「早乙女カナコの場合は」カナコの10年を描きながら女性の選択がいかに難しいかを考えさせられました | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「早乙女カナコの場合は」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

不器用な早乙女カナコ。大学入学式で知り合った演劇サークルで脚本家を目指す長津田と付き合うこととに。3年後、就職活動でカナコは念願の大手出版社に就職が決まるが、長津田は脚本を最後まで書きあげることはなく、大学を卒業する気もなさそう。不協和音の中、カナコは内定先の先輩・吉沢から告白される。

というお話です。

 

 

男勝りで過剰な自意識から素直に甘えられない不器用な早乙女カナコ。大学進学と同時に友達と2人暮らしをスタートさせた彼女は、入学式で演劇サークル「チャリングクロス」で脚本家を目指す長津田と出会い、そのまま付き合うことに。

 

3年後、カナコは就職活動を終え、念願の大手出版社に就職が決まる。長津田とも3年の付き合いになるが、このところ口げんかが絶えない。⻑津田は、口ばかりで脚本を最後まで書かず、卒業もする気はなさそうなのだ。

 

 

その上、サークルに入ってきた女子大の1年生・麻衣子と浮気疑惑さえある。そんなとき、カナコは内定先の先輩・吉沢から告白される。憧れの仕事でバリバリ働く先輩・吉沢と大学でふわふわした生活を送る長津田。否応なく二人を比べてしまうカナコ。そんなカナコに麻衣子が追い打ちをかけ、カナコは長津田と別れることに。

 

編集者になる夢に向かって着実に進んでいくカナコ。吉沢との関係そして仕事との向き合い方を教えてくれる慶野、新しいことを吸収しながら1つの夢を叶えたと思った6年後、長津田と再会する。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画、18歳くらいで出会った二人が、そこから10年、どう変わってどう変わらないかを描いているのかなと思いました。主人公のカナコは大学に入学してすぐくらいに長津田と付き合って、同棲をします。そこからのカナコがどんどん変わっていくのですが、元々、カナコは周りを気にしてしまい素直の甘えられないタイプなんですよ。なので、一般的には可愛くない女性に見られてしまうんです。

 

でも長津田とは相性が良かったような気がします。長津田は口ばかりのように見えますが、結構真面目で自分の未来を悩んで考えていたから脚本も進まず、うろうろしていたんじゃないかなぁ。女性よりも男性の方が決断に時間がかかりますよね。往生際が悪いというか女性よりも甘えがあるように思います。なので、カナコは目標を見つけて自分はしっかり就職先も探しているのに、長津田は卒業する気も無さそうで、ちょっと面倒に思えてきていたんじゃないかな。

 

 

そんな時に就職先の先輩・吉沢から交際を申し込まれ、長津田を狙っている女子が現れで、面倒臭くなっちゃったんじゃないかな。好きな気持ちはあっても面倒になっちゃうことってあるんですよね。自分は目標を見つけたし、勉強したいことは山ほどあるし、好きな事はやり続けたいとなると、最初に切るのは男なんだよなぁ。

 

だって、付き合っているとどうしても相手に合わせなきゃいけなくなるでしょ。こちらの予定に全て合わせてくれればよいけど、それでもいつも一緒について周られたらウザいじゃないですか。家で大人しく主夫をしてくれていれば良いけど、養うのも嫌だし、そうするとどうしても男を切ることになるよね。

 

 

そしてカナコはバリバリのキャリア一直線の道を歩むことになります。この展開がとても現実的で唸りました。この大学時代の男女差ってホントにありますよね。時々、学生時代から起業を考える男子もいるけどそれは別だから。私の周りでもこのパターンが多かったような気がします。

 

で、6年後のカナコが描かれることになります。6年後と言えば30歳目前かな。仕事も順調で夢だと思っていた仕事も出来ることになり、順風満帆って感じなのですが、ふと寂しさを感じることが出てきます。そうです、今まで捨ててきた男が懐かしくなってくるんですよぉ。全てを手にすると、そういえばって感じで男を思い出すんです。うーん、とても現実的!そうそうそんな感じって思っちゃいました。

 

 

凄く懐かしく映画を観てしまいました。だって、私も一緒だったもん。私もパターンは違うけど、こんな感じで男はいらないと思って仕事をして、あ、そういえばと思って付き合ったのですが、これやると結婚はしたとしても、子供を産むタイミングが無くなるんですよ。そこら辺を上手く調整しておかないと、子供を持たない夫婦になってしまう。

 

今どきは夫も産休を取れるように段々となってきているので、子供も産めるようになるけど、30歳くらいでやっぱりと思って結婚すると、女性は積み重ねたキャリアが最盛期に入っていて子供を産んで育てる時間を取るとキャリアが無くなるんですよ。なので、どうしても仕事を続けたいとなると、何とか子供は産んでも、育てるのは夫にやって貰わないと無理なんです。難しいよねぇ。

 

 

今まではずっと男が30代~40代の仕事が最盛期の時に子育てを女性だけに任せていたんでしょ。それなら女性が仕事をして男性だけに子育てを負かせてもおかしくないよね。産むのはやったんだから、子育てはしてくださいと言ってもよいと私は思うんです。そうすれば子供の出生率も上がるかもしれません。あ、もちろん、お給料が上がらなければダメですけどね。

 

そんな事を考えてしまうような映画でした。カナコの10年を追うことで、女性がやりたいと思っていたことを続けるには何を捨てなければいけないのかというのがはっきりわかるんです。うん、よく描いてくれた。原作を読んでいないので、原作ではどう書かれているのか解りませんが、映画を観た感じでは、そんな事を思いました。

 

 

私はこの映画、超!お薦めしたいと思います。結局、はっきりとした解決はつきませんが、女性が生きる上でどんな決断が必要なのか、何が大切なのか、そして自分が自分らしく生きることが全て正解なのかという疑問を描いてくれていて、考えさせられました。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「早乙女カナコの場合は」