「Page30」期待しないで観に行ったら良い映画でした。ドリカムシアターのオープン記念作品かな? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
スミマセンが、ペタの受付を一時中断しています。ごめんなさい。

 

「Page30」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

4日後に迫った舞台本番を前に、30ページの台本に3日間かけて向きあうことになった4人の女優。演出家不在の閉鎖空間で集められた理由すら知らされないまま、演じたい役をつかむため稽古に打ち込んでいく。崖っぷちの女優たちはプレッシャーから赤裸々にぶつかりあう。そして公演当日、仮面をつけた観客が見守るなか、4人の舞台が幕を開ける。
というお話です。

 

 

30ページの台本。スタジオに集められた4人の女優たちは、この台本に3日間かけて向き合い、4日目に舞台公演をすると告げられる。配役は未定。閉ざされた環境でスマホや時計を預けさせられ動揺するものの、やりたい役を掴むため、4人は稽古に打ち込んでいく。


たった3日で30ページの台本を全て覚え、どの役を当てられても一言一句間違えずに演じることと言われ、役者はもちろん、ミュージシャンから女優に転向するためにこの仕事を受けた樹利亜は絶望的な気持ちになるが、時間は3日しかない。

 

 

二流の役者、売れない役者、大根役者、言われるがまま演じることに満たされなくなった役者。稽古を通して、次第に各々の後には引けない事情が浮き彫りになり、人間の本質が暴かれていく。演出家、監督不在という演技の無法地帯で、役者人生を賭けた芝居がぶつかり合う。


ついに4日目、仮面をつけた観客が見守る中、4人は役者としての本質を発揮し、舞台を成功させることができるのか。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、あまり宣伝も無かったし、期待しないで観に行ったら面白い映画でした。よく見てみたら、監督は堤さんだし、ドリカムの中村さんがプロデューサーをされていて、このお二人が組むなら面白いモノが出来そうだよなぁと改めて思いました。そして本当に面白い映画でした。

 

ある劇場に集められた女優4人。それぞれがそれほど有名な女優ではなく、映像や舞台に出てはいるものの名前を憶えて貰えているのかどうか微妙な立場の彼女たち。それでもプライドだけは高くて、人よりもどれだけ自分が有名かと見栄をはるばかりで、酷い言い合いをするんです。

 

 

観ていてとても現実的で、きっと実際もこんな感じなんだろうなと思えるような言い合いでした。本当に申し訳ないのですが、私、どうしても今でも唐田さんのイメージが悪くて、今回の彼女は”プライドだけは高いけど演技はイマイチで有名になれない女優”となっていて、ピッタリじゃんと意地悪な私は思ってしまったのですが、それが上手いんですよ。

 

その性格の悪い女優の役が上手いんです。以前に観た彼女の演技は棒読みに見えて私は酷いなと思っていたのですが、今回はまるで別人のように演技が上手くなっていました。嫌な女役なんだけど、自分の嫌なところを自分でも嫌だと思って苦しんでいるように演じているんです。ここで勝たなきゃもう女優は続けられないと思って、逃げたい自分と戦いながら演じている姿は素晴らしかったです。いやぁ、驚きました。

 

 

そして申し訳ないけど、この映画で認識した林田さん、広山さん、MAAKIIIさん、という3人の女優さんも素晴らしかったです。それぞれに抱えていることは違うけど、誰もがこの舞台で成功を勝ち取って、有名になる足掛かりにしてやると思っているんです。そのパワーが伝わってきて、凄い女優さんたちなんだなと感じました。

 

人間って、崖っぷちに立って初めて自分の力が発揮されることってありますよね。追い詰められてこそ本来の自分の力を出し切ることが出来る人っているんです。全員がそうだとは言いませんが、この映画で描かれている舞台では、彼女たち4人を追い詰めることによりその力を発揮させて、能力を開花させる目的があったんじゃないかな。

 

 

そしてその舞台を芸能関係者に観て貰うことにより、彼女たちの能力を判断してもらって、彼女たちの未来が決まっていくということなんです。私が思うに、この舞台を用意した人の目的は才能を持つ人が埋もれてしまうのを残念に思い、チャンスを与えたのかなと思いました。そのチャンスを生かせた人は、きっと未来に成功するのでしょう。

 

この映画は渋谷に出来た「ドリカムシアター」という劇場がメイン劇場になっていて、この映画公開と共に劇場もオープンしたようです。ちょっとまだどこにこのシアターが出来たのか確認出来ていませんが、アーティストが劇場を作って映画をプロデュースするというやり方は初めてなんじゃないかな。面白いですよね。

 

 

映画の音楽も中村さんが担当されているようで、ジャズピアノの上原さんと一緒にやられているようです。ストーリーが面白かったので集中して観ていたのですが、時々、ふと気が付くと良い音楽が流れていて、それくらい自然に映画になじむ音楽でした。でも場面場面で印象に残る音楽でしたね。

 

それにしても劇中劇のお話、母親と娘の確執が描かれているような内容でしたが、はっきりと全体が見えなかったので、出来れば劇中劇のお話をもう少し知りたかったかなと思いました。顔に傷のある娘と母親、そして姉、そんな母娘を訪ねてくる母と娘。キツい関係性の母娘と、仲の良い素朴な母と娘の対比が面白いと思いました。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。ちょっと変わった雰囲気の映画で、誰が観てもストレスを感じるほどの内容の後に感動が沸き上がるというような映画でした。音楽も素晴らしいと思いました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「Page30」