「少年と犬」いつか犬と会話が出来るようになったらこんなに苦労する犬も減るのかな。減って欲しいな。 | ゆきがめのシネマ。劇場に映画を観に行こっ!!

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観てきた映画、全部、語っちゃいます!ほとんど1日に1本は観ているかな。映画祭も大好きで色々な映画祭に参加してみてます。最近は、演劇も好きで、良く観に行っていますよ。お気軽にコメントしてください。
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「少年と犬」

 

を観てきました。

 

ストーリーは、

震災から半年後の宮城県仙台市。職を失った青年・和正は、犬の多聞と出会うが、和正は家族のために犯罪の手助けをして事故に巻き込まれ、多門と別れてしまう。その後、滋賀県で暮らす美羽に助けられた多門。一緒に暮らし始めた美羽の前に和正が現れ、2人と1匹の新たな生活が始まる。しかしいつも西を見ている多門に逢いたい人がいるのではと考え始める。

というお話です。

 

 

震災から半年後の宮城県仙台。職を失った青年・和正は、同じく震災で飼い主を亡くした一頭の犬・多聞と出逢った。和正とその家族に瞬く間に懐き、一家にとって無くてはならない存在となったが、多聞は何故か常に南の方角を気にしていた。


そんな中、家族を助けるために危険な仕事に手を染めてしまった和正は、やがて事件に巻き込まれ、その混乱の最中に多聞は姿を消してしまう。時は流れ、多聞は罪を隠し続ける女性・美羽と滋賀県にいた。多聞と過ごすことで徐々に平和な日常を取り戻していく美羽の前に、離れ離れになってしまった多聞を追いかけてきた和正が現れる。

 

 

最初は和正を警戒した美羽だったが、多聞を通して二人は少しづつ心を通わせ始める。そんな2人を見つめる多聞は、今度は西の方角を気にしていた。そして美羽が犯した罪はいつまでも二人を追いかけてくる。逃げきれないと考えた美羽は和正に多聞を預け、自ら警察へ出頭する。

 

「俺が多聞を届ける。」和正はずっと多聞が気にしていた方角へと向かうことにする。美羽との約束を叶えるため、多聞とともに”逢いたい人”を探す度に出た。そこに待ち受ける過酷な運命、そして奇跡とは。後は、映画を観てくださいね。

 

 

この映画の原作は直木賞受賞作で短編連続小説のようなのですが読んでいないので、映画が原作通りなのかオリジナルなのか判りません。話が少しバラバラしていて、途中からファンタジーになってしまうので、イマイチのめり込めずに最後まで観てしまいました。

 

簡単に言えば名犬ラッシー的な話ですよね。大好きだった人に会うために、何千キロも旅をしてたどり着くという話です。その旅の途中で出会う人間とのお話が描かれていくんです。最初に出会うのは和正という震災で職を失った青年。多聞は震災で飼い主が亡くなり、一匹でウロウロしていたようなんです。そんな多聞と出逢ったのが和正。いつも南を見ている多聞を見て、会いたい人がいるのかと尋ねていました。

 

 

和正は仕事が無く、仕方なく先輩がやっている震災後の空き家に窃盗に入る仕事の手伝いをしていました。犯罪と解っていても、震災後の町では仕事がありません。母親は認知症になり、姉のパートだけではやっていけません。そんな時に出会ったのが多聞です。母親も気に入り、家で飼い始めるのですが、多聞はいつも南を向いて誰かを探しているようでした。

 

しばらくして、和正が犯罪の手伝いをしている時に事件に巻き込まれ、その時に多聞は居なくなってしまいます。まぁ、そんな犯罪に犬を連れていくのが間違っているんですけどね。そして舞台は滋賀へと移ります。なので数か月で仙台から滋賀へと多聞は移動したようなんです。

 

 

そして多聞は滋賀で美羽と出会い、飼われることになります。和正は戸建の家だったので拾ってすぐに飼えるだろうけど、美羽はアパートっぽいので、ペット不可だったんじゃないかなぁ。拾って面倒を見てくれるのは良いけど、後のことも考えて飼ってくれないとねぇ。ちゃんと最後まで責任を持って飼ってくれる飼い主でないと困るのよ。

 

美羽は多聞と暮らし始め、SNSで多聞のことを発信して和正がそれを見て、美羽のところへやってくるんです。最初は多聞の取り合いみたいになりますが、段々と意気投合します。ここで美羽の過去や背負っている罪も解りますが、それは映画で確認してね。でその間、多聞は西方向を気にしているんです。仙台から南で滋賀から西、となると九州方面ですよね。

 

 

そしてここまではじっくりと描かれてきたのですが、ここからの展開が一気に動きました。美羽がいなくなり、和正が多聞を引き受けますが予定通りにはいきません。ちょっとぉ~!という展開があり、どうなるんだろうと思っていたら、え??ファンタジー映画になりました。ここまでイイ感じで来ていたのに、この展開ですかぁ。まぁ、仕方がない。

 

ぶっちゃけ、多聞は一匹で熊本の会いたい人に会いに行きます。ファンタジーなので誰がどう想像していたかは勝手です。でも、多聞は可愛がってくれた少年に会いに行き、そこで一緒に暮らすことが出来ます。しばらくですけどね。

 

何ていうか、人間の側からすれば良い話になるんだけど、犬の立場からしたら、なんで人間のためにこんなに振り回されなきゃいけないんだよって思いました。やっと会えたのにこんなことになってしまい、そりゃ人間が悪いんじゃないかもしれないけど、でもやっぱりそこに来なければ、もっとしあわせになれたかもしれなくて、犬ばかり損をしていると思ってしまいました。

 

 

人間と犬のとってもよいお話ではありますが、それは人間の側からだけで、犬としたら迷惑だったのかもしれません。人間のせいで彼らの犬生が振り回されているという風にしか見えないんです。もし仙台で震災後にしっかりした飼い主が飼ってくれていたとしたら旅はしなくて良かったし、昔懐いた人のことは忘れていましたよね。新しい飼い主の所が自分の場所だと認識したでしょうから。

 

犬はしっかりと愛情を持って自分の家族として飼ってあげないと、犬だってそこが自分の居場所だと感じられないんです。拾ったから飼っちゃおうといういい加減な気持ちで飼うから、犬だって”ここじゃない”と思って旅をしちゃうんでしょ。人間も犬も信頼が第一です。心から信頼出来なければ一緒に暮らせません。多聞だって、もし信頼したなら旅を続けずにその飼い主の場所に留まったはずです。犬側の気持ちも考えて欲しかったな。

 

 

私はこの映画、お薦めしたいと思います。犬が何千キロも少年に逢うために旅をする感動作です。多聞を演じた”サクラちゃん”はとても可愛かったです。お利口な犬でした。キャストの方々もとても上手かったです。ちょっとストーリーに難があったかなぁと思いましたが、私の思いが犬に偏り過ぎなのかもしれません。ぜひ、観に行ってみてください。

ぜひ、楽しんできてくださいね。カメ

 

 

「少年と犬」