「バーラ先生の特別授業」インド教育とはこうあるべきと言うことを確立した先生なのかもしれません。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「バーラ先生の特別授業」

 

を観ました。Fan’s Voiceさんの独占最速オンライン試写会が当たり観せていただきました。(@fansvoicejp)

 

ストーリーは、

インドでは多くの私立教育機関設立され、高い授業料に応じた質の高い授業が提供されるようになった。その一方で、公立学校は教室が成立しない状況に陥る。チョーラワラム村の公立校に数学教師バーラが赴任する。受け持ちの生徒たちが共通試験で良い成績を収められるよう奮闘する。

というお話です。

 

 

アビラムは大学を目指して勉強していますが身が入らず、親は彼を大学に行かせるために祖父が営んでいたビデオ屋を売ることにします。アビラムはビデオ屋を片付けていると古いビデオテープの中に数学の授業のテープがあり、それを見てみると凄く解りやすく、この先生に教わろうと調査するとカタパの地方治安判事の名前を見つけ彼を訪ねていきます。すると昔話が始まります。
 

1990年代の経済自由化と1993年の教育制度の改革により、インドには多くの私立教育機関や予備校が生まれ、高い授業料に応じた質の高い授業が提供されるようになった。一方で公立学校は有能な教員が私立校に引き抜かれ、低階層の生徒は家計を助けるために授業を放棄し、教室が成立しない状況だった。



 

国はこの状況に対して均衡を保つために公立私立共に同じ授業料とする法案を考えるが、一律にされてしまっては事業が回らなくなる私立校の経営者は、それなら私立校から教育者を公立校に派遣しますと言い出す。

私立校は家系が低く実力の無い教師を雇い、公立校へと派遣することにする。チョーラワラム村の公立校に赴任してきた数学教師バーラは学校に来なくなった生徒たちを来るように説得し授業を始めると、バーラの教え方が上手く、生徒たちの成績はどんどん上がり、11年生のテストでトップクラスの成績を収めてしまう。

慌てた大手私立校の経営者たちはバーラに授業をさせないようにするため私立校に高い給料で引き抜こうとするがバーラは拒否し、今度は暴力などで妨害を始める。バーラはそんな経営者たちと闘いながら、受け持ちの生徒全員にJEE試験で上位成績を上げさせることを目指す。後は、映画を観てくださいね。

 

 

インドの教育映画って結構あるのですが、これもよい映画でした。アビラムという青年が大学を目指して勉強をしているのですが、どうしても身が入らずに困っているんです。親は仕方が無いのでもっと高い塾に行かせるためにビデオ店を売ることにするんですけど、そんなに高い授業料を払わないと大学に入れないんですね。インドの教育事情を知りませんでしたが、お金持ちしか大学に行けないなら、貧富の差って縮まらないと思うのですが、どうなんでしょう。

 

まぁ、私も小学生の頃から塾には通っていたので、どの国でもある程度のお金を教育のためにかけるのは当たり前なのかもしれないけど、ビデオ店を売るってちょっと凄いよね。使ってなかったのかもしれないけど、店だった場所を売るって相当な金額じゃないのかしら。インドの教育は凄いようなので、店を売るくらいの価値があるのかもしれないけど、凄いなぁと思いました。

 

 

その古いビデオ店に置いてあった古いビデオから、このお話は始まるんです。2000年頃、この村で起こった教育改革があったようなんです。アビラムは現代のお話だろうから23年前くらいよね。(この映画の製作が2023年なんです。)たった23年前に、こんな事が起こっていたんだと思うと驚いてしまいます。だって全部賄賂を使って政治も警察も行政も動いていました。そんなに賄賂大国なんかいっ!て思っちゃいました。

 

私立校や予備校の経営者たちがバンバンお金を積んで、自分たちの良いように制度を変えていくんです。高い学校や塾に行けば大学に入れるというように変えていき、公立校に行っても何の役にも立たないというようにしてしまったんです。なので中間層や貧困層の子どもたちは、大学に行けないなら教育なんて受ける必要が無いから家の仕事の手伝いをさせるというようになってしまったんです。

 

 

これダメですよ。学校に行って勉強をするから少しづつ教育が浸透していき、国全体の学力が上がって繁栄していくんですから、教育を受けさせないというのが一番ダメなんです。なんでわかんないのかなぁ。自分に学が無くて苦労したなら、子供には教育をして幸せに暮らして欲しいと思わないのかしら。

 

一応、映画の中では、どの親も子供が学校に行きたいというと行かせていたようでした。でも子供が言う前に親が行きなさいって言うべきよね。日本とかのように、学校で嫌な事があって行きたくなくなってるのではなく、学校に行きたいのに家の仕事を手伝わされたりするので、それは親が子供のことを思うなら行かせてあげて欲しいです。

 

 

可哀想だなと思ったのは、ご両親が突然に事故で亡くなってしまい、仕方なく自分でバイトなどで食いつないでいる子がいて、その子も学校に行きたいのに行けないということでした。バーラ先生が勉強を教えて、この子も大学に行けるほどになるんですけど、インドって大学は無償なのかな。貧困だと入学してから学費が払えないから辞めるってことになったら困りますもんね。

 

日本も中学高校を無償にするよりも、大学を無償にした方が良いんじゃないかな。そうすれば、頭の良い子が成長して国の進歩に繋がると思うんだけど。もちろんその場合は海外からの留学生からは高額の学費を貰うんですよ。日本の大学は頭の良い日本人が集まっているということになれば、海外からの留学生も知識を得たいと思って高額でもお金を払ってくるようになるでしょ。バカな留学生ばかり受け入れている状態じゃ意味が無いんです。

 

 

話を戻して、公立校の生徒がALEEE試験を受けて上位の成績を収めるなんて今までは無かったのですが、もしかしたら私立校の生徒たちよりも良い成績が取れるかもという状況にまでなって行きます。ちなみにJEE試験とはインドの大学全体で技術系大学に入学したい生徒が受けて、その点数により大学が決まるテストのようです。日本でいうとセンター試験に近いのかな。

 

まさか私立校の生徒よりも公立校の生徒が上位に行ってしまったら私立校や予備校の意味が無くなってしまいます。私立校の経営者たちは必死で彼らが勉強を出来ないよう、試験を受けられないように罠を仕掛けてくるんですけど、どんなにやられてもバーラ先生は負けないんです。ボロボロにされたりもするんだけど、生徒のために頑張るんです。その頑張りを観て欲しい。最後にどんでん返しも用意されているのでお楽しみに。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。これは良い映画でした。インドの教育映画って何本かあるので、似ていると言えば似ているのですが、この映画はバーラ先生が強いのでアクションも楽しめます。ダンスは思ったよりも少ないけど、アクションはカッコ良かったな。色々と楽しめる映画です。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

P.S:もっと上映館を増やして欲しいなぁ。こんなに面白い映画なのに勿体ないです。

 

 

「バーラ先生の特別授業」