

 

ところが、遠い昔に封印したはずの、フミ子の〈秘密〉が今になって蘇る。フミ子には幼少から別の女性の記憶があった。「生まれ変わり」のようだがフミ子の存在は確固としてある。フミ子が生まれたときに、若くして事件に巻き込まれ亡くなった女性の心が移っていたのだ。

 

 

幼い頃にその事を自覚したフミ子は、自分の中にいる繁田喜代美の心に導かれるように滋賀県彦根という場所に行きたいと俊樹に言い出す。俊樹は一度だけという約束でフミ子を彦根に連れていき、それ以後は二度と繁田家に関わらないという約束をする。

 

それから22年、結婚式の前日、フミ子が隠し続けてきた事実が発覚する。フミ子が約束を破ったことに怒った俊樹はフミ子と激しい言い合いをするのだが…。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、観る前から楽しみにしていました。原作は未読です。期待通り面白くて泣けて笑えるお話でした。感動作でした。内容としてはファンタジーになるかと思いますが、あまりにも突拍子もないファンタジーではなく、もしかしたらそんな事もあるかもしれないなぁと思えるようなお話でした。

 

俊樹とフミ子は親を亡くしてずっと仲良く暮らしてきました。父親は事故でフミ子が覚えていないくらいの小さな頃に亡くなり、母親は女手一つで二人の子供を育てることに奔走し、身体を壊して亡くなってしまいました。俊樹は高校を中退し、工場で働いて妹を育ててきました。そんな妹が結婚すると報告するんです。

 

 

俊樹は、自分が育ててきた妹が結婚して手の届かないところに行ってしまうのは嫌だと思った反面、やっと自分の”兄やん”という役目が終わるのかという気持ちで複雑でしたが、やはり嬉しいことだと思っています。結婚する相手も大学の准教授で悪い奴ではなさそうで安心をしたんです。

 

そして結婚が近づいたある日、フミ子が自分の知らないところに泊まりに行っていることを知ってしまい、不安な気持ちが大きくなります。何故なら、子供の頃にフミ子は”繁田喜代美”という人物の記憶が自分の中にあると言い始め、その記憶を確かめるために二人で旅に出たことがあったからです。

 

 

これ突然妹に、フミ子だけど繁田喜代美という人の記憶があると言われたら、絶対に信じられないし気持ち悪いでしょ。だって、1人の中に2人の記憶ですよ。嘘だと思うんだけど、でも言っていることを調べていくと本当にそういう人がいて、既に何年も前に亡くなっていて、もっと怖いし気持ち悪いと思うわよね。それでも可愛い妹に願われちゃえば連れて行かない訳にいかないでしょ。俊樹は本当に良いお兄ちゃんんでした。

 

でもね、本当の親が居るのに、他の人の記憶があってそちらの親を父母と呼ぶって言うのは、私には裏切りのように思えました。俊樹もそう思ったと思います。親は一人だし、いくら意識が2つあるからと言って、その身体の持ち主の親を敬うのが本当で、もう一つの親と親しくするというのは、気持ちは解らないではないけど、やっぱり本当の親からしたら裏切られた思いになるんじゃないかな。自分が親だったら嫌ですもん。

 

 

だって自分の娘が、身体の中に他の人の記憶があるからと言ってその他人の親の所へ行って父母と呼んでいたら怒るよね。その娘は私の子です。あなた達の娘ではありませんって叫んじゃうと思います。大切に育ててきたのに、まるでカッコウみたいじゃないですか。俊樹が凄く怒った気持ちが痛いほど伝わってきました。

 

だけど繁田家の人々も好きでそんな事をさせているのではなく、フミ子が自分からそう言って家に来てくれて、昔の記憶を話してくれるから本当にフミ子の中に喜代美がいるのだと確信して可愛がってくれたのだと思います。フミ子を可愛がったのではなく喜代美を可愛がっていたつもりなので、フミ子を取ろうとかそんな気は一切無かったと思います。

 

 

誰も悪くはないんだけど、みんなが少しづつ傷ついて、だけど救われて、きっとこれからは前を向いて生きていくんだろうなと思える展開でした。ほっこりしてしあわせな気持ちになる映画でした。もちろん、この映画の内容はとても良かったのですが、私はもう一つ、フミ子の結婚相手の中沢という人物が凄く気に入ったんです。

 

この中沢は大学でカラスの研究をしていて、カラスと日常会話くらいなら出来るようなんです。これもファンタジーでしょ。それで、道に迷ったときにカラスに聞いたら教えてくれるんですよ。ちゃんとカァカァって会話していて、中沢役の鈴鹿さん上手いなぁと思いました。本当にカラスと会話しているように見えるんですもん。カラスちゃんはCGだったと思うけど、可愛かったなぁ。私もカラスと会話したいなぁ。夢です。

 

 

後ね、繁田家のお父さん繁田仁役を酒向さんが演じていて、これがまた良かったんです。六角さんとキムラさんが喜代美の兄姉を演じているんだけど、そちらも良かったのよ。この3人が素晴らしくて感動しちゃったんです。あの「花まんま」も良かったなぁ。泣けてきました。

 

この映画、キャストが凄く良かったのとお話も良かったので、誰が観ても感動すると思います。ちょっとおとぎ話のようなお話だけど、でももしこんなことがあったら、信じてみたいかもしれないなぁと思わせる内容でした。でも、自分の中に2人の記憶があったらこんがらがっちゃって、あれあれ??となりそうですね。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。これは誰が観ても感動すると思いました。キャストも良いです。こんな豪華なキャストでカラスちゃんまで共演していて、本当に良かったです。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「花まんま」