「サブスタンス」若く美しくというけど、それならロボットに脳をぶっこめばイイだけじゃないの? | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「サブスタンス」

 

を観てきました。Fan’s Voiceさんの独占最速試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

50歳の誕生日を迎えた元人気女優のエリザベスは、加齢による衰えによって仕事が減ることに気を病み、”若さ”を得られるという「サブスタンス」という違法薬物に手を出す。その薬物はもう一人の若い自分が手に入るという。使用後すぐに若い自分を手に入れ「スー」という名前で芸能界に入りスターとなるが、この薬は7日ごとに元の自分と入れ替わらなければならず、仕事が忙しくなってきたスーは…。

というお話です。

アカデミー賞、ゴールデングローブ賞、カンヌ国際映画祭で受賞、ノミネートされていました。

 

 

元トップ人気女優エリザベスは50歳を超え、容姿の衰えを感じ始める。それまではフィットネスの番組をレオタードを着てやっていたのだが、とうとう打ち切りになってしまったのだ。自分メインの番組も無くなり、仕事の減少に心を痛めていたある日、交通事故に遭ってしまう。

幸い怪我は無く帰って良いとされたのだが、そこに居た若い看護師がこっそりとUSBドライブを手渡す。家に帰りUSBを見てみると「より若くより美しくより完璧な」という文句で違法な薬物の宣伝が入っていた。その薬の名は「サブスタンス」。またインチキな薬だと思ったエリザベスはUSBを捨ててしまうが、自分の顔を見て、やはりやってみようとゴミ箱から拾ってくる。



 

そこに描いてある番号に電話すると、住所を教えられカードが送られてくる。その住所に行くと、カードキーで扉が開き、そこにロッカーが置いてある。自分の番号のロッカーから荷物を取り出し開いてみると、詳しい使い方が書いてあった。

最初の薬は1度だけ自分に打つこと。栄養は7日分与えること。元の身体から栄養を取り出し毎日自分に打つこと。そして7日ごとに一方の身体から意識を入れ替えること。

若い身体を手に入れたエリザベスはスーと名乗り、エリザベスがやっていた後番組のオーディションを受ける。若く美しいスーは受かり、後番組の主役に。大人気となりあっという間にスターとなったスーとその間は意識のないエリザベス。同じ人間なのに段々と別々の感情を抱くようになって行く。エリザベスの身体が邪魔なスーと自分の居場所を奪うスーを恨むエリザベス。一人の人間なのにそれぞれの身体で憎しみ合うようになり…。後は、映画を観てくださいね。



 

この映画凄いです!公式HPに阿鼻叫喚と書いてあったけど、本当に阿鼻叫喚します。もう、これ怖いを通り越して大笑いしてしまう作品でした。SFスプラッターホラーコメディ映画です。もうこの言葉だけでも満載って感じでしょ。本当にこれだけのモノが詰め込んでありますのでお楽しみにね。

 

まず元トップ女優のエリザベスが50歳の誕生日を迎えたところから始まります。みんなおめでとうとか言ってくれるんだけど、どう見ても50歳でエアロビの番組をやっているのはどうなんだろうという空気なんです。そんなところにTV会社の社長らしきハーヴェイがやってきて、誉め言葉っぽいことを言いながらもエリザベスを辞めさせようとするんです。

 

 

エリザベスはプライドがズタズタになり本当に可愛そうでした。50歳でそんなこと言われるなんて辛いよねぇ。私は自分が言われているような気持ちになって、ついコ〇スと思っちゃった。50歳ならまだまだと思っていたけど、芸能界ではそうなのかしら。日本の芸能界は50歳の女性でも美しくて演技の上手い女優さんは引っ張りだこよねぇ。

 

で、違法薬物の情報を貰い、つい手を出してしまうんです。とても注意書きの多い薬でした。これは1回だけとか、これは栄養だから毎日とか、安定剤だとか、なんちゃらかんちゃら、面倒くさいなって思っちゃった。そしてこの薬を最初に使った場面が、まず最初のスプラッターでした。うん、私驚いた。すっごく生々しいのよぉ。キャーって言いながら指の間からしっかり見る私だけど、マジで肉肉しかった。

 

 

そして元のエリザベスと若くなったエリザベ=スーは、7日で入れ替わるというスケジュールで行動していきます。交互に入れ替わって過ごさないと身体が維持出来ないらしいんです。でも、スーが人気者になってTV出演のスケジュールと合わなくて、ちょっとインチキしたりしちゃうんですよ。そして2つの身体のバランスが悪くなっていくんです。

 

どちらの身体もエリザベスなんですよ。同じ人なのに何故か身体が入れ替わるとその身体の人格になってしまうのか、もう一つの身体を蔑ろにしてしまうんです。そりゃ、若い身体でずっと過ごしたいだろうと思うけどそれは出来ない約束なのよ。身体が持たなくて崩れてしまうからね。ちゃんと古い身体も大切にしないと、自分の身体なんだから。

 

 

いやぁ、面白かった。マジで久しぶりに「遊星からの物体X」を思い出しました。あのねスパイダーヘッドを彷彿とさせる物体が出てきます。うーん好きだ。ちょっとメンダコにも似てたかな。何度も言うけど、うーん好きだ。これ家で観ていたら狂喜乱舞していたな。

 

どうなるのかはネタバレになるから書けないけど、この”サブスタンス”っていう薬が凄いのよ。これ良く考えたなぁ。これだけ細かく決められていたら、マジで出来るんじゃないかと思っちゃう。老化するとDNAの細胞分裂が減るけど、その細胞分裂を活性化させる薬だそうです。通常、細胞分裂したら元の細胞は弱って死んでいくはずなのに、そのまま生き続けるから2つの身体に分かれても大丈夫で、分かれた方が若くなるようでした。

 

 

私もこのエリザベスと同年代ですが、こんな風に若くなりたいとは思わないなぁ。身体が元気で生きていたいとは思うけど、容姿を若く美しくしてとは思わないなぁ。だって、この年齢まで頑張ってきたし、今の頭脳のまま若い身体でというなら良いけど、もう一度若い頃をやれと言われたらもうやりたくないです。1回で十分。面倒ですもん。みんながみんな、若くなりたい訳じゃないと伝えたいなぁ。

 

それにしてもTV局の社長やスポンサー、周りの人々がフジテレビを思い出させました。ハーヴェイは見た目が命で、パワハラ、セクハラは当たり前。オーディションをしている場面で、鼻の位置に胸が付いてれば受からせても良いというような事を平気で言う人間たちです。ハーヴェイは下品で汚くてサイテーでした。きっとフジの日〇取締役もハーヴェイと同じで、女はエロで使って視聴率を稼いで金儲けをと考えていたんじゃないかな。サイテー男でしたね。

 

 

デミ・ムーアさん、よくこの役を引き受けましたね。あのデミ・ムーアがというような画面も多々ありました。その昔、デミ・ムーアにサインをいただいた時は凄く綺麗な方でした。今も綺麗だけどこの映画では雰囲気が怖かったぁ。今回はまるで蝋人形に見えるほど優しい表情が無く、怖い存在でした。スー役のマーガレット・クアリーさん、若くて美しくそこに居るだけで喜ばれるという役を上手く演じていました。段々とエリザベスを敵だと感じていく姿は恐怖でした。

 

映画の中のエリザベスは、元女優とか年寄りと言われて凄く傷ついているようでしたが、私は50代になってもそれなりに楽しい事が沢山あり、ババアとか年寄りとか呼ばれてもそんなに傷つかなくなりました。だってそう言う人もそのうち50歳になるんですから。それにこの年齢になったから知識も増え、選択肢も増え、それなりに稼いできたので欲しいモノは買えるし、若い頃よりも幸福感が大きくなりました。皆さんもそう思いませんか?

 

この映画、クライマックスに差し掛かってから30分くらい凄い展開になります。ビックリするほどスプラッターホラーで、もう笑っちゃうと思います。怖すぎると面白くなっちゃうんですよね。そんな感じでした。

 

 

私はこの映画、超!超!お薦めしたいと思います。誰が観ても驚いて怖くて大笑いしちゃう映画なんですよ。これ声出しOK上映とかしてくれたら悲鳴とか笑いとかツッコミとか入れながら観れて面白いだろうなぁ。キャイ~ン、ゲロゲロ~、とか言いながら観たい映画なのよ。映画館の掟破りしたくなる映画なんです。これでアカデミー賞にノミネートされてたんだから、アカデミー賞もサバけてきたんだなぁ。これは凄い映画です。5/16、ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「サブスタンス」